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舞い散る血色

お待たせしました。


御指摘を受け、タグに『一部パロディ有り』を追加。

ついでにジャンルを変更しました。あ、転移転生はありませんのでご安心?を。

 まあ、いいか。

 すぐに思い出せないって事は大した事じゃない、だっけ。何の言葉かまでは知らないけど。

 忘れっぽい事の言い訳じゃありません。理論武装です。よし、自己弁護終了。


 じゃあ、『魔獣の森』に行きますか!





 森までは久しぶりに歩いていく事に。

 おまるでの移動は速いし楽ちんなんだけど、その分戦闘が発生しにくいのです。

戦闘の機会が減るという事は取得経験値が減るという事であり、戦闘に対する経験やノウハウといったものの蓄積の機会も減るという事でもあります。スキルを含めた全体のレベルアップは遅れるし、咄嗟の反応や直感は鈍ってしまう。それは頂けません。

 ゲームを進めていくには常の成長は不可欠。ソロである以上その影響は顕著。

 最前線での攻略や効率に拘るつもりはないけれど、あまり遅れてしまうのも癪ですし。少なくとも後発組よりかは先を進んでていたいと思います。


「ルーミスさん達もそろそろクホホルグレを目指す、と言ってたし」


 店の管理はNPCに任せて移動予定だったとか。その為の戦闘スキルのレベル上げも終えており、引っ越し準備を進めながら私の帰還を待っていたそうです。

 戻ってくるのが遅くて申し訳ありませんでした。


 私も、装備を作って貰ったら南へ向かうかな?




 森へと向かうルートは東門から向かいます。

 東側にいるのはアクティブMOBばかりだけど、その分戦闘回数も増えるだろうし。油断は禁物だけど、今更ジャンピングラビットやスピアーフロッグ辺りに負ける事もないだろう。

 だから、むしろ積極的に存分に襲ってきてくれて構いません。素材欲しいですし。というか寄越せ。






 ピコーン!

《【格闘】のレベルが上がりました!》


《【ダッシュ】のレベルが上がりました!》



 相変わらず、縄張りに入ると飛び蹴り一直線なジャンピングラビットと、舌の刺突は射程が長く速いが懐に入られると弱いスピアーフロッグ。どちらも横に躱したら近付いて殴るだけの簡単なお仕事です。【格闘】のスキルを上げる為に武器は仕舞って、拳や足で殴る蹴るの肉弾戦。スキルは育つし、ちょっとしたストレス解消にもなって一石二鳥だ。

 ドロップは毛皮やお肉がいっぱい取れてほっくほく。ジャンピングラビットからは二つ目の尻尾も取れたし、戦果は十分でしょ。


 ついでに新しく手に入れていた巫術やアビリティの確認もしてみる事に。



 まず、巫術の〈アラミタマ〉。

 ダメージ増加結界という事で〈ハラエノミソギ〉同様の設置型——と思いきや、指定した対象一体を中心に周囲10メートル程、球状の結界が展開されるという付与タイプでした。

 見た目は、対象を中心に赤黒く揺らめく光の粒子が幾筋もの輪を描いて(はし)るという、なかなかに禍々しい雰囲気。しかも攻撃しダメージを与えた瞬間、赤黒い光の粒子が集結し爆発。周辺の肉を削り取って外傷を広げる、という極悪なエフェクトです。

 これを人前で使うのは非常に度胸がいるかも……


 自身、あるいは味方に付与して、その周囲にいる敵に対する制圧力を上げるという選択肢もあるのですが。敵が複数で固まっているのならば、その内の一体に付与して範囲攻撃を叩き込むという、非常に凶悪な戦法も取れるんじゃないでしょうか?コレ。

 幸いというか残念というか、付与指定可能な距離はそこまで長くないので、後者での運用はかなり難易度が高そうですけど。


 あと、ダメージ増加効果はあくまで敵限定で、自分や味方には影響ありません。敵、自分のどちらに付与してもそれは変わらず、純粋に戦闘支援として運用可能であるようです。



 次に、種族アビリティの〈鬼出電入〉。

 まず説明を見てみるとこんな感じです。


【鬼出電入】

《稲妻のように自在に消え、そして現れる。鬼とはそういうものだ》

 スタミナを消費して、任意の場所に瞬時に移動する


 これは言わば、瞬間高速移動ですね。

 スタミナを僅かに消費して、指定方向の一定距離までほぼ一瞬で移動するという便利な能力です。

 欠点は、あくまでも高速移動(、、、、)なので、移動方向に障害物があると衝突したり足を引っ掛けたりして目標地点まで移動できない事と、目標地点に到達するか障害物に接触するまでは決して停まれない事です。

 ある意味では槍や盾などの前衛職のアーツにある【突進(チャージ)】系に似ているかも。あれは武器(盾)を構えて一定距離まで停まらず(れず)に突進する、というスキルです。【突進(チャージ)】系と違うのは、移動に攻撃は伴わず、目視で指定した地点までノーモーションで移動できる事。その移動がほぼ一瞬である事です。

