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ゴールデンデンゴロールを踏み潰したシロンはやっぱりパン屋が一番でしたという長いタイトルのお話なのです

 宿屋で一晩過ごした俺たち。翌朝からとても美味しいお魚メニューでした。

 しかも海苔があったんですよ! 奥さん! 聞いてください! 海苔ですよ海苔! 

 もうノリノリですとかいうとブラッディーカーニバルが始まりそうなので言いません。

 

 海苔があると美味しい海苔パンが作れます。海苔の風味がパンに伝わり……チーズとも

合うし絶品なのです! だからパンは最高ですね! 


 それに鮭のような魚もいました。こちらはニャトルが飛びついて食べていましたよ。

 多用途魚と言われる代表格のやつ! でも鮭という名前じゃなくチャペっていうらしい。

 チャペの方がちょっと可愛いのです。パンにするとチャペパン! いい響きだ! 

 チャッペパンにしていっそコッペパンぽくするのもありでしょうか。


「あんた、何ぶつぶつ言ってるの? そろそろ行くわよ」

「はい。少し新作パンについて考えてたのです」

「それは楽しみね。パン、美味しかったし。それはそうと、今日はまずギルドに行って、酒場で情報収集。

それから装備の見直しよ。今の私たちの装備じゃ、ここで戦うのは厳しいし」

「そうなんですか? 俺の炎でどうにかなりませんか?」

「全然ならないわよ! あんた、水の魔物が多い場所で火が役に立つと思う?」

「しょぼーんなのです。全然役に立たなかった……」

「わかればよろしい。そんじゃ行くわよ」

「シロンちゃんは私が抱っこしていくね。新しいパン考えるんでしょ?」

「恥ずかしいからいいですよご主人!」


 うるうる目でとても残念そうにするご主人。

 しかしその目には屈しません! 代わりにニャトルをぐいぐいと背中で押して差し出しました。

 

「なんニャ? シロンは歩く方が好きなのかニャ?」

「こうやって歩いている方が早くレベルが上がるに違いないのだ! フハハハ! ニャトルの

レベルをぶっちぎってやる!」

「精々頑張るといいニャ。この町はポカポカ陽気で気持ちよくて眠くなるニャ……」


 しかし歩いていてもレベルは上がりませんでした。進化するたびにレベルが上がりにくくなってるよー。

 もっと手っ取り早く上がればいいのに! 


 ぶちっ。


【シャキーン】

【シャキーン】

【シャキーン】


 はれ? 何か三個もレベルが上がりましたよ? 


「あー-! あんた、それ! ゴールデンデンゴロールじゃない! もったいない!」

「へ? デンデンゴロールの強いやつですか?」

「五十レベルまで、強制的に三つレベルが上がる貴重なやつ……捕まえて

売れば二十レギオン金貨なのに……それに何であんたたち相手だと逃げないのかしら」

「そんなにするのぉ? レベル三つもあがったけど。これでニャトルにおいついてレベル七だ!」

「運のいいやつニャ。仕方ないニャ。ここからはニャトルも歩くニャ」

「えー。ニャトルちゃんのもふもふが気持ちよかったのにー……二人とも。今夜

ステータス確認してみようね!」


 そろそろ気になるところではあるステータス。大分強くなったかな?

 パタパタと尻尾が触れる事から、シロンは喜びを表現しているようです。


 しばらく歩いていくと、ギルドの看板が見えてきました。


【ギルド、リヴァティベル。魔術、召喚、戦士に義賊。なんでもござれ!】


 こう書かれていると、サルサさんが教えてくれました。だって高い位置にあって見えないんです! 


「合同になったんだ、ここ。前は二つに分かれてたのに」

「経営難でしょうか? 合併ですね合併! シロンの世界と同じです」

「あんたの世界にもこんなのがあるの?」

「こんな面白そうな仕事紹介所があったら最高だったんですけどね。かたっ苦しいへんてこな

斡旋所もどきがあるだけでした。使えないまじつかえなーい」

「へんてこな斡旋所ってそれ意味あるの?」

「ないので転職サイトが乱立しました」

「うわ。よくわからないけど大変そうな世界ね」

「魔術なんてない世界なのでおもしろおかしなギルドが欲しかった!」


 闇の深い就職事情。それは世界共通! 

 けど待てよ? ショートの町でギルドの張り紙を見たけど、恐ろしい仕事ばかりだったような。

 結局変わらない! 仕事なんて、仕事なんてー! 


「やっぱりパン屋が一番です。ちゃんちゃん!」

「はい?」

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