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エボルブイノベーション

『シャキーン!』

「わー、シロンちゃん。レベル上がったね!」

「けれど今度はもうちょっと呼び出さないとあがりませんでした」


 家の外に出てから四日経った。

 身体の調子はかなりいい。

 四日の間に様々な物を召喚しては力が抜けを繰り返した。

 今日のレベルアップでレベルは四に達した。


「いくよー、鑑定!」

「ウイーン」


 効果音を付ける俺。ナイスフォローと呼んで欲しい。


シロン

 種族 ウルフィ 種族形態 リトルウルフィ

 性別 雄

 年齢 一歳

 レベル 4

 耐久 13/13

 魔珠  6/6

 体力  5

 力   4

 器用  4

 速   8


 習得技 異界召喚、行動経験、革新進化、????、

????、????、????、????


――――


 ステータスの伸びを見る限り、速さは良く伸びる。

 狼っぽい! けど魔珠は相変わらず一しか増えない。

 何度かおたまじゃくしを召喚して時間を図ったけど、おたまじゃくしが

魔珠一を消費して呼び出せ、一秒で魔珠を一消費する。

スライムも同じだった。


 つまり今の俺はおたまじゃくしを五秒呼び出せる! 

 そして力が抜けて動けなくなる……これはまずい。

 今のところ役に立てる気がしない。


「どう? シロンちゃん。何か役に立ちそうな物を召喚できそう?」

「ぐぬぬ……役立たずで居れるものか! いでよ、バッタ!」

「キャーー! だからなんで虫なのよ!」

「力が抜ける。後よろしく」

「シロンちゃーーん!」

「バッタは四秒だったよ。おたまじゃくしより一秒短いのね。呼び出しに二消費するのかな」

「これも役に立たないでしょー!」

「てへ」


 バッタを召喚して喜ぶ主人を見つつ睡眠した。




 がバッと目覚めてからふと思い立った。

 食べ物の小さい原料なら召喚できるのではと。

 それを食べたらどうなるんだろうか。

 まずは米粒程の大きさの……米粒を召喚してみる事にしよう。


「米粒、来い!」

 

 叫んでから周囲を見渡す。なにせ米粒だ。小さい。


「あった! 米粒だ!」


 しばし時間経過を待つ。

 だが……米粒は呼び出していても時間で消えないし疲れない! 


 前足を組み考えていると、ルビーが来た。少しばかり虫で警戒されている。

 もう出さないから安心して。今のところは。


「シロンちゃん、何してるのー? エルエが呼んでるみたいだけど」

「主人、見て! 米粒を召喚したけど消えないんだ!」

「米粒? 麦見たいだけど違うのね。これはどうやって使うの?」

「一粒では特に何も。いっぱい集まればご飯が炊けます!」

「ご飯? へー、それは武器なの?」

「食べ物です!」

「シロンちゃんてば虫か食べ物ばっかりー!」

「うぐっ。じゃあ何か違うのを……」

「それよりエルエのとこにいくよー、えいっ」


 むんずと掴まれ結局むぎゅーされる。これがふわふわの宿命なんだ。


 以前と同じ村の空き地にエルエ君がいた。少し草臥れた表情をしている。


「おーう来たかルビー、シロン。こないだの続きやるぞー。

今日は戦闘用に

棒を持ってきたから、俺を襲ってみてくれ。怪我はさせないようにするから」

「怪我しても私が治すから大丈夫よ。さぁいけ! シロンちゃん!」

「突然言われてもなー。実験したかったよー。でも!レベルアップした今なら!」


 止めても無駄な主人には逆らえないのでとりあえずエルエに飛びかかる。

 くらえ、前足爪だ!」


「遅いなー。ほい」

 簡単に避けられる……なら今一度! 嚙みつきだ! 


「ほいこっちだ」

「がぶっ」


 俺は綺麗に棒に嚙みつかされた。

 これじゃ完全にペット遊びだ。ならば……


「出でよ! どんぐり! 奴を攻撃するのだ!」


 するとぴゅーんとどんぐりがエルエに向かって飛んでいく。


「あいてっ なんだこの小さな実は。食い物か?」

「ふっふっふ。それはどんぐり。リスが投げる攻撃道具だ」

「リス? よくわからないが攻撃手段にはならんだろう」

「うう、魔珠さえ、魔珠さえあれば!」

「もっと右に左に激しく動いてみろ……そうそう、真正面はダメだ。攻撃が読まれる。

そうそう、よーしよし、いいぞ!」

「あの、どんどん犬の気分になってきたんですけど」

「じゃあ何かすごい技、やってみてくれよ。な?」

「もう一回使ったら倒れそうだけどなぁ。

いでよ、芋虫!」

「うお、なんだこの気持ち悪い虫は!」

「きゃーー! またやったー! シロンちゃんー! ご飯抜きよ!」

「そんなぁ……あ、もうだめ後よろしく」


 俺は定番パターンで倒れた。

 少し呼び出せる物が増えたぞー。消えない者があるのもわかった。


「おい、面白いからこれ使えよ。また召喚できるはずだぜ。

超粗悪品だからわずかしか回復しないけどな」

「あら、エルエが物を上げるなんて珍しいねー」

「そんなことはないぞ。面白い奴にはちゃんとやるさ」

 

 そういいながら何かを振りかけるエルエ。何されたのー? 

 お、力が抜けたのが戻った。回復アイテムかなー? 


「よしよし、まだいけそうだな。次はさっきのドングリみたいに消えない奴で頼む」

「いいでしょう。私も調べたかったので……何にしようかなー」

「シロンちゃん、戦いに役立つ物をだいてよ!」

「うーん……俺の魔珠量で戦いに役立つものかー。これくらいなら出せるのかな。

いでよ、小石! エルエを攻撃するのだ!」


 ヒューンと降ってくる石。エルエの頭にごちーんする。


「いって! 石が降ってきやがった。どこの悪ガキだ?」

「いや、今の召喚したんだけど……出でよ、松ぼっくり! エルエを攻撃せよ! ……あ、力が抜ける……」


 ぽヒューンと松ぼっくりが飛んでいき、エルエにポゾっとあたる。あ、力抜ける。


『シャキーン!』


「おー! シロンちゃんレベルアップしたー!」


『エボルブイノベーション』


 ……はい? 

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