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ゼロ距離
駅のホームの端に立って、遠く続く線路を眺めた。
「ま、そんな遠くじゃないよ」
雄一はそう言ってあたしの肩を叩く。
「五時間って結構な距離だけどさ、一日で二往復もできんだぜ? たいした距離じゃないよ」
そうだけどそうじゃない。あたしは雄一の手を握った。
「あったかいね」
振り返ったあたしの前に、雄一の赤い顔。
どんな距離も時間も意味を持たない瞬間。
ゼロ距離。
「おまえもすぐに来い」
抱きしめる雄一にあたしはうなずいた。
駅のホームの端に立って、遠く続く線路を眺めた。
「ま、そんな遠くじゃないよ」
雄一はそう言ってあたしの肩を叩く。
「五時間って結構な距離だけどさ、一日で二往復もできんだぜ? たいした距離じゃないよ」
そうだけどそうじゃない。あたしは雄一の手を握った。
「あったかいね」
振り返ったあたしの前に、雄一の赤い顔。
どんな距離も時間も意味を持たない瞬間。
ゼロ距離。
「おまえもすぐに来い」
抱きしめる雄一にあたしはうなずいた。
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