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MPが足りない!

お待たせしましたー。

《特殊巫術〈ミノカミ〉発動に必要なMPが足りません!》


 うーん、無理かー。

 リボるんから初級MPポーションを貰いMPを全快させてみたが、先程と同様の警告表示が現れた。どんだけMP食うんだろうか。

 いや、まあ、魔法の効果的にはMPバカ食いしてもおかしくはないんだけど。


 ちなみに、初級は基礎よりかはかなりマシな速度で回復したが、やはり持続回復だった。いや、ポーション=薬品と考えたらゆっくり効いてくるのもおかしくはないんだけど。そんな所をリアルにしなくともいいんでない?

 あと初級MPポーションは店売りでLPポーションの初級なら2倍、基礎なら10倍もする高額品だったりする。序盤で持てるのはお金が有り余っているβテスターくらいな物だ。羨ましい……


「序盤にこんなスキルが出る、っていうのもなぁ……」


 そう、おかしいのだ。

 このゲームはマスクデータばかりではあるが、基本はスキル制のMMOだ。種族や職業のレベルは存在しているが、それらすらもスキルの枠内と言えるようなシステムが採用されている。

 スキル育成によって成長するこのゲームにおいて、重要であろう序盤の成長を阻害するような『使えない 』スキルが出現する意味がわからない。これが成長が中盤、あるいはあるだろう二次職とかならば分からなくはないのだけど……


「どう思う? リボるん」

 分からないので丸投げしてみる。


「うーん。この特殊ってのが問題だな」

 暫く俯いて考え、顔を上げたリボるんはそう答えた。


「特殊? ——ああ、そういえば特殊巫術って書いてあるね」

 なんだろう?

 存在が特殊なのか、取得方法が特殊なのか、発動条件が特殊なのか。

 存在、はスキル情報が少ない現段階では不明。

 取得方法、は【巫術】Lv.2に上がった事だろうから、これは違うだろう。格上とバトルは関係ない、と思いたい。

 発動条件……これが一番可能性が高いかな?

 例えば、なんらかのスキルやアイテムと組み合わせるとか、クエストをクリアしたり、称号を手に入れる事で必要MPが下がる、とか。

 これなら、よほどの鬼畜条件でもなければ序盤でも実用化できる筈。


「それ、正解かもな」

 そんな私の呟きへの返答に、思わず顔を上げる。

「βでもさ。ある近接武器スキルへの『特殊派生』ってのを持ってる奴がいたんだわ。でも、どうやってもスキル派生への条件を満たせないーーというか、武器スキルの名前そのものが隠されていて、全く分からなかったそうなんだがーーヒントすらない状態の中、そいつは遂に見つけたんだよ。片っ端からNPCクエストをこなした事でな」

 へー、それは凄い。

「他にも特定の魔物素材を使用した武具だけが使える特殊アーツなんてのもあったな、確か」


 つまり、特殊巫術である〈ミノカミ〉も何がしかの制限がある。そして、その制限を解除する条件を満たしてないから、発動に必要なMPがバカ高いものになってるんではないか、と。

 このゲームだと普通に在りそうだなー、そんな仕様。


「むー、少し調べてみるよ。私の場合、『ウェンディコ』だと人づての情報が得るのは難しいから、街にあるらしい図書館で調べるしかないけど」

 流石に少し位は資料がある、と思いたい。別大陸限定の職業は、『情報なし資料なし』だと完全に詰んでしまいます。


「ま、頑張れ」

 他人事みたいに……って、他人事ですよねー。後で八つ当たりしてやる。



 とりあえず、現段階ではどうしようもないので〈ミノカミ〉は放置。

 時間切れで効果が切れてしまった〈ハラエノミソギ〉と〈ナギノミカガミ〉を掛け直す。MPが余るのは勿体無いし経験値も入るので、クールタイムを待ってから、リボるんにも二つの巫術を掛ける。


「へぇ、こいつはなかなか」

 どれくらい効果があるかは分からないけど、無いよりはマシな筈。

 毒持ちだという『スポットウルフ』対策にはなるだろう。



「んじゃ、狩りと行きますか!」

 ジャンジャンバリバリ行きましょー!

ステータスに変化が無い為、表記なし。

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