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異世界神地録  作者: 記角ルン
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第6話 その先

 あの木の間をくぐると、すぐ側に石の階段(下行き)があったので、俺はその階段を降りていく。すぐにその階段は、上に登るものにかわり、左へ曲がる。次は下行きの階段が左へ折れている。その次も左へ曲がる上行きの階段がある。登る。


『もとの位置に戻ってきたわけだが、カナメ、どうする?俺に代わって超荷電粒子砲ぶっぱなすか?』


 エグリシャはそう言ってケケケと笑う。


 俺は、無視して、もとの位置を観察する。


上ってきた階段はいつのまにか消えていて、そこには大きな木が生えているだけだった。


『もしかして、これも結界かもな』


「防御か、それとも封印か?」


『いやいや、明らかに防御だろ。俺なら簡単に...お?誰か来るな』


 エグリシャは警戒を促す。


 しばらくすると、俺が入ってきた木の間から、何人かの狂言とかに出てくる黒子の白いバージョンの奴がやって来た。

全員の手には、西洋風の、飾りを重視したピストルが握られている。


『こりゃまた、和洋折衷な奴らが来たな』


 黒子の白いバージョンだから白子と呼ぶことにした。


 白子がピストルをこちらへ向ける。


「××××××××××××××」


 白子がなにかを言うが、俺の知らない言語だ。


「××××××××××××××!!」


今度は口調が少し強くなった。


「さっぱりわからん。親父、何言ってるかわからない。翻訳してよ」

『俺かて、言語学者?じゃないしな。カナメ、俺に体代われ』


 仕方ないので、俺はエグリシャに体の操作権限を貸す。


「×××××ったい、何者だと聞いているんだ!!」


「sorry.俺ら、お前らの言語理解できんわ。んで、脳の中を直接見せてもらったよ。お陰で、お前らの質問に答えられるよ」


 急に、白子の言っている言葉が理解できるようになって、驚いていると、エグリシャがそんなことを言い出した。


『何したんだよ親父!?』

(精神透視(マナサイト)っていう超能力。直接心の中を覗くことで、相手の心を透視しちゃう、俺が作った戦闘用補助スキル、みたいな?)





 その後の話を簡単に纏めるとこうなった。

どうやら、ここから先は貴族階級の人たちが住む街になっていて、ここは簡単に人を通さないための仕掛けだったらしい。

白子たちは、その門番で、不審者が仕掛けに捕まったから補導しにきた、とのこと。

ここの街は、神代家という神の子孫が代々治めてきたということ。


『神代...って、まさか、神代佑奈の一族か?』


 俺に代わって、エグリシャが聞くと、


「佑奈様をご存知なのですか!?彼女は、4日前から行方不明で...」


という返答が来た。


『行方不明...』


 俺は、佑奈を捜索するのを手伝うと言うと、白子たちは、快く了承、というわけにもいかず。


「でしたら、最低限、どれ程の戦闘力があるか、私と一戦、お願いします」


という話になった。








 白子と戦うのは、エグリシャのめんどいという一言から、俺がやることに決まった。



「両者構え!」


 審判の白子の掛け声で、俺は刀を構える。

対する白子...白子多いし、仮に戦さんと呼ぶことにした。───は、ピストルの銃口を額に狙いをつける。

 あ、こいつ俺のこと殺す気だわと思った一瞬であった。


「───開始っ!」


 審判の掛け声と同時に、右に跳ぶ。


直後、さっきまで俺の頭があったところを銃弾が通過した。


 少しヒヤッとする。


 戦さんが第二射を放つ。


左前にステップし、右にステップする動作で、戦さんの銃弾を回避するが、パターン化すると読まれるので、とにかく刀で弾いたりしながら接近を試みるが、なかなか近づけない。


 戦さん、恐るべし。


 やがて、銃弾が切れたのか、戦さんが腰からナイフを取り出す。


 ここぞとばかりに接近する。


刀がナイフで防がれ、弾かれ、そして、攻撃を仕掛けられる。


『防戦一方だな。魔法使えよ』


 エグリシャが話しかけてくるが、無視して今は戦さんの攻撃を防御する。



 ババンッ!



 銃声が鳴り、両足の甲を撃ち抜かれ、バランスを崩す。


 いつの間にかリロードが終わっていたらしい。


「くっ!?」


 鬼の回復力によって完全に治癒された足で、ピストルを蹴り落とし、縮地の応用で落としたピストルをキャッチ、ステップで背後に回り込んで、銃口を後頭部に突きつける。


 しかし、戦さんは動きを止めず、突きつけられてからノータイムで俺からピストルを奪取、鳩尾を後ろ蹴りで突き飛ばされ、刀が手から落ちる。


「まだまだですね。こんなんじゃ。しかし、驚きましたよ、その自然治癒力の以上な高さ。あなた、普通の鬼じゃありませんね?」

「はっ。お前こそ鬼の癖に、何でこんな仕事してんだよ」

「そりゃ、この街が、鬼と人族の作り上げたものですから」


 話している間にも、俺は何もないところから拳銃を取り出す。


 無限増殖銃器の拳銃版。リロードする必要がないし、飛距離も調節可能。おまけにとても軽い。


 それから銃の撃ち合いが始まり、審判が声をあげた。


「ぐはっ!?」


 どうやら、流れ弾が当たったようであった。

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