進化! その名も……
「今度こそ起きたみたいよ。うりうりー、こいつめこいつめー」
「はびゅっ。くすぐったいので鼻をつんつんするのはやめてくださいサルサさん!」
「君らが寝てる間に町へ移動したサ。ハラペーニャは町には来れないからここにはいないサ」
「ニャ……ご主人、鑑定して欲しいニャ! このニャトルの究極パワーをシロンに
見せつけてやりますニャ!」
「くっくっく……ばかめ。究極パワーを見せつけるのはこのシロンの方だ!
出でよ伝説の竜、シェンロリオレウバハムーミラボメイドドラゴン!」
「ななな、何にゃその恐ろしそうな名前の竜は!?」
「混ぜた」
「混ぜるニャ!」
「はいはい二人とも落ち着いて。食事をとってからね。ところでシロン。あんた自分に違和感
無いの?」
「え? 俺はいつでも元気で可愛いシロンですよ? 何か変わりました?」
「ふーん。まぁいいわ。詳しい事は鑑定すればわかるから。ほら、ご飯食べよ」
なんだろう、見るからに何かありそうなセリフだったが何か変わったのか?
俺が望んだのは火だった。きっと華麗にぶわーっと炎を吐きまくる伝説の火狼になったに違いない!
大活躍間違いなしだね!
ニャトルの方は別段変わった様子はない。あいつはきっと失敗したな。フフン!
――――俺たちは宿屋の食事を軽ーく済ませて部屋に戻る。
「やっぱり食事は美味しいけど、飽きたわね。シロン、あんた何か料理考えてよ」
「それはいいですけど、まずは鑑定が先です! はよ、はよぉー!」
「わかったわ。いくよー! まずはニャトルちゃんから、鑑定!」
ニャトル
種族 ニャコン 種族形態 ニャケン
性別 雌
年齢 1歳
レベル 1
耐久 10/10
魔珠 30/30
体力 8
力 7
器用 6
速 15
習得技 行動経験、猫だまし、猫まっしぐら、ケンの尻尾
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「ニャトルちゃんは面白そうな種族になったね!」
「ニャケンて何ニャ? 剣士じゃないニャ?」
「なんだニャケンて! お前、ネタキャラに走ったな! 全体的に力以外下がってるじゃないか」
「ほ、本当だニャ。どうなってるニャ!? 素早く動く剣士じゃないニャ?」
「うーん。剣士って基本育つの遅いのよねぇ。ケンの尻尾とかいう技が増えてるわよ?」
「なんかわからない項目も増えたニャ。まぁいいニャ。きっとシロンより強いに違いないニャ」
「ばかめ。俺が望んだのは超グレイトなアレの力で世界を火の海にした後鎮火する力だ」
「ニャ!? そんな革新進化存在するニャか?」
「何言ってんのよ。あんたも尻尾しか変わってないじゃないの?」
「鑑定ッ うふふ、シロンちゃん可愛いよ! とっても!」
シロン
種族 ウルフィ 種族形態 ハンディウルファイヤ
性別 雄
年齢 1歳
レベル 1
耐久 18/18
魔珠 40/40
体力 8
力 12
器用 12
速 7
種族技 ワンハンド 燃える尻尾
習得技 異界召喚、行動経験、革新進化、纏いし炎、
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おーっとこれは! 魔珠が多いぞ! やったね!
ニャトルと比較しても明らかに役に立ちそうな技がある。これはあたり進化じゃないか?
うみみゃのおかげ……かもしれない。
「ふっふっふ。どうやら俺は人知を越えたようだ」
「あんた、人じゃないでしょ!」
「そうでした。しょぼーんでありますぅ。はふん」
「く……だがこのニャトル様はレベルアップでそれはもう強くなるニャ! 剣を振り回して
暴れるニャ!」
「剣、持ってないわよね?」
「ニャーーン。ご主人、買って欲しいニャ!」
「しかしなニャトルよ。剣士なら……どん! こっちにカエサルさんがいるぞ!」
「カエサルは剣士ではなく侍サ。居合が得意サ」
「さすがです! ニャトルと違って性格もいい!」
「見た目がちょっとあれなのよね……それでこれからどうするの?」
「うーん。お金が心もとないからお金を稼ごー! おー!」
ご主人の発言で俺たちは金策に走る事となった。
仲間も増えたし効率よく稼ぐぞ!