武器の強化
お待たせしましたー。
短いです。すみません。
結局1時間程ばしばし撮影されてました……
本当、ポーズ取るのだけは勘弁してください。あとその露出度高めの服も。
確かに、何でもします、とは言いましたけども!
あ、籠手と脚甲の情報は協定を結んだ一部の生産職のみ閲覧、書き込みができるという専用スレッドにだけ流すそうです。そのスレッドにはPKを含めた犯罪者プレイヤー対策の為に『情報を転載しない、他人に漏らさない』というローカルルールがあるそうで、外部に漏れる可能性は非常に低いので安心との事。
なお、ルール違反が発覚した場合は『誰かの開発実験のお手伝いをする』というある意味で非常に重いペナルティがあるそうです。
……なんですかね。そのセメントルール。
「ああ、忘れてました。宜しければ〈鉄紅樹の六尺棒〉を貸していただけますか?」
ん? 六尺棒をですか?
とりあえず撮影用にと手に持っていた六尺棒をルーミスさんに手渡す。
「良い素材が手に入ったので少し強化しようと思いまして」
強化ですか。
鉄の剣+1やヒノキの棒+99みたいな、いわゆる精錬というヤツですかね。
「あ、多少見た目や使い勝手が変わりますがよろしいですか?」
「え? あ、はい」
……あれ?
ルーミスさんが取り出したのは金属質の光沢を持つ真っ黒なワイヤーのような。いえ、よく見ると植物の蔓のようにも見えますが。
「〈ワイヤーヴィスクム〉という金属の性質を持つヤドリギで、植物系魔物の一種です。これを〈鉄紅樹の六尺棒〉に巻き付けてから、一定のテンポで魔力を流すと——」
紅い棒に巻き付いていた黒い蔓が微かに震えたかと思うとゆっくりと伸縮を繰り返し、まるで蛇のようにギュギュギュッと六尺棒締め上げていきます。
「この辺りで停めて、後は魔法で処理すれば——完成です」
〈螺旋黒蛇の鉄紅六尺棒〉
作成者:ルーミス
品質:B-
ATK:+13
MBS:+12
耐久値:8250
鉄のように堅い鉄紅樹の幹を加工した、長さ六尺の棒。一般的な木材の棒よりも重量がある為、取り回しにはコツがいる。
硬くしなやかなワイヤーヴィスクムを巻き付けて締める魔力加工を施した事で、重量は増したものの強度と耐久性が大幅に向上。魔力の伝導性が高いワイヤーヴィスクムそのものの特性と、螺旋を描く蛇を模した装飾により魔力の通りが更に良くなっている。
「……」
精錬なんてチャチなもんじゃありませんでした。
これ、改造じゃないですか!
しかも強化の度合いがちょっとって言うレベルじゃないですよ! 名前まで変わってもはや完全に別物ですよ!?
「あ、あら? な、何かマズかったでしょうか?」
「——い、いいえ。ありがとうございます!」
ま、まあ、攻撃力が上がるのは問題はないです。
そろそろ火力不足を感じ始めてましたし。ありがたく受け取ります。
〈鉄紅樹の六尺棒〉はパッと見にはただの紅い棒だったのですが、今は紅い棒に黒い蛇が緩い螺旋を描いて巻き付いたような見た目になっています。むむ、なんとなく中学生の半ばで発症するアレっぽい感じですが、なかなかに格好良いです。
お三方から離れた所に移動して、ちょっと振ってみましょう。
黒蛇の部分に多少の凹凸が出来ており、それが滑り止めになっているので安定感がありますね。また、以前より若干重くなっていますが微妙にズレていた重さのバランスが均されたようで、むしろ取り回しが非常にしやすくなりました。
「なるほど」
ヒュンヒュンぶんぶんシュッバッくるり
屋内なので短く持って、軽くコンパクトに。払い叩き突き、棒術の最も基本的な動きを繰り返す。
「これはいいですね」
以前の物と使用感はさほど変わらず。けれど、より扱いやすくなっています。
これは、とても良い武器ですね。
「ありがとうございます」
「いえ、これもお互いの利益を調整する為の一環なので」
そういえば、六尺棒の確認をしている時に気付いたんですが。
「以前刻まれていた四文字熟語が二つとも消えてますねー」
刻まれていた場所を思い出してみると、ちょうど黒蛇の頭と尾の先の辺りにあった気がするんですが。
「あら、巻き込まれて隠れたか。魔力加工の影響で消えてしまったみたいですね」
ルーミスさんがサービスで新しい文言を刻んでくれるとの事。しかも私が好きに決めても構わないそうです。
「では、これで」
示した文言は知り合いに「あんたに似合いそうな言葉を作るとしたらこれよね」と言われた事がある四文字の言葉。
『逢魔啼哭』
意味はなんとなく分かるんですが、理由は分かりたくないです。
あと、そこの水色妖精、「なんかぴったりだね」とか言わない!
白黒エルフも微妙な顔で頷かない!
その後はゲーム全体の攻略具合や最近の流行、新しい発見などの話を情報交換しながら、また雑談を交わしていきます。
ついでにさっき作っていた品質がそこそこだったアクセサリーをプレゼントして頭を抱えられたり、怒られたり。いやこれはプレゼントなんですが。あっはい、すみません。次からはリターンを頂きます。イエスマム、集られないよう気を付けます!
