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タコーザスの言い分

 フィラデルフィア港でタコーザスに絡まれた俺たち一行。

 面倒なのでさっさと港に入りたいのに、暴れるなどとほざいています。

 

「まぁ聞け。一つ条件をのめば通行料は勘弁してやってもいい。それどころか

褒美もくれてやろう」

「え? 褒美だけください」

「あほか! 褒美だけやってさようならってただのいいタコだろ、なめてるのか?」

「いやいや、ここまでお話を聞いたご褒美に!」

「うまいこといいやがる犬だな。よし、ちょっとこっちへ来い」

「はい? 何ですか?」


 しゅるしゅるとタコの足が体に巻き付き吊るされる。しまったーー! 


「よー見るとお前、普通のホワイトウルフじゃないな。なんだこの変な模様は」

「纏う炎! 俺はホワイトウルフじゃなくてハンディウルファイヤのシロンだ! ばかにするな!」

「ほう。この程度の炎でタコーザス様がどうかなると思ってるのか? まぁいい。

返してやるがちゃんと話を聞け」

「海の生物がくれる宝ってのは確かに興味があるわね。海底は私たちじゃ行けないし」

「お宝ニャ? それなら聞いてやらなくもないニャ」

「そうですね。面白そう!」

「珊瑚とか無いのー? シャンフー」

「カエサルならあの足、切れるサ」

「おいおい、物騒な事言ってるやつもいるが、悪い話をしてるんじゃないぜ。

いいか、そもそもなんでこのタコーザス様が海の警護をしているかわかるか? 

ここに密猟者がいるんだよ。人の縄張りでごっそり真珠を持っていく悪徳商人だ。

それにモンスターからも警備してんだよ。お前ら、出てこい!」

「オトーーー!」


 海中から数十匹、タツノオトシゴのようなやつらが出てきた。

 くっ……部下がこんなにいたとは!タコーザス。侮りがたし。


「こいつらに警備も任せてるからな。食わせる餌も必要なんだよ。わかるだろ?」

「まぁ、これだけいたら餌代はかかりそうね」

「自分たちで捕食すればいいニャ? 出来ないニャ?」

「こいつらあんまり強くないんだよ。それでさっき言った密猟者どもがこいつらをな……」

「オトーー……」

「それならその密猟者をどうにかすればいいんですね?」

「その通りだ。俺たちは陸上にはあがれねえ。その辺の衛兵も資金でつられてて

まるで聞きゃしねぇのよ。かといってだ。このタコーザス様が頭を下げるのもしゃくだろ? 

だからお前ら、褒美をやるから解決してこい」

「どうしても上からいきたいタコなのね……それで、褒美内容は?」

「厳選真珠と紅珊瑚、それに沈没船の宝箱でどうだ。その代わり宝箱は餌と交換だな」

『のったーーー!』


 目の色が金マークに変わった女性陣とネコ。いや、ハラペーニャは知らん顔してる。

 俺とカエサルさんも割と普通の顔です。

 パンに関わるものじゃないからいまいちやる気がでないけど、困ってるなら放っておけないよね! 


「そうだ、タコーザスさん。海底って帆立っていませんか?」

「帆立? 何だそりゃ」

「軽く丸みを帯びた扇形でデコボコした中身の入っている貝類なんですけど」

「食用の貝か。ここらは海が深いから漁師じゃとってこれん。いいだろう、複数の貝類を

こいつらに頼んで用意してやる。その帆立とやらがあるかは知らんが」

「やったーー! 帆立入りのパンが焼けそうです! パン以外にもああしてこうしてー。

ぐっふっふっふ……」

「シロンがまた悪い笑いをしているサ。でも何かまた、美味しいものが食べれるサ?」

「もちろんですよカエサルさん! 悪者を倒して美味しいパン作りを開始です!」


 俺たちはフィラデルフィアの港でタコーザスより臨時の依頼を受け、改めて港町

フィラデルフィアへと入っていくのでした。

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