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01:知らない天井ダァ

頑張って更新できるようにします。


「ここは…」


目は覚めたら知らないベッドの上だった。

起き上がり、周囲を見渡す。

そこには高価そうな調度品、普通だったらお目にかかることはできないだろう光景が広がっている。

暫く周囲を見渡していると、ナースが部屋に入ってくる。


「失礼します。…まあっ!? 少々お待ちください! すぐに先生を読んできますので!」


入って来たナースはこちらを見て慌てて出ていった。

話を聞きたかったのだが、仕方ないと諦める。

そして再び一人になったことで自分は何者だったかと、振り返ることにした。




◆◆◆◆◆◆◆◆



「申し訳ありませんが、異世界に行ってもらってもいいですか?」


仕事から帰ってすぐにベットに潜ったら、いつの間にか知らない女性の前に立っていた。


「ここは…どこですか? どちら様ですか?」


寝ていたところに呼び起され、拉致同然で連れてこられたら、普通は罵詈雑言を騒ぎ立てるだろう。

しかし、それをしなかったのは、目の前の女性が神々しかったことが原因だと思う。

金髪で碧眼の瞳。純白のシルクに身を包み、透き通るような肌を晒している。

そして背中からまぶしくも目に痛くない優しい光。

その光が後光として女性を照らしているからだ。


如月誠士郎(きさらぎせいしろう)様、突然お呼び出ししてしまい、申し訳ありません。ここにお呼び出ししたのには理由があるのです。実は、貴方は先ほど天寿を全うされました」


「ただ、若くして亡くなられたことがあまりにも不憫、そしてこちらの世界の神と相談して私の世界に来てもらうことになりました。そのための面談をしたく、今回お呼び出しさせてもらっています」


余りのことに頭が追い付いていない。

自分が死んだこと、異世界?女神?あまりにも非現実的過ぎて思考が追い付いていなかった。


「自分は死んだんですか?」


「はい。残念なことですか…」


「マジかよ…。はあぁ…、これからだったんだけどな」


「その女神様?異世界への転生って、強制なんですか? こちらの世界でもう一回ってのはできないんですかね?」


「残念ながらそれはできないんです。それに転生を拒否することはできますが、その場合は記憶をリセットされてこの世界の生命体に転生することになりますが」


どの生物に転生するか分からないってことか。それに記憶のリセットに恐怖を感じてしまう。

となると回答としては、一択しかないだろう。


「異世界転生をお願いします。正直なとこと異世界転生って言葉にあこがれわありますが」


 その言葉に女神様は安堵したのか、表情を緩ませ、にこりと嬉しそうに微笑んでくる。


「こちらの世界に転生されてもあなたが好きなように生きてください。そうですね…、付け加えるとしたら、子だくさんでいてください。子供をはたからですから」


「頑張ります」


地球では結婚もできず、そもそも彼女もできたことがないので可能かどうか分からないんだが。女神様の前で否定的な言葉をするのもどうかと思うので、とりあえず、肯定的な言葉をしておく。

今度の世界では彼女ができるかもしれないしな。


「それで入って来てください」


その前に転生先について教得て欲しいのだけれども。

お願いする前に視界がまぶしく光に包まれていく。



誠士郎が光と共に消え去った後、女神は一人呟く。


「私の世界を頼みます」


そういって、女神様もこの空間から消え去るのであった。




◆◆◆◆◆◆◆◆




「自分のこと分かりますか?」


「誠士郎、それだけは覚えています」


「これは………」


「困ったことに記憶喪失ですね……」


かくして自分は異世界に転生することになった。

この世界がどんな世界かは分からないが、ほとんど前の世界、地球と大差ないだろうと思う。

剣と魔法の世界で暴れまわることもあこがれるが、そんな危険なことができるとも思わず、チートがないと生きていけないだろう。

女神様と話した感じ、そんなご都合主義的な力を与えられているとも思えないので、結果的にはよかったのかもしれない。


そしてこの世界では自分は記憶喪失ってことにしている。

この世界の文化文明を知らないのだ、であれば記憶喪失ってことにしておけばちょうどいい隠れ蓑になると思ったからだ。


「失礼します。少年の容体はいかがですか?」


立派な軍服に身を包んだ女性が病室に入って来た。

胸がはちきれそうで、ぱっつんぱっつんの軍服である、眼福。


「どうやら記憶喪失の様でして、自分名前は覚えがあるようですが、それ以外の記憶がないようです。いくつか質問もしてみたようですが、どれも分らないみたいですね」


「ふうぅむ、そうなのね。私からも質問してもいいかしら。あなた、いや誠士郎君といったほうがいいかしら。あなたは今朝がた付近の公園にで倒れていたところを発見されたようなの、その時の記憶は覚えがあったりするのかしら?」


「いいえ。残念ながら覚えがないんです。唯一覚えがあるのが誠士郎って名前なんです」


軍服を着ているってことは軍人なのだろうか。

下手なことを言って怪しまれるのはよくないだろうな。

何かを考えるように軍服の女性は腕を組む。


「そうですか。実は誠士郎君のご両親を探すために色々調べたのだけれども、あなたの戸籍が見つからなかったの。だからあなたの扱いについて困っているのよね」


確かにその通りだろう。

記憶がなく、戸籍が見つからない人間など怪しすぎる、うん、ちょっと待てよ。それって結構やばくないか?

不法侵入者ってこととで捕まったりしないのだろうか。

不安な気持ちが心を支配する。

そんな気持ちが顔に出てしまったのだろうか。

軍人の女性が優しい言葉をかけてくる。


「大丈夫、安心してね。あなたは貴重な男性なんだもの。調べたところ、身体に異常はなく、健康体そのものだったわ」


「それにこれから私が保護者になってあげるから、大変だけど頑張りましょうね」


そうか、この優しそうな人が保護者になるのか、安心してきた。


「ありがとうございます!」


「ふぁ!? い、いいえ! いいのよ、そんなに気にしないで。……………………可愛すぎるわ」


「「………こんな男性がいるなんて」」


安堵からのお礼の言葉を継げただけなのだが、何かざわざわしている。

良く分からないのだが、悪い雰囲気ではなさそうだし、気にしないでおこう。


はあ、これからどうなることやら。

女神様もうすこし、この世界のことについて、転生する前に教えてくれてもいいのではないでしょうか。



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