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図書館

お気に入り登録が800件を突破いたしました。


皆様ありがとうございます。

 『紅蓮堂』を出て、しばらく。

 まず、商業ギルドで大量のアクセサリーを売却し、そこそこのお(ソル)を懐に。防御効果のないアクセサリーは二束三文かと思いきや、魔物素材製の品は魔除けとして、現地人ーーNPCの方々にそれなりに需要があるらしい。これは嬉しい誤算。


 その後、商業ギルドを出て、通りすがりの人や露店や屋台を出している人に図書館の場所を訊いたり、雑談したりしながら、再び街の中心へ。

 ただ、問題児問題児とからかうのは是非ともやめて頂きたいです。悪意がないのはわかりますけど。

 もう、起こしませんから!



 で、特に何事もなく図書館の前に辿り着いた訳ですが。


「どー見ても、普通のお屋敷だよねぇ……」

 まあ、奇抜な外観の図書館とか嫌だけども。

 とりあえず、中に入りましょー。



 扉を開けた途端、感じるインクと埃っぽい匂い。うーん、図書館って感じがするなぁ。


「こんにちはー」


 中を見回すと、当然ながら大量の本、本、本。

 入ってすぐ正面の受付カウンターには、一人の女性が座っている。

「ようこそ、いらっしゃいませ」

 

 司書さんかなー?

 なんかローブ着てて、魔法使いみたいにも見える。

 んー、透明感のある美人さーーって、この人ほんとに透けてらっしゃるんですが!?

 後ろの本棚が薄っすらと見えてる。

 え、ゆ、ゆーれい?


「初めての方ですね。図書館のご利用ですか?」


「は、はい。はじめまして、饕餮(とうてつ)と申します。よろしくお願いします」


「はい、はじめまして。よろしくお願い致します。私はこの中央図書館司書のユー・ノ・アイラクスです」

 ユーさんか。……ん? なんか聞き覚えがありそうな響きのような?


「図書館の利用には入館料として10ソルを頂いておりますが、よろしいでしょうか?」

 む、入館料が掛かるのかー。

 まあ、いいや。10ソルくらいなら大した額じゃないし。

 メニューの所持金欄をタッチ。10ソルを選択して、手元に呼び出す。

「はい。10ソルです」

 そういえばこれ位の額だとそのままだけど、ある程度数字が大きいと巾着袋に入った状態で出てくるんだよね。あの巾着袋は一体どこから……?


「10ソル、確かにお預かりしました。饕餮様は初めてのご利用という事で、この図書館について説明させて頂きます」


 っと、いけないいけない。ちゃんと聞いとかないと。


「この図書館では閲覧のみで貸出は出来ません。どの場所でお読み頂いても構いませんが、必ず館内でお願い致します」

 むぅ。貸出は禁止かぁ。


「二階の特別書庫は許可証が無ければご利用頂けません。結界魔法により許可証をお持ちの方のみ二階へ上がれるようになっています。ご容赦下さい」

 なるほど。特別書庫かー。上位の魔法が書かれた本とかありそう。


「幾つかの書物の中には、各種族言語や古代魔法言語、精霊語など、共通語とは異なる言語で記された物もございます。それらの書物を閲覧される場合は、対応した言語を習得する事をお勧め致します」

 言語を習得……スキルなのかな?

 確か、共通語は各ギルドやお店のメニューで使われてる幾何学的アルファベット?みたいな文字だっけ。なんか勝手に脳内で翻訳されてるけど……

 んー、本を読み込むにはそれぞれ対応する言語のスキルがいる、って事かな。


「貸出は出来ませんが、一階の資料に関しては写本が許可されています。写本用のノートとペンはこちらで販売させて頂いております。それぞれ2ソルです。ご購入なさいますか?」

 写本かー。どっちも2ソルだし、買っとこ。


 にしても、ユーさんって無表情だなー。

 クールビューティーって感じ?


「以上で説明は終わりです。何かお読みになりたいテーマなどは御座いますか? 現在私は手が空いていますので、よろしければお手伝い致します」


 え、探すの手伝って貰える? それはありがたい。

 テーマかー……えっと。


「ありがとうございます。 巫女(メイデン)、巫術、東大陸の職業と魔法について。細工の技術について。魔物素材について。後は……あ、そうだ! 《宝冠》についても何か資料があれば」


 ユーさんがうんうんと頷く。

「以上ですか?」

 う、頼みすぎたかな?

 全部探すの大変かも。


 まあ、場所だけ教えて貰って、私が自分で集めればいいか。

「はい。以上です」

「かしこまりました。暫くお待ち下さい」

 あれ、目を瞑った?


「ーー術式起動。ーー条件指定。ーー検索開始。ーー検索完了。ーー分類抽出。ーー抽出完了ーー資料集結」

 

 ん? なんか来ーー


「うわぁっ!?」

 ほ、本が飛んできた!?


 何冊もの本が宙を滑るように飛び、集まってきて、ユーさんの前のカウンターに積み重なっていく。


「計14冊。以上が饕餮様のご希望されたテーマに関する資料になります。ーー申し訳ありませんが、《宝冠》という語句はヒットしませんでした。ご容赦下さい」

 深々と頭を下げてくるユーさん。

 いやいやいや!


「こうして集めて下さっただけ、有り難いです! お気になさらないでください!」

「そうですか」

 はい! そーです!



 さて、ユーさんにお礼を告げてから、集めて頂いた資料を持って空いている(というか、他に利用者が全然いないんですが)席に座る。

「では、この本から、と」

 横にノートとペンーーインクが切れない魔法の羽ペンとかすごいーーを置いて、一番上の本を手に取る。


題名(タイトル)は、『東……の神……について』?」


 ……なんか嫌な予感がする。


 本の一ページ目を開いた。



 うん。









「読めん」

 

ステータスに変化がない為、表記無し。





この作品のキャラクターの名前は、ネタなり由来なりを必ず入れるようにしています。

さて。


図書館。すごい人。


と連想した所、何故か『出番立ち位置的に不遇だったけど実は廃スペックなあの人』しか浮かびませんでした。

なお、ユーは名前と検索能力をモデルにさせていただいただけでキャラクター的には一切関係ありません。

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