32/100
木の瘤
二百文字ホラー第三弾
「あの瘤、人の顔に見えない?」
娘が庭の木を指して言った。言われれば膨らんだ木の瘤が人の目鼻のように見える。
「どこかで見た顔だなぁ」
「気のせいだよ」
「あ、お母さんの写真に似てるのかな」
私の背筋がピクリと動く。それを見て娘が笑った。
「大丈夫だよ。生まれてすぐのあたしを置いて失踪したお母さんなんて、なんとも思ってないから」
あの木の下に埋まっているものがなんであるか。あの女は忘れさせるつもりはないらしい。
二百文字ホラー第三弾
「あの瘤、人の顔に見えない?」
娘が庭の木を指して言った。言われれば膨らんだ木の瘤が人の目鼻のように見える。
「どこかで見た顔だなぁ」
「気のせいだよ」
「あ、お母さんの写真に似てるのかな」
私の背筋がピクリと動く。それを見て娘が笑った。
「大丈夫だよ。生まれてすぐのあたしを置いて失踪したお母さんなんて、なんとも思ってないから」
あの木の下に埋まっているものがなんであるか。あの女は忘れさせるつもりはないらしい。
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。