以後、素材や装備のやり取りはお金でする事になりました。流石に「素材や装備ばかりだと利益のバランス取りが難しいんですよっ!」と血走った目で凄まれたらねぇ……?
さて、装備も整いましたし、そろそろ準備しましょうか。
クホホルグレへ。その途中に待ち受ける試練の門のエリアボス『センティネル・ゴーレム』に挑む為に。
▶︎▷▶︎ ▶︎▷▶︎
……その前になにか忘れているような。
あ、PK狩りの報奨金貰いに行かなきゃいけないんだった。
んー。スルー……したら怒られるかなぁ。
仕方ない。遠出する準備もあるし、それらの買い物をするついでに寄るとしましょうか。
買い物を無事終えて、やって来ました自衛騎士団本部。
建物は直方体の形をした本棟と、訓練場をかこむようにコの字の型をした別棟。この二つの建物で構成されており、どちらの外壁も若干目に痛い真っ赤っかな色をしている。うーん、日中に直視し続けるのはちょっと辛い色彩だ。
外壁が赤いのは裁きの神と戦いの神の双方ともを表す貴色だからだとか。
裏の世界では、あれは処刑された者たちが流した血の色なんだ、と恐れられているとかいないとか。……本当に血の色ならもう少しどす黒いと思うんですが。
でも、魔法や錬金術などがあるこの世界なら鮮血の発色を維持する事も可能な気がしないでもない、とちょっと怖い考えに進んでいるので気分を切り替えて、さっさと用件を済ませ——
「あ、饕餮さん。ちょっと宜しいですか」
!?
突然の、背後からの声にバッと振り向く。
ついさっきまで、背後には誰もいなかった!
こちらに向かって歩いている人もいなかった!
伊達に現実含めて色んな修羅場を潜り抜けてきた訳じゃない。例えセーフティーエリアである街中でも、周囲の警戒は怠ってないのに!?
振り向いた先には胡散臭い笑顔を浮かべた狐獣人の青年と。
不機嫌そうに腕を組む兎獣人の少女、の2人が立っていた。
名前 : 饕餮 / TOUTETU
種族 : 鬼人Lv. 4
職業 : メイデンLv. 8
称号:
『虎狩り』[特殊]
『危難を凌ぎし者』[特殊]
『戦神の承認者』[特殊]
『残虐非道』[特殊]
『戦鬼』[種族]
『悟武臨の友』[特殊]
ステータス
ATK:+15
DEF:+30
MBS:+12
RES:+43
STR:19
VIT: 19
AGI:15 [+1]
DEX:19[+3]
INT:24
MND:30
ボーナスポイント:0
使役契約:御丸(種族:ロリポリ)
装備アイテム
・〈螺旋黒蛇の鉄紅六尺棒〉New!
・〈蜘蛛絹の白衣〉
・〈蜘蛛絹の緋袴〉
・〈狂媛の双籠手・『血桜』〉
・〈狂媛の双脚甲・『銀鑑』〉
・〈重金の髪留め〉
・〈跳ね兎の革足袋〉
・〈毒狼牙のペンダント〉
・〈蜘蛛の指輪〉
・〈異界の道具袋〉
イベントアイテム
・〈宝冠の欠片〉×2
種族アビリティ
・【怪力乱神】 【鬼出電入】
職業専用スキル
・【霊脈接続】
習得魔法
【巫術】Lv. 7
〈ハラエノミソギ〉Lv. 3 〈ナギノミカガミ〉Lv. 3 〈ミノカミ〉Lv. 2 〈ツクモツキ〉Lv. 4 〈コンパクカッセイ〉Lv. 4 〈トラノカミ〉Lv. 1 〈セイキテンペン〉Lv. 3 〈シンキジュンカン〉Lv. 3 〈イノカミ〉Lv. 2 〈アラミタマ〉Lv. 3
オリジナルアーツ
〈雀撃ち〉Lv. 1 〈竜尾の一振り〉Lv. 2
所持スキル
【棒術】Lv. 13 【震脚】Lv. 13 【暗器術】 Lv. 9 【掴み】Lv. 9 【鉄扇術】Lv. 8 【格闘】Lv. 13 【短剣術】Lv. 1 【呪術】Lv. 1 【付与魔法】 Lv. 1 【憑依魔法】Lv. 1
【細工】Lv. 6 【料理】Lv.1 【テイム】Lv. 2 【鑑定】Lv. 3 【解析】Lv. 6 【伐採】Lv. 1
【舞踊】Lv. 8 【二刀流】Lv. 2 【パリイ】Lv. 3 【恐怖と魅惑の微笑】 Lv. 2 【ダッシュ】Lv. 8 【アクロバット】Lv. 10 【食材への眼力】Lv.1 【暗視】Lv. 5
【言語理解】Lv. 1 【鬼人語】Lv. 1 【神幻語】Lv. 1 【古代魔法言語】Lv. 1 【精霊語】Lv. 1 【魔導言語】Lv. 1
スキルポイント:46




