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海へ行く

 学校をふけたあたしは、電車に乗って海まで行った。なんとなく息苦しかったからだ。

 冬の空は青く澄んでいた。けれど海の色は黒い。黒い海から吹く風には冷たい潮がこびりついていて、あたしの身体にじっとりとまとわりつく。

 あたしは息継ぎをするように、海へと一歩、足を進める。


「寒いだろ、お嬢ちゃん」


 後ろから声。ふりむくと犬を連れたおじいさんが立っていた。


「茶でも飲むか?」


 水筒のお茶をくれる。

 お茶はあたたかかった。

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