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ウルフィちゃん番外編。 来年を思うシロンとニャトルの待ち疲れ漫才

 俺とニャトルはこれからクローネの町に繰り出すんです。

 コゲクさんを待ってる間、俺はすごーく遠い昔の事を考えていやがりました。


「はぁ……年越しはいつもシロと二人で焼きそばパン食べてたなぁ」

「何言ってるニャ? 焼きそばパンて何ニャ?」

「伝説の食べ物を知らないだと!? こいつを買って来るだけでつかいっパシリの気持ちに

なれる至高の食べ物だ」

「つまりシロンはつかいっパシリだったニャ?」

「そうだ俺はシロのパシリ……ちがやい! 食うのは俺だ! シロにそんなもの

食べさせられるわけないだろ。高級ドッグフードに決まってる……お腹空いてきた」

「ニャガーッハッハッハ……ニャトルもお腹空いたニャ」

「かといって食べ物は呼び出せないし……この能力、どうなってんだ欠陥品

じゃないか転生の遣いニャトルとやら!」

「そんなのニャトルが知るわけないニャ」

「聞いた俺がばかだったよ。はぁ……来年は龍の年だったなぁ……」

「りゅりゅ、龍ニャガ? そそそ、そんなのちっとも怖くないニャ」

「尻尾震えてるぞ、おい。この世界にもいるのー? ドラゴン!」

「いるニャ。何度もご主人が言ってるニャ」

「あれはただの脅しネタかと」

「ふふん。無知なシロンに教えてやってもいいニャ?」

「いいわー。見たくないわー。怖いわー」

「自分で聞いといて!? 一体何なの!?」

「話し方が普通に戻ってる!? これ、久しぶりだな……おいニャトル。

それより、あれだ。漫才をやるぞ」

「漫才? 漫才って何ニャ?」

「俺がぼけてお前が突っ込むんんだ」

「それ、いつもやってる奴ニャ」

「待て待て待て。俺がぼけるよりお前がぼけているだろう。俺は突っ込み役

のシロンだ」

「大嘘ついてるニャ。シロンは大抵ボケてるニャ」

「むぐぐっ。ならお前が華麗にボケてみるがいい!」

「そう言われてもニャ。ニャトルは真面目な女の子ニャ」

「認めん、その設定は認めんぞ。尻尾のケンとかいうふざけたギャグ技を

持っているというのに」

「これは立派な武器ニャ! ちゃんと切れるニャ」

「ほーう。なら試しにこいつを切ってみろ! 出でよ、濡れた紙!」

「何ニャ? 紙きれが切れないとでも思ってるニャ? 舐めるニャ! ふしゃー!」

「しかし何も起こらなかった」

「なな、なぜニャ。さては何か魔法を付与したに違いないニャ!」

「おいおい。俺の元々居た世界から呼び出したんだぞ。魔法なんてチート

あるわけないだろ! これはな……濡れた紙だからだ!」

「ニャガ!? 濡れた紙は切れないのニャ?」

「切れないわけじゃない。切れにくくなるのだよ。ほら、尻尾にこびりついてるだろ?」

「ニャガ……知らなかったニャ……」

「ふっふっふ。しかし人間が濡れただけならばっさり切れるので良い子は

真似しないでね!」

「それにしても遅いニャ。いつになったらコゲクロサンバというのが現れるニャ?」

「コゲクロサンバって何だ。お前やっとボケたな」

「別にボケたつもりはないニャ。ふにゃーごろろ……」

「おい寝るな! クロマさん、こいつをたたき起こしてやってください!」

「嫌だよ。コゲクロならもう来るだろ。それにしてもお前らよく喋るなー。

人間の方がよっぽど静かだぞ」

「俺は騒音のシロン。よろしくな! 小僧!」

「ちょっとあれな奴だから気にしない方がいいニャ」

「まぁいいけどよ。面白い奴らは好きだぜ俺たち。コゲクロが来たら移動するから

それまでは影にはいらねーぞ」

「わかってますよ。それにしても、ご主人がいないまま一年が終わりかぁ。ご主人

どうしてるかなぁ」

「多分けろっとしてるニャ。カエサルも一緒だからきっと平気ニャ」

「確かに剣ならカエサルさんの方がニャトルより役立つしな」

「ニャトルが進化するのはこれからニャ。先に進化したからって偉そうにして

られるのも今のうちニャ!」

「ふふん。ばかめ。主人公様であるこの俺シロンに勝てるとでも思って

おるのか愚民猫め! ファーーーハハハハハハおい尻尾を噛むな」

「ペッペッ。まずいニャ。それで、龍はもういいニャガ?」

「随分話が戻ったな。ちょっとだけ教えろください」

「仕方ないニャ……地味に命令してるニャ……実はこの世界には竜に

転生した者がいるらしいニャ」

「おいこら。何で俺が犬で見知らぬ誰かが竜に転生なんだよ」

「知らんニャ。転生神様がそうさせたみたいニャ」

「するってええとあれかい? 俺はどれだけ進化してもそいつに勝てないとでも?」

「どうかニャ。おかしな転生方法を持ってるシロンなら、場合によっては

強くなるかも知れないニャ。ニャトルはもっと上をいくニャガ」

「ほう。この我を越えるというか。片腹痛いわ! くらえ! 吸血!」

「ニャガー! 出発前に体力を吸うニャ!」

「おいそれよりニャトル。そろそろだ」

「ニャガ?」

「ということで、来年もよろしくね!」

「一体何がしたかったニャ」

「わかりきった事を聞く奴だな。一年の締めくくりの漫才挨拶に

決まっている!」

「付き合わされる身にもなって欲しいニャ……」


 こうしてシロンは一年という締めくくりを、相棒のダメ猫と締めくくるの

であった。

 しかしシロンは気づいていた。


「ダメだ……サルサさんがいないと締まらない。サルサさーん!? サルサさん

はいませんかー!」

「ちょっと何よ。まだ出発してないわけ?」

「あ、いた。締まらないんで一言お願いできませんか?」

「はぁ? 何よ一言って」

「いいからいいから、続けて言ってくださいね」


『一年間ありがとうございました! 来年もよろしくね!』

「やーしやしやしやし。これが某元動物愛好家の愛で方の基本です」

「だから何なのよ! さっさと行って解決してきなさい!」


 また来年! 

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