 本当に発動即移動(瞬間移動)という感じなので、移動しながら攻撃の体勢を整えて、などという行動はまず無理です。〈震脚〉で瞬発力をあげたり、武器を構えたままの突撃攻撃したり、などという芸当も不可能。

 試しに、何故か丘の上で一匹だけ佇んで黄昏れていたパームモンキーにぶつかってみたのですが。お互いに吹っ飛んだのはいいんですが、相手(パームモンキー)が軽く吹っ飛んでそこそこのダメージを喰らっていたのに対し、私は受けたダメージが割と大きく、ゴロゴロと結構な距離を転がってしまいました。これではとてもじゃないが攻撃手段としては使えませぬ。ほとんど特攻(自爆)ですね。


 視認できない後方への移動もできないので、思った以上に使い方や使い所が難しいアビリティかもしれません。

 だけど、即時に攻撃の間合いを詰めたり敵の攻撃範囲外に退避したりできる上、初見ならばほぼ確実に敵の不意を突ける事は非常に大きなメリット。

 スタミナの消費が割と軽めなのであまり気にしないでぽんぽん跳べるので、そこも良い点かな?

 汎用性が高く戦術に幅が広がる、研究し甲斐のあるアビリティですね。



 大体の、準備運動も兼ねたスキルやアビリティの慣らしも済んだ所で『魔獣の森』に到着です。


 さぁて、暴れますよー!





《【暗器術】のレベルが上がりました!》


《【掴み】のレベルが上がりました!》


《【格闘】のレベルが上がりました!》


《【ダッシュ】のレベルが上がりました!》


《【アクロバット】のレベルが上がりました!》


《〈コンパクカッセイ〉のレベルが上がりました!》


《〈セイキテンペン〉のレベルが上がりました!》


《〈シンキジュンカン〉のレベルが上がりました!》


《〈アラミタマ〉のレベルが上がりました!》



 いのししさんたち、安らかにおやすみください。ナムナム。


 特定のスキルだけ使っていたせいかスキルレベルが偏ってしまっていたので、狩りついでに色々と使って上げていく事に。

 特に無手の技はあまり得意ではないので、【格闘】はそれなりに高いレベルにまで上げておきたい所です。



 そして、やはり見た目が凶悪すぎる〈アラミタマ〉。


 自分に付与して〈モノキボア〉と何度か戦ってみたのですが。

 〈モノキボア〉は〈アラミタマ〉によりダメージ増加効果、つまり爆発を喰らうと七転八倒身悶えしながら鳴き叫んでいました。お腹に大穴が開いたんだから当然ではありますが。

 あまりの苦しみように、思わず〈重金の髪飾り〉で頭蓋を砕いて止めを刺してしまいました。あの惨状はあまりにも酷いです。罪悪感ががが。

 それでもスキルレベルを上げる為、心を鬼にして猪たちを爆殺、もとい狩っていきます。

 幸いなのかどうなのか、眉間や首筋など一般的に生物の急所とされる部位にダメージを加える事で致死、もしくは瀕死級の大ダメージを与えて昏倒させる事ができるので、急所は積極的に狙っていく事にしました。



「っと」


 手前の木の陰から現れたのは灰色の毛並みと甲殻を持つ熊——〈グリズリーアーム〉。


「そういえば、変異種(〈シルバーアーム〉)とは戦った事あるけど、原種(〈グリズリーアーム〉)とはまだでしたっけ」


「グルルル……」

 

 口元からダラダラと涎を垂らしています。きたないです。

 どうもお腹が空いているようですが、そのせいか理性も知性もまるで感じません。

 ——いや、『魔獣の森』(ここ)は『狂乱の森』。本来、この森に生息する全ての生物は理性なんてない筈なんですけどね。

 以前遭遇した熊さんは理性的というか穏和な感じだったので、てっきり原種にはその辺の耐性でもあるのかと思ったのですが……そんな事はなかったようです。

 あれは全存在戦闘厳禁な『生命神の泉』(セーフティエリア)限定だったからなのかな?


「グォアアアーッ!」


 ともかく、相手は「オレサマオマエマルカジリ」と来るおつもりのようなので、迎撃です。


 当然、食おうとしてくる以上、食われる覚悟もありますよね?

