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【細工】についてお勉強

またも遅れて申し訳ありません。

「じゃ、行きます。また後で」

「また、後でねー。うあー楽しみー!」

「はい。では終わったら、総合受付の横にあったソファーの前で」


 淡く白い光を放つ転送扉をくぐり抜けると、小さな部屋に出た。


 周りには誰も居らず、私一人。

 部屋を見回すと、壁には棚が備え付けられ、そこに様々な素材と思しき物が並んでいる。部屋の中央には作業台? 色々な、中にはよく分からない用途の道具が転がっている。ここは【細工】の作業部屋なんだろうか。


「よく来たね」


 びっくん!

 後ろからの声に振り向く。


「キミが見学と講習に来たトウテツ?」


 目の前に ” 浮かんで ” いるのは、フェアリーの女性。

 

 出るとこと引っ込むとこを兼ね備えた豊満な体形(裏山しい!)に、長くウェーブの掛かった青銀の髪を束ねている。容姿も整っている……が、煙管を咥え、ニヤニヤと浮かべた下品な笑いが全てを台無しにしている。いわゆる残念美人ぽい、この人。


「はい。私の名前は饕餮。トウテツです」

「私はパフィオペディラム。キミの講師役だ」


 ぱ、パフィオペ…?


「長ければ、ペディでいいよ」


 え、パフィじゃないんだ?


 ペディさんは作業台の前に移動すると手にしていた煙管を口から外して、煙を吹いてから笑ってみせた。

 あ、これ煙草じゃなくてハーブ? 全然煙くないや。


「最初の所はどっかの女神さんの名前が由来らしいからちと恐縮ものでねぇ」


 なるほど?


「この世界の神様ですか?」

「いや? 私の名前は創造神カウインハエツイからの神託で付けられたんだけどね。創造神サマの世界の別の神様らしいよ?」


 ん? 創造神? カ・ウ・イ・ン・ハツ・エ・イ……?



 …………開発運営?



「ソーナンデスカ、スゴイデスネ。……【細工】について御指導お願いします」

 突っ込まない。私は突っ込まないぞぉっ!



 そう言えば、” 浮かんでる ” って事はこの人の種族レベルはかなり高い。


 この世界のあらゆる生物にはそれぞれ、種族固有の能力があり、それは『アビリティ』と呼ばれている。例えば、エルフなら植物と共感する事による操作。竜人なら竜の血を呼び起こして放つ様々な吐息。

 それら種族固有の能力はどれもスキルとは一線を画すもので、故に相応の実力がいる。

 具体的には種族レベルが最低でも3はないと基本のアビリティを発現できない。そして種族レベルは簡単に上がるものではない。

 ヒトにしろ魔物にしろ、種族レベルが高いという事は百戦練磨の強者たる証であり、戦闘における大事な真っ先に確認すべき要素なのだ。


 フェアリーのアビリティである【浮遊】を常時発現しているペディさんは、相当な高種族レベル保持者と予想できる。


 ちなみにこれも公式はおろかwikiにもなかった。

 訓練中に戦闘における注意事項として、ハート様に人間のアビリティでぶっ飛ばされながら教えて戴いた情報である。

 あれ、そういやこれルーミスさんに教えてなかったけど、流しておかないといけない情報かなぁ?



「……なんで死んだマグロのような目をしてるんだい?」


「気ニシナイデクダサイ。それよりお願いします」

「わ、わかったよ。じゃ、そこの椅子にお座り。


 まずは【細工】についてを説明するからね」


 促され、作業台の前にあった椅子に座る。



「じゃ、始めようか。


 まず、分かってるとは思うけど、【細工】というのはアクセサリーや装飾品を作成するスキルだ」


 まあ、その位は知ってる。MMOの生産でも定番だし。


「スキルが成長すれば、色々工夫も出来るようになるけど。まあ、基本は削ったり曲げたり磨いたり、が主な加工手段になる。


 素材は特に制限はないよ。ただ、その代わり他の生産スキル、【鍛冶】や【木工】ほど、能力に影響を及ぼす物は作れない。剣で切り裂いたり、盾で守ったり、と目に見えるもんじゃないからね。


 【細工】を極めた先で作り出されるような代物は別らしいがね。例えば遺跡やダンジョンで稀に見つかる古代遺産の非常に強力なアクセサリーなんかはその類いらしいよ。


 まあ、毒の耐性上げたり、運を良くしたり、なんていう ” 有ると助かる ” 能力を序盤から作れるのは【細工】だけだから、強みがない訳じゃないけどね」



 なるほど……。実際に聞くと重要と思われる情報もいろいろとあるな。


  ピコーン!


《ロック解放条件を満たしました! 生産スキル【細工】が解放されました!》


 おっ。


《【細工】解放に伴い生産工程については一覧タブより確認できるようになりました!》


 よし、確定と。


 ん? 生産工程?



「じゃ、実際になんか一つ作ってもらおうかね」


 え?ちょ、まっ——

 名前 : 饕餮 / TOUTETU

 種族 : 鬼人Lv.1

 職業 : メイデンLv.1


ステータス

 ATK(攻撃力):+1

 DEF(防御力):+2

 MBS(魔力増幅):+1

 RES(魔力抵抗) +2


 STR(筋力):6

 VIT(体力):5

 AGI(敏捷): 8

 DEX(器用): 8

 INT(魔力):10

 MND(精神):18


装備アイテム

 ・木のロッド

 ・白の襲

 ・緋袴

 ・異界の道具袋


 習得魔法

 巫術Lv.1《解放》


所持スキル

 棒術Lv. 3

 震脚Lv. 3

 舞踊Lv. 2

 細工Lv.1 《解放》New!

 鑑定Lv.1


スキルポイント:5




(※種族レベルについての説明を一部修正)

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