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赤い雪
降る雪が海原を赤く染めている。
雪の色は赤い。
「赤は悲しみの色なんだってさ」
彼女の隣で彼は言った。
「今日もどこかで誰かが泣いている」
雪は赤く赤く降る。
しんしんと降る雪は、うねる波の音に呑まれ赤い泡となって消えていく。
彼女が呟いた。
「悲しみはいつか消えるのかな」
彼が答える。
「人の泣かない日があれば」
波間に漂う色は赤い。
――この雪が早く止めばよいのに。
てのひらに赤い雪がひとつ。
彼女はそれを唇で溶かした。
降る雪が海原を赤く染めている。
雪の色は赤い。
「赤は悲しみの色なんだってさ」
彼女の隣で彼は言った。
「今日もどこかで誰かが泣いている」
雪は赤く赤く降る。
しんしんと降る雪は、うねる波の音に呑まれ赤い泡となって消えていく。
彼女が呟いた。
「悲しみはいつか消えるのかな」
彼が答える。
「人の泣かない日があれば」
波間に漂う色は赤い。
――この雪が早く止めばよいのに。
てのひらに赤い雪がひとつ。
彼女はそれを唇で溶かした。
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