 だから、その毛皮と甲殻とお肉を——


「頂戴な?」





 突っ込んてきながら振り下ろされる右腕を後方ステップで回避。

 同時に、自身にバフを掛ける。


「——〈怪力乱神〉!〈コンパクカッセイ〉!〈アラミタマ〉!」


 移動も攻撃もそこそこ速くはあります。けれど、かつて相対した〈シルバーアーム〉の腕の振り下ろしや〈ナンジャマクガン〉の鋏による叩き付け攻撃ほどじゃない。

 余裕を持っての回避は容易。


「——〈鬼出電入〉」


 着地と同時に〈鬼出電入〉を発動。超短距離移動により、攻撃後で隙だらけになっている懐に潜り込み。


「フッ——!」


 脇腹、筋肉と背中の甲殻の間の僅かな隙間に、左拳でショートフックを叩き込む。


「グガッ!?」


 血の色をした光が拳の周辺に集まり、叩き込んだ箇所を問答無用で爆発。


「ガ、ァアァッ!?」


 強烈なダメージに怯み、〈グリズリーアーム〉が体勢を崩しました。

 躊躇なく右拳による二撃目、空手で言う正拳突きを同じ箇所に撃ち込み、傷口を更にこじ開ける。そして下がってきていた顎を、身体を捻らせての蹴り上げで上へと打ち上げる。


 連続の、鬼の怪力による強力な打撃とそれに伴う爆発。

 流石にこの威力で無事でいられるような規格外(頭のおかしい)生物はそうそういないでしょう。……いえ、高レベル体なら人間だろうが兎だろうが普通に耐えそうですが。レベル制のRPGは割と理不尽な所がありますし……1ダメージとか、miss! miss! miss!とか。



 しかし、〈グリズリーアーム〉は流石に耐えられなかったようです。


 白目を剥き、顎を打ち上げられた状態で上を見上げたまま、ゆっくりと後ろに倒れる。

 その脇腹は無惨にも吹き飛んで大穴が開き、下顎は完全に消失。

 リアルならグロ指定間違い無し。やりすぎた。



《【格闘】のレベルが上がりました!》


《〈アラミタマ〉のレベルが上がりました!》



「ナムー」


 冥福と戦闘と、素材の感謝を込めて合掌。

 剥ぎ取りをしてから、移動再開です。


 うん。しかし流石に。

 

「これはひどい」


 〈怪力乱神〉と〈アラミタマ〉のコンボは、混ぜるな危険レベルだったようです。スキルレベル低い【格闘】ですらこのアリサマですし。


 ——使うのはやめませんけど。

名前 : 饕餮 / TOUTETU

種族 : 鬼人Lv. 4

職業 : メイデンLv. 7


称号:

『虎狩り』[特殊]

『危難を凌ぎし者』[特殊]

『戦神の承認者』[特殊]

『悟武臨の友』[特殊]

『戦鬼』[種族]


ステータス

 ATK:+2

 DEF:+16

 MBS:±0

 RES:+10


 STR:18

 VIT: 13[+5]

 AGI:15

 DEX:14[+2]

 INT:24

 MND:30


ボーナスポイント:5


使役契約:御丸(種族:ロリポリ)


装備アイテム

・〈紅鋼樹の六尺棒〉[装備解除中]

・〈古鉄扇〉×2(二刀流)[装備解除中]

・〈網蚕糸の袖無し服(巫女装束風)〉

・〈網蚕糸の袴ズボン(巫女装束風)〉

・〈ファーコートドレス『ルプス・コローナ』〉

・〈重金の髪留め〉

・〈跳ね兎の革足袋〉

・〈異界の道具袋〉


イベントアイテム

・〈宝冠の欠片〉×2


種族アビリティ

・【怪力乱神】

・【鬼出電入】


習得魔法

【巫術】Lv. 7


〈ハラエノミソギ〉Lv. 2

〈ナギノミカガミ〉Lv. 3

〈ミノカミ〉Lv. 1

〈ツクモツキ〉Lv. 3

〈コンパクカッセイ〉Lv. 3 → 4

〈トラノカミ〉Lv. 1

〈セイキテンペン〉Lv.1 → 2

〈シンキジュンカン〉Lv. 1 → 2

〈イノカミ〉Lv. 2

〈アラミタマ〉→ Lv. 2


オリジナルアーツ

〈雀撃ち〉Lv. 1

〈竜尾の一振り〉Lv. 2


所持スキル

【棒術】Lv. 13

【震脚】Lv. 12

【暗器術】 Lv. 6 → 7

【掴み】Lv. 7 → 8

【鉄扇術】Lv. 8

【格闘】Lv. 7 → 9

【短剣術】Lv. 1


【細工】Lv. 3

【料理】Lv.1

【テイム】Lv. 2

【鑑定】Lv. 3

【解析】Lv. 5

【伐採】Lv. 1


【舞踊】Lv. 8

【二刀流】Lv. 2

【パリイ】Lv. 3

【恐怖と魅惑の微笑】 Lv. 2

【ダッシュ】Lv. 4 → 5

【アクロバット】Lv. 5 → 6

【食材への眼力】Lv.1

【暗視】Lv. 2


【言語理解】Lv. 1

【鬼人語】Lv. 1

【神幻語】Lv. 1

【古代魔法言語】Lv. 1

【精霊語】Lv. 1

【魔導言語】Lv. 1


スキルポイント: 26 → 36

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