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シローネとクローネの町に着きました

 一台の馬車で更に進む事二時間あまりでしょうか。

 ついに俺たちはシローネとクローネの町に到着しました。

 結局六時間もかかってしまったんですね。お腹が空きました。

 もう昼を大分回っています。

 

 しかし驚きました。この町、入り口からしてとても綺麗でした。

 その入り口は大きな一本道で石造り。道の横には綺麗な水が流れてます。

 こちらはシローネの町から入ったのですが、町の外観は全て白、白、白! 

 真っ白で統一されてるんです。なんなら花壇まで白い! 

 そして町の入り口から直進した奥の世界。そちらは黒! 黒、黒、黒! 

 黒で統一されています。本当に文字通りの町でした。

 これは実に面白そうな町です。

 そして俺の名前はシロン。多少模様が入ったとはいえ、シローネの町では歓迎の的に

違いありません。

 まずは宿屋へ向かうのですが、馬車で入れるのは入り口まで。

 町へ続く一本道を越えたところに直ぐ、馬車の停留所がありました。

 この停留所も勿論白一色です。


「目が痛くなるほど白いわね。でも綺麗な町だわ」

「サルサさんも来るのは初めて?」

「ええ。魔術師ギルドが無い場所で活動しても仕方ないし」

「ここにはギルドって無いんですか?」

「どうかしらね。少なくともリバティベルがあれば必要ないんじゃないかしら。

ここまで馬車で……本来なら五時間くらいかしら。それだけ短い距離だと

必要ないでしょう?」

「そんなもんですかねえ。ギルドってコンビニみたいなイメージだから、五十メートル置きに

会ってもよさそうですけど」

「コンビニって何よ。五十メートル置きにギルドなんてあったら

常にガラガラじゃない」

「確かに。依頼を受けるだけなら人の滞在時間は短いですもんね。

でも酒場と兼任してるとこも多いのですよね?」

「そうね。その方が効率的にお金を落とすでしょ?」

「そう、その理論からコンビニは成り立つんです! 面倒だから全部やれるコンビニでってね!」

「ふぅーん。よくわからないけどあんたが知ってる世界には、便利な店があったのね。

でも私には必要ないわ。お金は貯めるためにある!」

「サルサさんらしいですね。サルサさんは俺の世界にいてもコンビニにはいかなそうですね……絶対

値切れませんから」



 しかし、便利というのは大事なものなんです。

 時間をお金で買う! という理論に当てはまりますからね。それよりも……「カエサルさん

たちはどこでしょうか?」

「もう先に宿まで行ってるでしょ。あのお爺さん、待ってるタイプにも見えないし」

「それもそうですね。我々も早く向かうとしましょう」

「それで、宿はどこかしら」

「宿はどこでしょう」

「宿ってどこなんですかぁ!?」

「どこが宿ニャ?」

「……」

『あーーー!』

「全員宿の場所知らないヤツだけ残ってるじゃないですか!」

「そういえばそうよね。ヨウナもお爺さんもいないわ……」

「この状況で待ってもらえないなんて悲しいですぅ……」

「シロン、あんた匂いとかで辿れないの? 犬でしょ?」

「俺はウルフィ! 犬ではありません! 匂いなんて……なんかいい匂いする。

美味しそうな匂い……」

「本当ニャ。お腹空いたニャ……」

「あのー、クラマさんでしたら、多分シロコロネって宿を取ってると思いますよ」

「御者さん! ありがとうございます!」

「いえ。何せこんな貴重な模型をもらってしまって……家宝にするか悩むくらいですよ」

「お好きにお使いください。それで、シロコロネっていうのはどのあたりに?」

「それなら……」


 宿の場所を聞くと、早速町の中へ突撃です。

 真っ白な家が乱立ではなく整理されて並び立つこの場所。

 余程厳しく管理されているんでしょうね。

 しかし今のところ人が見当たりません。

 はて……。



「ちょっとここで終わりなの? 宿屋まで行きたいんだけど」

「そうはいってもですね。お時間の都合というものがっ」

「はぁ……もう疲れたニャ。さっさと宿で休みたいニャ」

「まだ日は沈んでないんだぞ。きりきり働けぃ!」

「お腹空きましたぁ……」



 続きはまた次回! 

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