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蒔かぬ種は生えぬ

長らくお待たせしました。

短いですが、どうぞ。

 さて。今からアクセサリーを作っていく訳ですが、現在の【細工】はスキルレベル3。毒耐性や防御力など、ある程度の性能が付いた実用的なアクセサリーを作れるようになるのがレベル5。それらの生産が多少安定するのがレベル6らしいので、今日の目標はそこまで上げる事ですね。

 そこまで上げれば、斑狼の毒牙を使って毒耐性の付いた物や、僅かながらも防御力の付いた物を作れるようになる、筈。

 骨素材は沢山あるし、足りなければ狂い蜘蛛の甲殻や脚殻もある。これらを材料に片っ端から大量に使って、スキルレベルを一気に上げる事にしましょう。

 目標があると、やる気が湧いてきます!




《【細工】のレベルが上がりました!》


 ようやくレベル6になりました。

 レベル5に上がるまでに作成したアクセサリーはボーンチャームやペンダントヘッドが269個。そこで骨素材を使い切ったので、残りは蜘蛛の甲殻で指輪やブレスレットなどを作成して、更に38個。合計307個!

 更に集めた宝石の原石もある程度丸みを帯びるまで磨いておく。今はレベル的に素材として利用できないし、ぴかぴか光沢が出るまで磨く事も出来ない。けれど原石や鉱石は宝石やインゴットに加工し、より品質・純度の高い素材に仕上げる作業を何度か出来る。この作業は経験値的にはけっこう美味しいらしく、今のうちに下準備としてでもやっておいても損はないのだ。

 レベル5に達してからは、斑狼の毒牙と残った蜘蛛の甲殻を素材に性能有りのアクセサリーをひたすらひたすら生産です。



 そして、最終的に出来上がったのがこれ!



〈毒狼牙のペンダント〉

 作成者:饕餮

 品質:D-

 耐久値:800

 【毒耐性:微】

 斑狼の毒牙を加工したペンダント。毒腺の処理が粗く、残った魔力は僅かだが毒に耐える力を高める効果を微かに持つ。


〈蜘蛛の指輪〉

 作成者:饕餮

 品質:C-

 DEF:+1

 耐久値:1000

 狂い蜘蛛の脚殻先端部を輪切りにして加工した指輪。仕上りは今ひとつだが、防御力を高める最低限の力は備わっている。



 ……説明酷くないですか?

 いや、まぁ【細工】レベル6はあくまでも性能付きを安定して(・・・・)作れるようになるだけ。いわばようやく一人前、の一歩手前くらいになったというところだから、仕方ないといえば仕方ないんだけど。

 それでもレベル5で幾つか出来ていた、能力無しの『品質F 耐久力5 これが装飾品? ゴミでしょ』よりかは遥かにマシだ。……ちょっと毒舌が酷すぎやしませんか。


 とにかく、ひとまず目標としていた水準までは到達できたので良しとしましょう。生産特化ではないのだし、いきなり良い物が作れる筈も無し。大事なのはコツコツ進めていく根気だ。

 出来た中でも一番出来の良い〈毒狼牙のペンダント〉と〈蜘蛛の指輪〉は、記念でもあるし自分で装備しておきますか。

 ペンダントはそのまま首に掛け、指輪は左手の人さし指に通す。指輪で阻害されないか、ぎゅっぱぎゅっぱと閉じては開いて左手の動きをしてみる。うん、問題なし。





「や、そっちもひと段落したみたいだね」


 フルフルさんの声に振り返る。

 あちらも作業が終わり、後片付け中のようですね。右手でポーション瓶を鞄に仕舞いながら、左手で鍋を洗って……ってなんですかその器用な動き!?


「はい。なんとか目標は達成できました」


 内心の動揺を隠しながら左手でペンダントの鎖を持ち上げ、指輪と共に見せます。


「へぇ、良い出来だね。おお、性能付きだ」


 流石生産職。あっさり鑑定されてます。


「システムからの評価はイマイチですけど」


「最初はそんなものだよ。数を熟していけば、品質と評価も上がっていくから」


「なるほど」


 やっぱり地道に作っていくしかありませんよね。

 蒔かぬ種は生えぬ、と言いますし。休憩中や暇を見つけてはこまめに生産をやっていくしかないか。



「出来たー!」


「これで……完了、と」


 どうやらマルキューさんとルーミスさんも

作っていた物が完成したみたいですね。労いのお茶でも淹れてきましょう。





 作業場を片付けてから、ダイニングで市場で仕入れておいたお茶とお茶請けのお菓子を並べていきます。お茶と言ってもクセの少ないハーブティーっぽい飲み物なんですが。

 この地方では緑茶や紅茶と言ったものは交易でしか手に入らない貴重品らしく、薬草やハーブを煎れて飲む事が一般的なようです。私は好きですけどね。薬草茶とかハーブティーとか。

