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におい
バカみたいに暑い夜の、渇いた喉に水を注ぐ。
「……はぁ」
シンクを叩く水の音が切れて、あたしの重い息だけが夜の部屋の空白に浮いた。バカらしい空白。それはあいつのにおいだった。先日追い出したあの男のにおい。
早い話がベッドが広いと言うこと。
汗に張り付いた鬱陶しいパジャマを脱いで、裸のあたしはベッドに倒れる。
寝汗に冷えた抱き枕。
そこにわずかなタバコのにおい。
「……ふん」
バカバカしい。そんな夜の眠れぬあたし。
バカみたいに暑い夜の、渇いた喉に水を注ぐ。
「……はぁ」
シンクを叩く水の音が切れて、あたしの重い息だけが夜の部屋の空白に浮いた。バカらしい空白。それはあいつのにおいだった。先日追い出したあの男のにおい。
早い話がベッドが広いと言うこと。
汗に張り付いた鬱陶しいパジャマを脱いで、裸のあたしはベッドに倒れる。
寝汗に冷えた抱き枕。
そこにわずかなタバコのにおい。
「……ふん」
バカバカしい。そんな夜の眠れぬあたし。
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