表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/100

北へ

 汽車は北へ走っている。

 車窓に流れる景色は季節を遡り、既に私の中を過ぎたはずの花の色を蘇らせる。遠く見る山の尾根に残るのは、厳しい冬の色の名残か。

 独り座る汽車の席は静かに線路を踏む音を伝える。後ろに置いてきたものを忘れさせるかのように、ただ汽車は北へ進む。

 トンネル。

 黒い車窓に私の顔が映る。

 私は私と目を合わせ、その疲れた顔に笑いかける。

 ――こんな顔じゃ帰れない。

 トンネルを抜けた。

 汽車は北へ走っている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