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なんとなく雑談

今回はあまり中身がないです……

 パチッ


「ふぁあぁ……」

 目が覚めた。


 ん、んー! ……ふぅ、ゲームの中で眠る、って言うのも変な感じだなぁ。

 まあ、実際はゲーム内の睡眠はAFK(away from keyboardだっけ)に近い状態なんだけど。

 脳波の変化で睡眠への移行を検知すると、意識とVRハードとのリンクを弱め、ハードも一時的に休眠状態となる。アバターはその場に留まっているけど、意識そのものは肉体に戻っているのだ。倍速状態は維持されているので、睡眠時間もリアルではほんの少しの時間でしかないけど。

 それでもしっかり寝た感触があるのは凄いと思う。


 これ、睡眠時間のないブラックな企業の社員とか欲しがりそうなシステムだなー。



「おっす。目ぇ覚めたか?」


「リボるん、おはよ。寝てる間にイタズラしてない?」


「してねぇよ! ——てか、できねぇよ!?」

 あははは。冗談冗談。


 状態異常としての睡眠はともかく、通常の睡眠中アバターは外部からは不干渉の状態になる。触ろうとしても、武器を振り下ろしても、全部すり抜けてしまうのだ。

 ただし、攻撃判定とダメージはしっかり受けるので、街の中(特に宿屋の部屋の中)やMOBを近寄らせない結界テント、セーフティエリアでの睡眠が推奨されている。


「マジでやめてくれ。さっきからヤバい視線がバシバシ刺さってるんだが」

 んー、私は感じないけど。


「というか、VRでは結局そーゆーことはできないのに、気にする必要もないような」

 現在の技術と倫理上の問題から、VR上での性行為やそれに準ずる行為は法律で規制されていて、システム的にも不可能になっている。例えば、私のこの巫女服の下がのっぺりした黒いボディスーツになっているように、一部の生体機能そのものが再現されていないのだ。

 それに、プレイヤー側への罰則も存在し、下手に触ったりしたら運営から警告。胸や下半身に無理矢理触れば、垢BANどころか警察に逮捕だってあり得る。勿論、女性から男性に対しても同様だ。

 実際、『FRO』の前に発売された牧場経営がテーマのVRMMO『ファーミングドリーミー』で、未成年男児に対し極度のセクハラ行為をしたとして、20代の女性が書類送検される事件が報道されている。


 ゲーム内で興奮したり、恋愛しようとしたりする事がそもそも理解できないです。

 

「リアルでもそのまま恋仲に、って奴を期待してるんじゃないか?」

 えー、そんなの滅多にないでしょ。だいたい、アバターとリアルの顔が一緒とは限らないしさ。

 リアルとほぼ一緒にしてる私やリボるんが言えた話じゃないけど。


「ま、そういう連中もいるってだけで別にお嬢が気にする必要もないだろ」

 まあ、ねー。

「てか、お嬢はリアルにそういう相手いないのかよ。彼氏いない歴=年齢だろ?」


「寮生活の女子高生に出会いとかある訳ないじゃん」


 だいたい、私は他の真正お嬢様な同級生みたく、男共に幻想持ってないし。

 男くさい連中がいる道場に10年以上も通っていれば、恋愛する余地なんぞ綺麗さっぱり消えてしまいますわ。

 みんな餓鬼っぽい所あるし、やる事なす事どれも適当だったりするし、おバカさんだし。


「それに、その言葉そっくりお返しするけど。兄さんもリボるんも、いい加減彼女でも連れてきて、お母さんや小母さんたちを安心させてあげてよ」

 二人とも、女の子連れてるの見たことないんですけど?


「あー、まあ、俺たちの趣味を理解してくれる娘がいたらなー……」

 ……兄さんのコスプレ衣装制作と、リボるんの廃人級ゲーム趣味を? 理解できる人?


「難易度高すぎない?」

「——言うなよ! 分かってるんだから!」



「お、夜明けだな」

 東の地平線から太陽が顔を出した。

 草原の緑の上を太陽の光が輝き、どんどん広がっていく。

 うわー、うーわー、綺麗だなぁ。これ見るだけでも夜営した価値あったよ!


「開門ー! 開門するぞー!」


 ギ、ギ、ギギギ、という軋むような音を響かせながら、閉ざされていた南の門扉が開いていく。

 太陽の光を浴びて、ゆっくり開いていく南の大門はとても綺麗だ。

 うーん、少しの間しか観れないのが残念。


「街への入場を開始する! 一列に並んでくれー!」


 やれやれ、ようやく街中に戻れるよ。

ステータスに変化がない為、表記なし。


(※持って帰れない→少しの間しか観れない。に修正)

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