待っててね!
主人公がどんどん進んでイッてます。
色々レベルアップしたので、確認とステ振りの為に門の前に戻ってきました。LPとMPも消耗しているので、回復もしたいし。
壁際の礎石かな? 出っ張っている部分に腰掛ける。
「おや? どうされましたか?」
「大丈夫か。なんかあったのか?」
今日の門番さんは礼儀正しい丁寧な口調のお兄さんと優しそうなお兄さん二人だ。こないだのおじさま達はお休みかな?
「一区切り付けたので、休憩です」
門番のお兄さん達は納得したのか、頷くとそれで目線を前に戻した。
そこはかとない小さな子供を相手にするような語り口は……気にならないし、気にしないし、気にする必要なんてないよね。
うん、そうだよ。気にしても仕方ないんだよ。
さて、まずはステータスだ。
狩りに出る前は、こうだった。
STR:8
VIT:6
AGI:10
DEX:11 [+2]
INT:12
MND:22
そして、レベルアップ後の現在。
STR:10
VIT:7
AGI:11
DEX:12 [+2]
INT:13
MND:24
いっぱい上がりすぎて把握しにくい!
けど、スキルや職業レベルの以前のステータス上昇から考えると、AGI(敏捷)とDEX(器用)の各+1は【舞踊】の補正。INT(魔力)の+1とMND(精神)の+2は職業レベルによる上昇だろう。
となると、STR(筋力)の+2とVIT(頑健)の+1が種族レベルアップに伴うステータスの上昇と考えられる。
時間掛かった割には上昇値は一見ショボく見えなくもない。だけど、ここでボーナスポイントを見てみる。
ボーナスポイント:7
このうちの『2』は職業レベルアップによるプラスなので、種族レベルのアップによるプラスは『5』。
STRとVITの上昇分も合わせると、『+8』のステータス上昇だ。序盤での、この上昇値は流石に影響が大きいと言わざるを得ない。STRが『+1』上がるだけでジャンピングラビットを突き殺……倒すまでの攻撃回数が減り、楽になっていたのだから。
固定でSTRとVITが上昇したのは、やっぱり鬼人だからかな? 他の種族だとどう上がるんだろ。
あと、なんとなく思うのだけど、種族レベルが更に上がれば上昇値も更に上がるような気がする。いつかあの金色をぶちのめしてやれる位強くなれるといいな。
ボーナスポイントを何にどう、振ろうかな……?
うーん、悩ましいなぁ。
……よし、こうしよう。
STR:10 → 12
VIT:7 → 10
AGI:11
DEX:12 [+2]
INT:13 → 15
MND:24
振り分けは、STRに『+2』、VITに『+3』、INTに『+2』にする。
とりあえず、一つだけ一桁だったVITを二桁にまで持っていく。
次に、MP消費の激しい【巫術】を使いやすくする為にINTに『+2』。
そして、やっぱりコレしかないよね! STRに『+2』だ。
サクサクっと次に行こう。
【暗器術】のレベルが上がったので、改めて【鉄扇術】の確認をしてみよう。
【鉄扇術】(派生【暗器術】)
(※このスキルを習得するには、必要な【暗器術】レベルを満たしていません。)
必要スキルポイント:5
護身用にして暗器の一種でもある鉄扇を扱う為の技能。
……まだ、ダメ?
うーん、もう少し上げないといけないのかぁ。
まあ、仕方ない。とりあえず色々スキルレベルが上がって、スキルポイントは目標を超えたから良しとしましょ。
さて、新しい【巫術】は〈トラノカミ〉か。
〈トラノカミ〉《特殊》
斗羅の神の加護を得る
一定時間、〈咆哮〉アーツ(衝撃波による範囲攻撃+ノックバック効果)が使用可能になる
……うん、なんだこれ。
アーツが使用可能になる魔法ってなんなんですかねぇ?
ただ、効果は割と使い勝手良さそうな?
特に私は属性魔法を覚えてないから、範囲攻撃というのは嬉しいかな。
〈ミノカミ〉と同じ特殊巫術だから、また供物が要るんだろうけど。虎の神様だから……お肉?
お肉ならネズミ肉やイタチ肉……は駄目な気がするから、ここは兎肉と鹿肉を供物にしてみよう。
しかし、どう見ても巫女さんが使う魔法じゃないよね、コレ?
あと、ドロップは……目新しいのは特になし。残念。
さて、確認は終わった。LPとMPも、もう全快してる。
二度目の進撃行きますよ!
前回はとりあえず狙える相手に突撃していたけど、今回は草原を目指すので道中の戦闘は出来るだけ避けるように心掛ける。
アクティブのシャドウウィーゼルだけは向こうから襲ってくるので、物理的にも踏み潰していく。
やがて、下に生えている植生が変わった。モノクロな【暗視】越しに見えている風景も、若干濃淡が変化している。
どうやら、無事に草原へと移動できたみたいだ。
さてさて、夜の草原はスポットウルフとは別の狼タイプの魔物が出るらしいけど。
狼タイプは数だけが、厄介だよね。しかも、夜の魔物だし?
スポットウルフみたいに状態異常持ちかもしれない。ここは全力で行きますか。
〈ハラエノミソギ〉を張り、〈ナギノミカガミ〉〈コンパクカッセイ〉〈ツクモツキ〉と、生命系統の強化コンボを使用。
何故かちょっと磯臭いMPポーションを煽り、回復まで小休止。全快したら、お酒を撒いて〈ミノカミ〉を使用する。
これで、直接戦闘は問題無し、と。
さあ、次も行こう!
〈跳ね兎のモモ肉〉と〈黄色鹿のバラ肉〉を両手で掲げ、思い浮かぶままに祝詞を捧げる。
「奉納致しますは供物の贄。請うて願うは十二の獣神たる斗羅の神の。禍事祓いし神通力。かしこみかしこみ申します」
この辺までは〈ミノカミ〉と同じ感じでいいだろう。
二つの供物を天高く放り上げ、両掌をパチンと合わせる。所謂柏手。
〈ミノカミ〉でも追加したけど、これを入れた方が良い気がする。実際、消費MP減ったしね。
「求むは気道。宿るは轟声。天壌震わせ魔を破れ。虎の神たる御身の神威。——顕現せよ! 巫術〈トラノカミ〉!」
口から喉、胸——肺に至るまで『ナニカ』が宿ったのを感じた。
さて、準備は全部済んだ。
「アォーン!」
狼の遠吠えが聞こえる。
近いね。
今、そっちにいくよ!
〈トラノカミ〉Lv. 0 → 1 《解放》
《発動条件:肉種類の供物アイテム使用》




