第10話 神代の炎神1
「それでは、俺たちは神代炎侍現神代一族当主様に報告をしてきます。カナメさんたちは床屋にでも行って頭を整えてきてください。それでは」
その後、D・アッザイランドさんたちはそう言って、神代邸に去っていった。
「それじゃ、私はカナメにぃを床屋に案内するよ。ついてきて」
「あれ、巳沙はDさんと行かないのか?」
だが一人だけついていかなかった巳沙に、俺はそう聞く。
「あれといても面白くないし」
彼女はそう言うと、真っ白な猫耳をぺたんと垂れながらそう答えた。
「へぇ、そういうものか。なら、案内頼もうかな?」
「任せろっ!」
その後、俺たちは床屋で髪を切り整えた後、神代一族現当主、神代炎侍について、話を聞いていた。
「炎侍おじさんはね、継承権2位だったんだけど、兄である神代炎帝が辞退したから当主になったんだったかな、確か」
「へぇ、なんで炎帝さんは辞退したのかな?」
ため口口調になった佑奈が不思議そうに聞く。
「そうだな。俺もそれ聞きたい。どうしてなんだ?」
すると、巳沙が肩をすくめて、さぁ?と両手を挙げる。
「ただ、言えることは、あの人、自由主義だからおそらく『そんな面倒な仕事は嫌だー』、なんて所なんだろうね」
なんだそれ。まぁ、わからなくもないが。
そんな風に思いながら苦笑していると、巳沙が、そういえば!と話を切り替える。
「今思い出したことなんだけどさ。炎帝さん、すごく強いんですよ。なんたって神々の末裔希少継承率2位の能力を持ってたんだし」
巳沙は腰から生えた白い猫のしっぽを左右に嬉しそうに振りながら言葉を続ける。
「世界創造、っていう能力でね?簡単に言えば、想像術の上位互換なんだ。物質どころか半物質、エネルギーにイマジナリーアイテム、さらには能力だって創れちゃう。欠点は他人に使えないことだけなんだけど、能力の仕組みを改変してそれも可能にした素晴らしいものなんだよ。いうならばこうだね...」
「ワールドリフラクト、改。だろ、巳沙?」
そう後ろから話しかけてきたのは、黒髪の男性だった。
「炎帝さんっ?!」
「よぅ」
彼は右手を挙げ、そう返事した。




