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夜涼みガールの地雷っぷり

 七人の密猟者は港の北側から密漁を開始すべく、夜の港を密かに走っていた。

 港には海岸に荷物を置くスペースと砂浜部分が用意され、従業員の作業場となっている。

 本来であれば当然立ち入り禁止場所なのだが……。


「頭ぁ……誰かいやすぜ。あの箱に腰かけてる……うひょお。いい女だ……」

「女? まさか港の作業員か? いやいやそれにしちゃ恰好がおかしいぞ。おいおい、随分上玉じゃねえか」

「うっへへえ。お近づきになりてえなぁ……」

「ばかやろう! 女なんざ密漁した金で遊べばいいだろうが! さっさと仕事に戻るぞ!」


 しかしその女性から目を離せない七人は、顔だけそちらを向けながらこそこそと移動する。


「ふぅ……今日は暑いなぁ……ちょっと窮屈ですぅ……この服。はぁ……誰もいないし脱いでしまおうかしらぁ……」

「ごくり。てて、てめえらは先に行け。俺はちょっと靴紐を結ぶ」

「か、かしら1? あああ、あっしの靴紐もほどけた」

「俺の靴紐も」

「俺のパンツの紐が緩んだ……」

「でもぉ。恥ずかしいから箱の後ろにしようかなぁ……さっ」

「おい! そりゃねえだろういいところで……邪魔だおめえら。どけっ。そっちからだと見える気がする」

「ええ!? じゃあ俺たちももっとこっちへ」

「ちょっとくらい遅れても構わねえよな。うん」

「くそ。かしらたちが邪魔でみえねえ……そうだ! サボ、キンジ、リグ。俺たちは灯台から高みの見物といこうや」

「お、いいねそうしようぜ」

「ちゃんと終わったら戻ってくるんだぞ。へっへっへ。ばっちり脱いだところを……へへっ」

「頭、もっと前へいきやしょう。ここじゃやっぱり見えねぇ」

「そうだな……静かにだぞ、いいな?」


 ゆっくり一歩一歩近づく頭と部下数名。

 既に鼻息荒く気づかれていてもおかしくない音を立てているが、箱の方からは何の音も聞こえない。


「か、かしら! あそこにスカートが落ちてやすゼ。うひょおおー! 俺のものだ!」

「馬鹿野郎。スカートなんざ興味ねえ、あるのは……」

「こーんな爆発ですよね? うふっ」


 ドカァーーーン! と大きな音を立てて、頭を中心に爆発が起こる。それと同時にベタベタすた

粘液が密猟者たちに降り注ぐ。

 さらによろけたところへずぼりと穴に落ち、さらにそこから港周辺にいる巨大虫が降り注いだ。



「うぎゃああああああああああああああーーーー」

「くせぇ! なんだこのぬるぬるしてるやつは!」

「す、スカートじゃなくてただの布切れ……」

「あなたたちが喜ぶと思うようにやっただけですよぉ! だから私は地雷じゃないんですぅ!」

「くっそ。この程度で! 女ぁ! 容赦しねえぞ! はれ?」


 穴にはまった密猟者が外へ出ようとするが出られない。

 体形にジャストフィッティングしているうえ、腕を万歳した格好ではまっているため手も使えないでいる。


「あら。運が悪かったですねっ! それじゃ私は失礼しますねっ! シロンちゃーん! 私やったよぉー!」

「くそ! あの女ぁ! ……くせぇ!」

「誰か呼びに行きやがった。計画的にやられたってのか!?」

「だがあっちには用心棒のサボとキンジがいる。そう簡単にはやられねえだろう……くせぇ!」


 少しすると先ほどの女が妙な犬を連れてきた。その犬はなんと魔術を唱え始めた。


「ほうほう。こいつらですか。なんと親分がここにいるんですね。クックック。果たしてどれほど経験値が入るか。君たちには実験材料になってもらいましょう。わははのはーー! 閃光の如き電よ。万物を貫く雷撃となれ! コボルト!」

「魔術だと? ぐわーーーーー! ……」

「閃光の如き電よ。万物を貫く雷撃となれ! コボルト!」

「やめてくれ! 白い悪魔だ! ……」

「閃光の如き電よ。万物を貫く雷撃となれ! コボルト!」

「畜生このくせぇの何とかしやがれ! ……」

【シャキーン】

【シャキーン】

【シャキーン】


「なんだね。雑兵と一個しか変わらないじゃないか。ねぇ君たち!」

「いいなぁ。私お色気しただけでレベル上がってないですよぉ……くすん」

「地雷フィーさんは自爆お色気キャラなのでレベルは不要です!」

「何ですかぁ、それ……はぁ。早くみんなのとこへ行きましょ?」

「あれ? 何か嫌な予感がします」

「ええ!?」


 進もうとしたシロンは、思い切り爆発スイッチを踏んでいた。


 ドカァーーーン! 

 ですよね。知ってました! こうなること! 

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