進化!? とってかわられたニャトル!
『エボルブイノベーション』
あれー、なんか覚えがある感覚だよー。そして真っ暗だ。
これはもしかして進化でぃわ!?
しかーしなぜだろう。嫌な予感がするぞ。
「ニャ」
「にゃ?」
「ニャ!」
「にゃー?」
「いい加減起きろ。まったく、シロンは寝坊助だ」
「普通の喋り方に戻った? おい何でお前がいる。ここは進化の儀式の場所だろ?」
「知らないニャ。きっとこのニャトルも進化するに違いないニャ。ふふん」
「前に言ってた進化神ってやつに怒られるんじゃないのか?」
「そ、そうだったニャ。きっとご立腹に違いないにゃ。ニャトルがいないと困るに違いないにゃ」
「ようこそ。私は進化の案内者。うみみゃでふみぃ」
「ふみぃ?」
「ふみぃー」
「おい、とってかわられてるぞ。しかもゆるキャラだ、ゆるキャラ」
「ニャーーン! あっという間に代替えされたニャ……へこむにゃ」
「あなたは前任者ニャトルでふみぃ? お勤めご苦労様でしたふみぃ」
「く……過去の者にされてるニャ。こいつあざとい奴に違いないニャ……」
「それで、俺たちがここにいるってことは進化だよね? ねぇ?」
「そうでふみぃ。通常進化ニャトルと、革新進化シロンでふみぃ」
「ど、どうなるニャ。自分がその役をやるはずだったのにどうなるニャ!? 魔王になるニャ?」
「お前俺にあの時諭してなかったか?」
「ギクリにゃ。そうだったかも知れないニャ。忘れたニャ」
「猫は相変わらず忘れっぽいな。どうすんだ、これ」
「ニャトルはこうなったら剣士になるニャ! 華麗に剣で戦ってみせるニャ!」
「おいばかお前、剣士って……」
「……深淵の神々による祝福により、汝新たなる姿を映し出さん。
我はうみみゃ。汝の想いを受け入れ、あらたな種族へ導かん。
進化でふみぃ」
「語尾が眠たくなるニャ……」
「え? えー? 剣士って進化でなるのー--? どうしよう。俺は革新進化のシロン。
ここは一つばっちり決めて……」
「時間ですふみぃ。……深淵の神々による祝福により、汝新たなる姿を映し出さん。
我はうみみゃ。汝の想いを受け入れ、革新的種族へ導かん。
革新進化にゃーー!」
「何にも想い描いてないー--! どうしよどうしよ火がないとパンが焼けないから火ぃー-----!」
ぱたりと意識が経たれる。どう考えても時間がない。今度ばっちり考えておかないと
意表をつかれすぎる。
これも全部ニャトルの説明不足のせいだ! しかしあいつはすぐ忘れる。
俺がしっかり記憶しておかないと。
ろんちゃん……。
うーん何か聞こえるけど聞こえない。
「ろんちゃん」
きーこえないー-。
「シロンちゃー---ん! シロンちゃんシロンちゃんシロンちゃー-ん!」
「わー-もう耳元で大きい声出しすぎですよ! 聞こえてまんがなー!」
「あ、起きた。それにニャトルも起きた。ねぇ、どうしよう。こいつらに伝えるべきかしら」
「ここがかっこよくなったじゃねーか。ハラペーニャ様はそう思うぞ」
「カエサルも進化してみたいサ。どうやったら進化できるサ?」
「俺とニャトル、どうなったんです? 気になるよー。鏡が欲しいよー」
「なんかくたびれたニャ。なぜだかわからないけどクタクタニャ」
「あれー、なんか俺も力が抜けるよー。なんでー-」
「そりゃ二人とも、進化したばかりだからでしょ。レベルも一に戻るし。しばらくはまた
レベル上げね。やれやれだわ」
どうやら無事進化が終わったらしい。さてさて、鑑定してほしーけど眠いよー。