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ダンジョンてなぁに? 

「うーん、頭が痛いです。ご主人ー」

「大丈夫? シロンちゃん。今日ダンジョン行くのよー?」

「これは二日酔いってやつです。調子にのってお酒なんて舐めるんじゃなかったよー」

「なっさけない奴ニャ。狼がお酒なんて飲めるわけないニャ」


 くそー、ニャトルは飲まなかったのか。あの雰囲気で飲まないなんて! 

 いや、こいつはそもそも魚に夢中だった。さすが猫。


「あのー、ダンジョンて何ですか? 俺の住んでた世界にそんなものありませんでしたけど」

「うーん、魔法の洞窟って言った方がいいのかな? 私も入った事ないから楽しみなの!」

「不安だ。ものすごく不安だ」

「きっと平気ニャ。サルサもついてくるニャ」

「それにもう一人来るのよね。楽しみー! どんな人かな?」

「俺たちのパーティに足りないもの。それは肉盾です。肉盾カモン!」


 せっかくの攻撃役がいても盾がいないと攻撃役が沈んでしまう。

 そう、うちのパーティは……召喚士、魔術士、召喚獣、雑兵猫。

 これは詰んでるね! うん! 


「何かこっちみてよからぬ事を考えてるに違いないニャ!」

「いやー、何かニャトルも魔法とか使えないのか?」

「い、今は使えないニャ。その気になれば使えるにきまってるニャ」

「ほほう。じゃあダンジョンではばっちり役に立ってもらうぞ!」

「さーシロンちゃん、ニャトルちゃん。行くわよー!」

「ご主人、朝食がまだです! サルサさんは?」

「魔術師ギルドに行って仕事受けてからくるって。私たちもギルドにいかないとね」

「はぁ、面倒だニャー。勝手に継続依頼でも受ければいいニャ」

「継続依頼? そんなのもあるの?」

「この娘、全然理解していないニャ!? ちゃんと説明してたニャ!」

「えへへ……今度から依頼はニャトルちゃんに任せるね」

「こいつ、以外と役に立つじゃないか。見直したぞニャトル。面倒ごとは全部頼む」

「えっへんニャ! ……おいまて今何て言った」


 気にせずご主人についていく俺。お腹空いたよー。

 ささっと食事を済ませて出ていく頃には、頭の痛みも取れた。よかったー。

 ギルドの前まで行くとサルサさんとは別に、もう一人……杖を持つ、腰まで髪が伸びた眼鏡娘が

立っていた。この子かな? 


「初めまして、ラフィーナって言います。みんなからはラフィーって言われてます。

どうぞよろしくお願いしますね」

「ここ、こちらこそ、よろしく! ルビニーラって言います! ルビーって呼んでね!」

「うふふっ。サルサの言ってた通り元気いっぱいですね」

「あのー、もしかしてお姉さんも魔術士なんじゃ」

「そうよ。言わなかったっけ?」

「つまり俺のパーティは獣猫魔魔召になるわけなんですが」

「略すとそうね」

「敵が突っ込んできたらどうするんですか!?」

「あんたが防ぐに決まってるでしょ。ほら、ギルドで仕事受けてきなさい」

「行ってくるにゃ……」

「あんたが行くんかーい! はぁ……まぁいいわ」

「ね、ねえサルサ。この子たち本当に喋ってるよ? どうなってるの? ホワイトウルフが

喋るなんて……」

「不思議よねー。もう慣れたわ。ラフィーもすぐ慣れるわよ」

「うう、どうすれば……このままだとゴブリンとかにタコ殴りにされるぞ……」

「大丈夫よわんちゃん。私は盾魔法使えるから」

「わんちゃんじゃありません! シロンと呼んでください! さっきの猫はニャトルです。

パーティに一人はいるお荷物役です」

「シロンさんにニャトルさんね。よろしくお願いしますね。うふふ」

「それで、どこのダンジョンにするか決めたのルビー?」

「うーん。ドラゴンがいるダンジョン?」

「あんたね。そんなのこの辺にあるわけないし、あったとしても全滅よ」

「とにかくレベルがあがりやすいとこ!」

「しょうがない。最近出来たっていう初心者向けダンジョンにいくわよ」

「ダンジョンて突然出来るんですか?」

「魔族が構築したりするのよね。突然出来る天然ダンジョンもあるけど、魔珠を使って創作された

ダンジョンもあるわよ。えーと、ラフィーもそれでいい?」

「ええ、私は平気よ」

「そうだ。ルビー、昨日の魔道具持ってきてる?」

「うん! これなんだけど、どうかな?」

「わぁ。綺麗ね。これなら金貨二枚でどうかな?」

「確かに買い取ってもらった後買えば、金貨三枚から四枚近くするわね。どう?」

「お金の事はよくわからないけど、サルサの友達だから勿論いいよ!」

「はい、じゃあこれ。どうもありがとう。ついて来てよかった」

「女子三人集まればさすがに華ですね……あ、ニャトルが戻って来た」

「ばっちり受けてきたニャ。ダンジョン絡みのアイテム入手ニャ」

「なになに……ゴブリンダガーとスライム粘液の収集……なんだこりゃ」

「ダンジョンのモンスターは、倒すとドロップアイテムがあるのよ。それに書いてある二つは

どちらもコモンアイテムね。モンスターによっては稀に落とすレアアイテムもあるの」

「おお! それはつまりトレハンですな! トレハンしたいよー!」

「よーし、それじゃ初心者ダンジョンとやらに行ってみよー! おー!」


 こうして俺たちは初心者ダンジョンへ出発した。

 前衛職がいない事をまた忘れていた。

 このまま向かって平気なんだろうか。不安だよー。

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