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洋酒の香り

 彼女が私の手を引いた。

 揺れる黒髪に薫る匂いが鼻腔を擽る。紅のドレスの乱れに白い肩が覗け、溢れ出たのは熟した果実のような甘い芳気。


「こちらですわ」


 赤い唇がその言葉をこぼした時、私はその切れ長の目に宿る妖しい色に思わず息を飲んだ。

 白い手が私を暗がりへ導いていく。

 晩餐会の嬌声が遠のいた。耳障りな音は消え、暗闇に彼女の目だけが光っている。

 熱。

 唇を割る舌が絡める味は洋酒の香りに濡れていた。

 私は酔いに蕩けた。

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