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商業ギルドにて

お待たせ致しました。


修正内容

※商業ギルド総合受付嬢の種族に対する感想を追加

※【鍛冶】が二重になっていた部分を【精錬】に修正

 自由都市『ウェンディコ』に存在する五大施設はそれぞれ特徴的な色彩と形状の建造物となっている。

 青い屋根のカマボコのような形状の冒険者ギルド。

 白亜の大神殿。

 赤い砦のような自衛騎士団本部。

 黒い塔の魔術ギルド。


 そして、通称『緑色のバウムクーヘン』と呼ばれる大会議施設こそが、商人と職人を監督し、交易と生産を担う商業ギルドである。



「ほえー……」

「すごく……大きいです……」


 呆然と見上げるマルキューさんと私。

 ぶほっ、と噴いたのはルーミスさんだ。むむ、このネタがわかるとは、ルーミスさん。なかなか出来ますな?


「こほん。ここが商業ギルドね。別名カビバウム」

「なんですか、その意外と実在してそうでいて明らかに失礼な名前」

 せめて抹茶にしましょうよ。

 もしや、カビてる=食えない、で商人たちが強かで煮ても焼いても食えない人達だから、とかいう安直な連想じゃないですよね?

 それとなく聞いてみたら、目線を逸らされた。エェー。


「と、とりあえず、中に入りましょう」


 仕立ての良い服に身を包んだ見るからに私儲かってます的な商人がいれば、その拳で岩くらいなら軽く砕きそうなぶっとい腕をした鍛冶屋らしき大男もいて、商業ギルドの正面

玄関を入れ替わり立ち替わり出入りしている。

 私たちはその中に入ろうとしている列に合わせて、カビバウムの中に入った。



「ほっほー。中はこんな感じなんだー」


 総合は、あそこか。

「とりあえず、受付で聞いてみましょう」

「そうね。場所もβのままか分からないし」

 うーん、それもあるかもしれないんだけど……


「部外者が勝手にずかずか入ってくのって、ふつーに不法侵入じゃないのー?」

 マルキューさんが私と同様の意見を口にする。


 そう、このゲームにMMOやRPGの、いわゆる定番は通用しそうにない。秘密の場所に入れたはいいが入った瞬間に即拘束、という罠がないとも限らないのだ。

「…………こんな油断出来ないMMOは初めてだわ……」

 ルーミスさん、よく分かります。


 そういえば……

「お二人は冒険者ギルドに登録されていますか?」

「もちろん」

「ルミちゃんが登録しろ、って言ったからしといたたたたたっ!?」

 マルキューさんが背後からルーミスさんのアイアンクローを喰らっている。今の、リアルネームか……


 とりあえず、総合受付に向かい、用件を告げる。

「すみません。冒険者ギルド所属している、ルーミス、マルキュー、トウテツの3名。工房施設の見学と初心者講習を受けたいのですが」


「いらっしゃいませ、商業ギルドへようこそ! 施設の見学と初心者講習ですね。それでは右手に向かって進み、8番の受付にお話し下さい」


 そういえば、このお姉さんみたいな種族、初めて見るなぁ。虫の獣人?

「おねーさん、はじめて見る種族だねっ。なんてーの?」

「自重しなさいバカ妖精」

「あら。蟲人の蟷螂種なの。よろしくね」

 蟲人とかいるんだー。カマキリ以外にもいるんですかね。



 言われた8番受付を目指す。

「ルーミスさんは【精錬】と【冶金】と【木工】、職業の【鍛冶】でしたっけ?」

 商業ギルドに来る途中、スキルについて話した時の事を思い出す。

 ルーミスさんとマルキューさんは純生産職を目指していて、二人で全般をカバーできるようなスキル構成にしようとしたらしい。ルーミスさんは金属と木材加工、マルキューさんは皮革と布と諸々の生産に特化する形だ。

 マルキューさんが何故か取る筈の【細工】と職業の【商取引】を忘れて、【紡績】と【錬金術】を取ってしまう、という珍事があったが。

 ちなみに【細工】は難しいが、【商取引】についてはお二人のもう一人のリア友が取得しており、三人でなんとかするようにしたらしい。【細工】を持っている、と話したら、思いっきり勧誘された。

 んー、時々協力ならします、……よ?


「ええ、βの時にたまたま鍛冶屋の系譜になって、やってみると楽しかったから——」

「着いたよー!」

 先に行っていたマルキューさんがブンブン手を振っている。

「もう、あの子は……」



「いらっしゃいませ! こちらは見習い職人の為の工房施設見学並びに講習の受付となっております!」

 んー、ここはドワーフの女の子が受付嬢か。種族バラエティに富んでるなー。ちなみにドワーフっ娘はちっさくて丸っこい。


 ヒゲはない。あえて言おう。女の子におヒゲなんてなかったんや!


「私は【鍛冶】、【精錬】、【冶金】、【木工】。この子は【縫製】、【皮革加工】、【紡績】、【錬金術】で施設見学と講習をお願いします」

「私は【細工】でお願いします」


「かしこまりました! ——それでは右手にある扉にお入り下さい。それぞれ希望する工房と講習を受けられる場所へ転送されます!」



 また、転送扉? ……割とこの世界では普及してる技術?

ステータスに変化がないので表記なし。



5話でマルキューが【錬金術】を出してないのは選択取得したものではなく、職業スキルでど忘れしていたからです。


また、マルキューとルーミスは純生産職志望である為に武器スキルの訓練を後回しにする予定にしていて、故にスキルロックと解放に気付かずにいました。

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