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うーしーな料理を始めます

 みなさんこんにちは。本日ご用意した一品はマルッと肥えた牛! 

 さぁ注目ですよお客様。なんとこちらの牛! ダンジョンで生成された不思議牛。

 天然ものの不思議牛になります! 今日はこちらを一頭ご用意させて頂きました。

 本来二頭いたんですがうち一頭はなんと魔族が平らげてしまいました! 

 いやーよっぽど美味しかったんでしょうねー。既に魔族は横になりこちらを見ながらおやすみです。


 気になるお値段の前にまずは、この牛をよく見て参りましょう。

 色は黒! これは闘牛でしょうか。実にいい筋肉をしております。

 そして角! これはいい出汁がでそうですよお客様! 

 

 この牛一頭とさらに! 今ならなんと、無駄に喋る猫もどきまでついてくる! 

 これはお買い得、お買い得です! さらにさらに! 今日だけの特別サービス! 

 地雷なラ……「あんた、何やってんの? さっさと料理して先に進むわよ」

「せっかくの営業チャンスを邪魔しないでくださいよサルサさん」

「営業って誰によ一体……それよりほら、解体してくれたわよ、ニャトルが」

「え? こいつにそんな器用な事できるわけが」

「ニャーーッハッハッハ! 捌きのニャトルとは私の事ニャ! ほめたたえあがめるがいい」

「普通の喋り方に戻った? このくだり久しぶりだな。しかし綺麗に裁かれてる。

こいつは……もっとうすーくできるか、こう、反対側が透けて見えるように」

「そんなペラペラにしてどうする気ニャ?」

「ばっかお前、そりゃシャブシャブって言う伝統ある日本の食べ方にするにきまってるだろ? 

知らないのか?」

「シャブシャブ? うまいのか、それ」


 ハラペーニャが起き上がり、興味津々のようだったので説明すると、よだれを

垂らしてこっちを見てきた。

 喰われる! こわいよー。


「面白そうニャ。ちょっと待つニャ……ニャトル流ネコ斬り!」

「それどうやってナイフ持ってるんだ……肉球に引っ付いてるようにみえるぞ」

「ニャタタタタタタ! ニャター!」


 パラパラと薄く切れていく肉! こいつ、案外やるじゃないか。このままいくと地雷は俺か! 


「よ、よーし次はこの鍋に水を入れて沸します。十分沸騰したら……」

「したら……?」

「出でよ箸! そしてワンハンド! からの……肉をこう、しゃぶしゃぶとします」

「ギュルルルルルー」


 立派な腹の音が女性陣から聞こえた。そうだよね、何も食べてないもんね! 


 沸騰した湯にワンハンドで肉をささっととおしてみると……いい色になった。


「本来ならこれにタレを付けて食べるんですが、ないからそのまま頂きましょう……これは! 

うまー--い! 何枚でも食べれるやつー!」

「本当! 薄く切るだけでこんなに?」

「ハラペーニャ様も食っていいか?」

「いいですよ。どうせ食べきれないだろうし……っておいおいおいー-、ラフィーさんすげー

食べてる!?」

「おいひいれすぅ!」

「ラフィーは食欲旺盛なのよね……私の十倍は食べるわ」

「……食費、かさみそうだな……」

「やっぱり魚の方がいいにゃ……」

「これ、魚でもできるんだぜ? 種類によっては格別だ」

「お前、もしかしていろんな調理法知ってるのか?」

「ええ。前世の趣味が料理だったから。本職はパン屋ですけどね!」

「パン屋? ってのはよくわからないが、料理出来るならしばらくついてっていいか?」


 ハラペーニャが仲間になりたそうにこちらをみている! 

 しかし俺はリーダーじゃなかった……。


「残念ながら俺はご主人の召喚獣らしいので、それを決める権利はご主人にあります!」

「え、私? そーなの? ハラペーニャちゃんも一緒に冒険したいの?」

「冒険? ハラペーニャ様はうまいものをもっと食べたいだけだぞ」

「そのためには冒険が必要ってことでしょ。よかったじゃない、仲間ができて」

「これでサルサさんを含めて猫獣腹魔召パーティーは完成ですね!」

「え? あの、私は……」

「よーしさっさとこのダンジョンをクリアしちゃいましょう!」


 しかしこのダンジョン、どうやったら脱出できるんだろう。

 小休憩を終えた俺たち一行は再びダンジョンの先へと進むのだった。

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