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風見酒
夫婦酒シリーズ第四弾
暑夜に涼を求め、私は妻に縁側の戸を開けさせた。
座敷に風が抜け、汗にしっとりと湿る肌の上を走る。私は早速と用意していたビールの栓を開ける。
「あら」
栓の開く音に妻が振り向いた。私はビールをグラスに注ぐ音で返す。
「お早いこと」
妻が笑う。私は構わずビールを喉に流し込む。胃腑に熱が染み、風が肌を冷ます。
「夏の夜風はよいですね」
妻が隣に座る。
「どんな熱も心地よくしてくれます」
私の手に妻の手。
私はその熱を握る。
夫婦酒シリーズ第四弾
暑夜に涼を求め、私は妻に縁側の戸を開けさせた。
座敷に風が抜け、汗にしっとりと湿る肌の上を走る。私は早速と用意していたビールの栓を開ける。
「あら」
栓の開く音に妻が振り向いた。私はビールをグラスに注ぐ音で返す。
「お早いこと」
妻が笑う。私は構わずビールを喉に流し込む。胃腑に熱が染み、風が肌を冷ます。
「夏の夜風はよいですね」
妻が隣に座る。
「どんな熱も心地よくしてくれます」
私の手に妻の手。
私はその熱を握る。
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