フィラデルフィアの大学見学なのです
そしてついに散歩を開始した俺たち。
フィアーフィラーは一度見たし、フィラデルバニアット大学へ行こう! って事に
なりました。
学校見学! これは楽しみですが、自由にできるものなんでしょうか?
よくわからないので、ギルドリバティ・ベルへ行きます。
そこで聞いた話だと、受付料を払い、ギルド証を見せればいつでも見学ができるそうな。
地図もギルドでもらい、早速向かってみました。
――――そして受付につき、お姉さんに話を聞いてみます。
「あのー、見学に来たものです」
「あら、ようこそ起こしくださいました。当大学のご見学は初めてですか?」
「初めてです。えーと、私、ルビー、茶々丸、カエサル、ラフィーの五人です」
「そちらは召喚獣ですか? まぁ、可愛い」
「バウ」
「ニャ」
「うふふ。こちらでは大人四名、子供一名で登録いたしますがよろしいですか?
合計銀貨四枚、銅貨一枚になります」
「茶々は大人ちゃ!」
「いえ、子供なのに大人ぶってるんですよ、最近。はいこれお金」
容赦なく話を進めてごまかすサルサさん。物凄く怖い笑顔で茶々丸を見ました。
それはそれは怖い顔でした。
「……はい。こちら通館証明書です。大事に持っていてくださいね。
お二人は魔術師、そちらの方は……剣士の方でしょうか。見るところは沢山
あります。お帰りの際はこちらへお立ち寄りください。こちらが当大学の
地図になります。注意事項を数点お伝えします。
まず大学敷地内での受講生以外の魔術は禁止。抜刀もご遠慮ください。
それから決闘試合などもです。もし生徒がお客様にご迷惑をかけた場合、厳しい
罰が待っておりますのですぐ、お知らせくださいね。
こちらでは有名な学食があります。見学の方もご利用いただけますからぜひ、お立ち寄りください」
「あのー、召喚獣は出したままでも?」
「ええ、そんなに愛らしい召喚獣でしたらずぅーっと出して置いても平気です。
あの、少しだけでいいから撫でてもいいですか?」
「いいですよ! シロンちゃんもニャトルちゃんも可愛いのでおすそ分け!」
結局髭をひっぱられなでくりまわされましたが、文句は言えない。
何せここで喋ろうものならサルサさんの怖ーい笑顔を再び見る事になります。
それだけは嫌!
受付を出ると、広い敷地内の開けた広場が直ぐ見えてくる。
おお、噴水があります! これは魔道具でしょうか?
上へ上へと勢いよくでた水は下へ落ちると流れるプールのようにぐるぐると
回転。それが中央へ集まりまたぴゅーっと上へ水が噴射しています。
不思議! でもこれなら前世でも作れそうな構造ですね。
化学に不可能はなーい! しかし魔法の方が不思議感があってとても魅力的です。
噴水前には生徒が今のところ一人もおらず、現在は授業中なのでしょうか?
「まずは魔術基礎の実験場を見に行ってみましょう。参考になるかもだし」
「こうやって一から魔術を教えてくれる場所もあるんですね」
「大学でも魔術の基礎なんですか?」
「基礎といっても色々あるわよ。例えば詠唱省略基礎項目を含む実践魔術基礎……
なんて項目もあるみたい」
「実践なのか基礎なのかよくわかりません。詠唱省略ってのは基礎に入るのでしょうか」
「魔術の段階の話ね。これは一般魔術の基礎ができていないとわからない基礎項目ってことよ」
「うっ……頭が拒絶反応を示している……飛ばしていきましょう!」
「ダメよ、ちゃんと見ていきましょう。あんたも魔術を行使するかもしれないんだし。
魔珠を操るのにも絶対役に立つから」
何ですと!? つまりそれがあれば効率的に異界召喚も行える?
おお、少しだけテンション上がって来たー!