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約束

 朽ちた鯨の死骸のような廃バスの横で僕は彼女を待っていた。


「またね」


 そう約束した少女は子供の見た白昼夢だったのか。十年ぶりの故郷でこの廃バスを見た僕は、不意にこの約束を思い出したのだ。


「……いないか」


 斜陽に赤く染まった僕が諦めて帰ろうとした時だ。


「あ」


 十年前の記憶のままの少女が夕日の中に立っていた。

 少女は微笑む。


「またね」


 僕が頷くと沈む日に少女は消えた。


「……幻?」


 それでも僕は約束を交わした。

 再び。

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