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夏帰り
白い日差しを風が切る。
「夏に溺れて〜」
軽トラの荷台に揺られながら、あたしは馬鹿みたいに陽気な声で歌っていた。
「貴方とあの夕陽に沈みたい〜」
「もっとましなの歌えよ」
運転席の窓から身を出して、兄があたしに文句をつけた。あたしは麦藁帽子の影から白い太陽を覗く。
「いいじゃん、夏なんだし」
「失恋帰りが偉そうに」
兄が手を振る。
でもこの夏はどんな恋よりも熱い夏。
「あー、燃え尽きるほど夏したい」
「言ってろ」
夏だ。
白い日差しを風が切る。
「夏に溺れて〜」
軽トラの荷台に揺られながら、あたしは馬鹿みたいに陽気な声で歌っていた。
「貴方とあの夕陽に沈みたい〜」
「もっとましなの歌えよ」
運転席の窓から身を出して、兄があたしに文句をつけた。あたしは麦藁帽子の影から白い太陽を覗く。
「いいじゃん、夏なんだし」
「失恋帰りが偉そうに」
兄が手を振る。
でもこの夏はどんな恋よりも熱い夏。
「あー、燃え尽きるほど夏したい」
「言ってろ」
夏だ。
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