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第4話 次の世界
気がつくと、そこは俺が住んでいた世界だった。
無事に帰ってこれたのだ。
周囲を見回すと、佑奈が倒れていた。
だが、おかしい。なにか違和感がある。その正体が、わかった。
「佑奈が、鬼になっている...!?」
そう、佑奈の額には、鬼の角が生え、襟から露出している鎖骨には、赤白い鱗が数枚生えていたのだ。
「どういうことだ?」
そうしていると、佑奈が目を覚ました。
「おはようございます、カナメさん。無事、帰ってこれましたね?」
彼女がそういうと、周りの風景は歪み、消えていった。
「!?...夢か」
あの後、俺はもとの世界に帰ってこれたのだが、佑奈の姿だけ見当たらなかった。
あったのは一通の手紙に一言。
「助けに来て、か...」
拐われたなら手紙をおく暇もないだろうしな。
周囲を探索した結果、他にあったものは、鳥居のマークが描かれた木が二本。
そこから先は、なにも見えなかった。
あそこが一番怪しい。
「入れないように結界が張られているしさて、どうしたことか」
俺はそう呟いて、作戦を練り始めるのであった。