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ゴロウマルに現れたサハギン!

 ゴロウマルに乗って船旅を開始したシロン一行。

「ゴロオーーンオーーーン」と奇声を発しながらゆっくり進んでいく。

 ゆらゆらとわずかに揺れる船に、身を任せていたシロン。


「あれぇ? 船酔いしないよ? 俺は船酔いのスペシャリストだったはずなのに、なんでー?」

「だってあんた、ウルフィじゃない。ウルフィが船酔いなんて聞いたことないわよ」

「人間とは違うのですね、人間とは! やっほーい! 船酔いしない船旅が出来るなんて夢みたいです!」

「相当酷かったのね。その分働いてもらわないと。ほら、くるわよ」

「ニャ! おさかなニャ!? ニャトルが退治して食べるニャ!」


 ザパーーンと水しぶきをあげて船上に乗り出してくる生物。これがサハギン? 

 これ、おさかな? お魚じゃないよ……? 


「ウギャーーゴゴゴゴ」

「ウギャーゴゴゴなんて喋るお魚、いませんて!」

「ニャ? 全然美味しそうじゃないニャ……ハラペーニャ呼んで食べてもらうかニャ」


 すたりと二足で立ち上がると、前足を上にあげて踊り出すニャトル。

 またそれか! またそれなのかぁ! 

 ぴたりとポーズを決めると、すーっとニャトルから飛び出るハラペーニャさん。

 こいつ、いままでどこにいたんだろう? 


「おー、ようやく町から出たか。ハラペーニャ様は町には入れないからな。

それで、目の前のあいつ、食っていいのか?」

「いいニャ。どうせ美味しくないにゃ」



 サハギンの外見はどう見ても二足歩行スタイルのトビウオです。

 鼻頭がとげとげしい角のようにとがっていて、あれに刺されたら痛そう! 


「うーん。あいつ美味いと思うけどな。焼いてくったら」

「二足歩行生物を焼いてっていう時点でアウトです。シロン的には!」

「そうなのか? けどなぁ。それより町にニャトルがいたとき食ってたやつがくいてぇな」

「そんな事までわかるニャ? 侮れんやつニャ」

「ウギャーー! ゴゴゴゴウギャーーー!」

「あ、怒った」

「怒ったニャ」

「怒ったな」


 サハギンご本人を前にシカトを決め込みつつ美味しくなさそうだの他にもっと美味いものが

的な話をしまくってたら、そりゃ怒りますよね! 


「よーし、行くニャ、ハラペーニャ!」

「おお、あいつが持ってるのがそうか。ちょっともらってくる」

「……ニャ?」

「ほらあんたたち頑張って! レベル上げするんでしょ?」

「こうなったら……ケンのシッポニャ!」


 ぶんぶんと尻尾を振り出すニャトル。サハギンも警戒してか、突撃姿勢から

少し離れて様子を見た。

 いいぞ、いけニャトル! 俺はぬるりとしそうな魚に触りたくないんだ! 

 海の上じゃ洗うのが大変なんです。ニャトルも俺の毛も水には弱い! 


「よーしがんばれー。いけー、そのまま倒せ―やっちまえー。いけー」

「気が抜ける応援するニャ! ちっともシロンは使えないニャ……来ないならこちらからいくニャ!」



 素早く走って(いるつもり)背後を取ろうとするニャトル。

 サハギンの目は顔の横っちょの方についており、余裕で追えている。

 これは結果が見えそうです。


「さすがー、ニャトルだー。素早くて全然、見えないぞー」

「ふふん。当然ニャ。このニャケンに進化したニャトルの本領発揮ニャ!」


 どうなるニャトル? どうするニャトル? 戦いはまだこれからだ!

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