 お菓子は焼き菓子とドライフルーツ。饅頭のような蒸し菓子や揚げ菓子もない訳ではないですが、今回はみんなお疲れなので甘くて軽く摘めるものの方がいいでしょう。

 饅頭はお腹に、というか物理的に重いんですよね。美味しいんですけど。



 3人共、ダイニングに来るとテーブルの上を見て笑顔を見せてから、各々の椅子に座っていきます。


「皆さん、お疲れ様でした」


「うわ、ありがとう。ちょうど喉が渇いてた所なんだ。助かるよ」


「おいひー。トウちゃん、ありがとー」


「お礼を言ってから食べなさい。饕餮さん、ありがとう。——あぁ、おいしい」


 よほど喉が渇いていたのか、カップのお茶を飲み干して更にポットから注いでカパカパ飲んでいるフルフルさん。

 椅子に座った瞬間にマンゴーっぽいドライフルーツをパクリと口に入れたマルキューさん。

 そんなマルキューさんを窘めながら、お茶を口にしてほっこりしたルーミスさん。


 どうやら皆さん、予想以上にお疲れのご様子。


「生産依頼、そんなに大量だったんですか?」


 3人共、恐らく生産職としてはトップクラスだ。

 日々多くの生産を熟していて、同時に複数の依頼が舞い込むのも珍しくない。一流の腕に加え、それらを捌けるからこそのトップクラスであり、この人たちもそんな状況にも多少なり慣れている筈だ。

 なのに、この疲れ具合。どれだけキツい量だったんだろう?


 私の依頼は大したことはない筈。機織りとかボス素材とかあるけど、大した手間ではない、筈。


「あー、それねー」


「量は別にちょっと多いかな?ぐらいだったんですけどね……」


「量、量 “ は ” ね」


 そして、聞かされた話は想像を絶するものでした。

名前 : 饕餮 / TOUTETU

種族 : 鬼人Lv. 4

職業 : メイデンLv. 8


称号:

『虎狩り』[特殊]

『危難を凌ぎし者』[特殊]

『戦神の承認者』[特殊]

『戦鬼』[種族]

『悟武臨の友』[特殊]

ステータス

 ATK:+2

 DEF:+17

 MBS:±0

 RES:+10


 STR:19

 VIT: 19[+5]

 AGI:15

 DEX:14 → 19[+2]

 INT:24

 MND:30


ボーナスポイント:0


使役契約:御丸(種族:ロリポリ)


装備アイテム

・〈紅鋼樹の六尺棒〉

・〈網蚕糸の袖無し服(巫女装束風)〉

・〈網蚕糸の袴ズボン(巫女装束風)〉

・〈重金の髪留め〉

・〈跳ね兎の革足袋〉

・〈毒狼牙のペンダント〉 New!

・〈蜘蛛の指輪〉 New!

・〈異界の道具袋〉


イベントアイテム

・〈宝冠の欠片〉×2


種族アビリティ

・【怪力乱神】

・【鬼出電入】


職業専用スキル

・【霊脈接続】


習得魔法

【巫術】Lv. 7


〈ハラエノミソギ〉Lv. 3

〈ナギノミカガミ〉Lv. 3

〈ミノカミ〉Lv. 2

〈ツクモツキ〉Lv. 4

〈コンパクカッセイ〉Lv. 4

〈トラノカミ〉Lv. 1

〈セイキテンペン〉Lv. 3

〈シンキジュンカン〉Lv. 3

〈イノカミ〉Lv. 2

〈アラミタマ〉Lv. 3


オリジナルアーツ

〈雀撃ち〉Lv. 1

〈竜尾の一振り〉Lv. 2


所持スキル

【棒術】Lv. 13

【震脚】Lv. 13

【暗器術】 Lv. 9

【掴み】Lv. 9

【鉄扇術】Lv. 8

【格闘】Lv. 13

【短剣術】Lv. 1

【呪術】Lv. 1

【付与魔法】 Lv. 1

【憑依魔法】Lv. 1


【細工】Lv. 3 → 6

【料理】Lv.1

【テイム】Lv. 2

【鑑定】Lv. 3

【解析】Lv. 6

【伐採】Lv. 1


【舞踊】Lv. 8

【二刀流】Lv. 2

【パリイ】Lv. 3

【恐怖と魅惑の微笑】 Lv. 2

【ダッシュ】Lv. 8

【アクロバット】Lv. 10

【食材への眼力】Lv.1

【暗視】Lv. 5


【言語理解】Lv. 1

【鬼人語】Lv. 1

【神幻語】Lv. 1

【古代魔法言語】Lv. 1

【精霊語】Lv. 1

【魔導言語】Lv. 1


スキルポイント:43 → 46

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