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夜雨の無聊
今夜は雨のせいか客がない。姐さんは退屈至極といった風情で煙管を吹かしている。
「ちょいと太兵衛。相手しいよ」
姐さんが座敷に将棋盤を引き出してあっしを手招く。客がないといつもこの流れだ。
「手加減せぇへんよ」
「姐さんが勝ったことなんてないでしょう」
片膝をついた姐さんがあっしを睨む。
「生意気な下足番だね」
「姐さんが懲りんだけです」
鼻を鳴らす姐さん。
「朝まで堪忍せんよ」
――幸福至極。
あっしは心中で微笑んだ。
今夜は雨のせいか客がない。姐さんは退屈至極といった風情で煙管を吹かしている。
「ちょいと太兵衛。相手しいよ」
姐さんが座敷に将棋盤を引き出してあっしを手招く。客がないといつもこの流れだ。
「手加減せぇへんよ」
「姐さんが勝ったことなんてないでしょう」
片膝をついた姐さんがあっしを睨む。
「生意気な下足番だね」
「姐さんが懲りんだけです」
鼻を鳴らす姐さん。
「朝まで堪忍せんよ」
――幸福至極。
あっしは心中で微笑んだ。
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