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かえるとだんす

お待たせしました!

  ドスドスドスドスドスドスッ!!



 前方から連続で撃ち込まれてくるいくつもの、槍のように鋭い舌をステップを踏みながら回避し、少しずつ接近する。


 テンポは軽く、身体を捻らせ、舞うように。


 射線をズラし、〈木のロッド〉で弾き飛ばし、時に飛び越えて。


 懐へ飛び込めば、はいこちらのものーー




 なんとか初遭遇のスピアーフロッグを撃破し、一息付く。

 とは言ってもここは街の外のフィールド。いつ襲われてもおかしくない。ドロップがなかったのに嘆息しながら、ポーションで減ったLPをすぐさま回復させる。


 ん? 一気に回復しないな?

 なんというか、ゆっくりバーが伸びていってる。


 手にしたポーションを見てみる。



 〈基礎回復ポーション〉

  回復力:微

  回復速度:遅


  最も安価な基礎ポーション。

  生命力を少し、じわじわと回復させる。



 回復速度?

 じわじわってなんだよ!


 思わず空き瓶を地面に叩き付けた。


 座った状態の自然回復よりかは回復速度は速い。だが、いくらなんでもこれはない。

 即時の回復が要求されるポーションで持続回復とか! しかも、初心者用の基礎ポーションが!

 ゆっくりしていってね^^と言わんばかりのノロノロ回復!?


 い や が ら せ か !



 ひとしきり悪態をついている間にLPが全快していた。

 よし、気持ちを切り替えよう。

 もしかしたら、高価だったり、上級のポーションなら一気に回復するのかもしれない。


 とりあえず、叩き付けた空き瓶は薬屋さんでリサイクルするらしいので回収する。下が草地なので割れてない。よかった。



 さて、狩りを続けますか。


 右手の方角から、ゲーコゲーコとかえるのうたが聞こえてきているのだが、複数の鳴き声が聞こえてくる。何匹か固まっていそうだ。


 頭の中でシミュレーションしてみる。


 全方向から攻撃された場合はともかく、同じ方向からなら ーー 5匹位なら大丈夫だろう。

 蛙の舌は確かに長く速いのが厄介なのだが、矢のように飛ばす訳ではないので射程距離は決まっている。それに長物の弱点として懐に入られると途端に弱くなる。

 一匹目と戦って気付いたのだが、あの舌は鞭のように振り回して動かす事はあまりできないようだし、引き戻しもそこまで早くなかった気がする。一度撃ち込むと再攻撃までにタイムラグがあるのだろう。

 その間に近付けばなんとかなる!……はず。



 コンサート会場に近付くと、合唱はピタリと止んだ。

 【隠行】、いわゆるハイディングのスキルは持ってないので、気付かれるのは仕方ない。相手は野生の生き物なのだ。感知能力は上と見るべき。

 視界に見えたのは4匹のスピアーフロッグ。


 さて、相手に気付かれているのならどうするか。


 答え。真っ正面から突っ込む!



 身体が軽い。こんなのはじめて!


 失礼。どうやら回避の為のステップで、スキルの【舞踊】が起動したようだ。

 身体のキレも良いし、いつも以上に軽快に動けている。これなら5匹 ーー いや、8匹くらいが相手でも大丈夫かもしれない。


 とにかく、撃ち込まれてくる舌をひたすらに回避して前に出る。

 ある程度まで近付いた所で【震脚】。一気に踏み込み、左端の一匹の目の前に。


「はじめまして。こちらをどうぞ」


 【棒術】のアーツ、直突きの〈スパイク〉を突き込む。【震脚】のブースト付きだ。


 それで落ちた。

 耐久力は高くない?

 兎より体感だが弱い気がする。もしかしたら中距離攻撃を持っている代わりに、あまり丈夫ではないのかもしれない。


 ……これは、美味しい相手かも?


 2匹目、3匹目と斃していく。

 うん、少し強く打ち付けるだけで落ちるから兎より楽だわ。あいつらやたらタフだし。


 最後の1匹は木のロッドを振り回して滅多打ちに。グゲゲゲゲゲコー!?と良い断末魔を上げて、息耐えた。


  ピコーン!

《【棒術】、【震脚】、【舞踊】のレベルが上がりました!》


  ピコーン!

《【棒術】アーツの〈スプラッシュ〉を習得しました!》



 おお、レベルアップだ。スキルだけだけど。


 んー。種族レベルはさておき、職業レベルはまだ上がらないのかー。

 実力的には格上ばかり戦ってるし、そろそろ上がってもおかしくないと思うんだけど。



 あ、アイテムドロップしてた。



〈槍蛙の長舌〉

 スピアーフロッグの槍のような長い舌。伸びきった状態で固くなっている。


〈槍蛙の皮〉

 スピアーフロッグのぶよぶよした皮。あまり丈夫ではないが、非常によく伸びる。


〈槍蛙の脚肉〉

 スピアーフロッグの脚の肉。淡白で鳥肉に似た味と食感。



 うーん。レアっぽいのは無いな。


 それより、………蛙肉かー。

 リアルの師匠だった老夫妻の影響で、蛙肉とかイナゴとか蜂の子とかに忌避感ないから、食べるのは大丈夫なんだけど。


 これ、料理してくれる人いるのかなー?

 

 名前 : 饕餮 / TOUTETU

 種族 : 鬼人Lv.1

 職業 : メイデンLv.1


ステータス

 ATK(攻撃力):+3

 DEF(防御力):+3

 MBS(魔力増幅):+1

 RES(魔力抵抗) :+2


 STR(筋力):6

 VIT(体力):5

 AGI(敏捷):8

 DEX(器用):8

 INT(魔力):10

 MND(精神):18


装備アイテム

 ・木のロッド

 ・白の襲

 ・緋袴

 ・重金の髪留め

 ・異界の道具袋


 習得魔法

 巫術Lv.1


所持スキル

 棒術Lv. 5 → 6

 震脚Lv. 5 → 6

 舞踊Lv. 2 → 3

 細工Lv.1

 鑑定Lv.1

 解析Lv.1

 暗器術Lv.1


スキルポイント:5

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