やっぱり地雷や!
順調に粉を量産していく俺たち。
これはいい、実にいい滑り出し!
さらっさらな小麦粉が出来てきます。
この小麦粉はどんな味がするのかなー。
「白くて綺麗です。これだけでも美味しそう……」
「食べちゃだめですよ、地雷フィーさん」
「ダメですか? でも少しくらいなら……ふわふわですし」
「美味しくないですよ、小麦粉なんてそのまま食べても。お腹壊します! めっ!」
「ふぁれ!? へ、へ……」
「へ?」
「ヘクシッ! ヘクシッ! ヘ、ヘクシッ、クシッ!」
畜生! やりやがった! 可愛いクシャミをやりやがった!
この人やっぱり地雷や! 地雷フィーさんや!
「のろー、粉が舞い上がって大変のろー」
「ごご、ごめんなさぁーい! ……イクシッ! クシッ! フィークシッ……クシンッ!」
「クシャミするなら一度手を止めてください! 手を! あー--! これは
また最初からやり直しなやつ……地雷フィーさんのクシャミ塗れ小麦粉が完成……これは
ギルドの荒くれどもに後で売ろう……」
「へ? そんな汚いもの売れないですよ! 後で捨てておきますから!」
「いやいや、こういうのは一部マニアの男向けに売れるんですよ。へっへっへ」
「シロンの悪い笑い方のろー。ダークシロンのろー」
粉をひとまとめにしてもらい、もう一度最初からです。再度同じ行程で粉を引く。
もう邪魔はさせませんよ! しっかりワンハンドで粉を引き終わりました!
「次はどうするのろー」
「次は水とハチミツか砂糖を入れるのです。サトゥーさんじゃないからね!」
「蜂蜜なら取って来たものがありますよ!」
「おお、本当ですか地雷フィーさん! 嫌な予感がするのでおばちゃんから頂いた砂糖を
使用しますね!」
「なんでなのぉー!」
「それじゃこっちのハチミツは地雷フィーのに入れるのろー」
「絶対モンスターか何かができます! 危険です!」
これで準備完了。後はこれを暗室で寝かせつつ混ぜれば……上に布をかけておかないと。
これもおばちゃんが用意してくれたよ! 不思議なものを見る目だったけどね!
「これで終わりなのかしら?」
「終わりです。これで数日して泡ポコが出たら酵母の完成なのです。
二人には完成したら真っ先にパンを作って食べてもらいます!」
「ちょっと怖いのろー。泡が出たらそれこそ化け物みたいのろー」
「でもシロンさんが美味しいって言うなら、よっぽど……ごくり」
離していたら、サルサさんがやってきた。なんだかんだで心配性なサルサさんは優しいのです。
「シロン、ご飯できたー?」
「ただ飯を食いに来ただけだったー! 前言撤回です!」
「何も言ってないじゃない。それで、何これ?」
「酵母を作ってるんです。酵母がないとパンは焼けません!」
「後どのくらいかかるの?」
「数日から一週間くらい?」
「……今日のご飯はどうするのよー-!」
「じ、地雷フィーさんのクシャミ入り小麦粉お焼きで!」
「そんなのいるかー! もういいわ、食べに行くわよ」
「行くのろー」
「出来上がりが楽しみですね。今日は穀物以外がいいなぁ」
結局この日は外で食事を取りました。パンは一日にしてならず!
そして翌日も、その翌日も、そのまた翌日も……グルグルとかき混ぜて、ついに酵母が完成!
その数日の間は、ご主人たちとチャチャが、新しい装飾品を作っていた。
これは……パンと同時に公開となりそうな予感です!