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浮気な目
そろそろ「いい加減にしろ」と怒られるんじゃないかドキドキな二百文字ホラー第十弾
「浮気な目」
デート中、すれ違った美人につい見とれてしまった僕は、頬を膨らませた彼女に脇腹をつつかれた。
「後でお仕置きだよ」
デートの最後に彼女の家へ行く。裁縫好きな彼女の部屋は手作りのぬいぐるみでいっぱいだ。
「おはよう」
朝、彼女の声に起こされると、僕はベッドに拘束されている事に気付いた。
「お仕置き」
彼女は笑顔で針と糸を持つ。
「浮気な目は閉じちゃいましょう」
まぶたが縫われる。
もう僕の目は浮気できない。