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雨見酒

夫婦酒シリーズ第三弾

「あら、お酒ですか」


 梅雨空から細く降る雨を眺めつつ縁側で冷酒を飲んでいると、妻が奥の間から顔を出してきた。


「雨を肴にするのも興なものでな」


 雨は庭の紫陽花を濡らし、その輪郭を淡くぼかしている。雨霞みに滲むその姿は、水彩の絵のようにどこか現実感のない、幻想的な空気を漂わせていた。


「雨と涙は似ていますね」


 そう言って妻が微笑む。


「どちらも色を変えますから」


 妻の涙を想像した私の舌に、少しひやりと酒が染みた。

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