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ジルジラに遭遇

 ゴブリン退治を終えた俺たちは宝箱を探し回った。

 俺とニャトルは小さいので、狭いところも入り込んでいける。

 草原の中に小スペースの岩場があり、その岩場をぴょんと跳ねて降りた時、ぶちっと何かを踏んだ。


【シャキーン】

【シャキーン】


「えっ? 何かレベルが二つもあがりましたよ?」

「へ? 突然何がおきたわけ?」

「ズルニャ! こいつズルっこしたに違いないニャ!」

「あれ、あんたの足元のそれ。デンデンゴロールじゃないの! 初めて見たわ。

レアモンスターよ、それ。弱いのに沢山経験積んだことになるっていう」

「デンデンゴロール……でんでんむしみたいな名前だ……ラッキーってことですね! 

これも日ごろの行いがいいからだ! やったー!」

「ちっ、きっとこの辺に生息しているに違いないニャ! 手当たり次第にピョンピョンしてやるニャ!」


 ぷちっ

【シャキーン】

【シャキーン】


「あーーー! もう一匹いたのか! くそ、なんて意味の無い使い方を……お前がレベル上がっても

役に立たないだろー!」

「フッ、ばかめ。今ので戦闘ニャカが五十万はいったニャ」

「おまえ、こないだの俺を真似したな!」

「はいはい、それはいいから宝箱探して。ほら、そこの隙間とか」


 サルサさんに催促されたので、仕方なく穴の下の方をみる。確かに俺なら入っていけそうだ。

 小さいはジャスティス! ……よし、入れたぞー! ……すみません戻ります。


「あの、モンスターしかいませんでした。危険です」

「グラスロックか何かかしら。岩場はモンスターが集まりやすいのよね」

「あーーー! あったよ宝箱! ほら、そこの岩」

「え? どれよ」

「ほら、これ! これ宝箱でしょ!?」


 はい? どう見ても岩だけど。ご主人はド近眼なのだろうか。


「……本当だ。岩に擬態する宝箱だわ、これ」

「そんなのあるんですか!? ゲームでもなかなか見る事がないコンテンツですよ? ユーザー泣かせだ!」

「何言ってるのよあんた……しかもこの大きさなら持って帰れるわね。でかしたわ! ミミックでも

なさそうだし」

「ニャゴ!?」

「ん? どうしたニャトル。頭でもぶつけたか」

「うううう、上ニャ!」


 上空を見ると……こちらをデカイ何かが飛んでいた。何、あれ? 


「なんか、まずくないですかね。俺たち」

「うそーーーーー! ジルジラよ! 狙われたらひとたまりもないわ! 隠れて!」

「ご主人、こっちの岩陰に早く!」

「こ、腰が抜けて動けない……シロンちゃん、助けて」

「お、終わりニャ。あんなのに襲われたら終わりニャ……」


 まだよく見えないけど、とても大きい鳥? のようなやつだ。

 鳥ならそんなに目は良くないか……そうだ!


「出でよ、灰色の下に敷く大きいシート!」

 

 ポトリと大きいシートが一枚あらわれる。


「みんな、この中に隠れるんだ! その後石っぽく被せちゃえば!」

「わかった! ニャトルも早くこの中に入りなさい!」

「ニャニャ! 救世布ニャ!」

「ひー、怖いよーー」

「シッ、喋らないでください。音は聞き取るかも」


 石色のシートにくるまる四人。どうにかやりすごさないと。


「ギシュアアアアアアアアアアアア! グルオアアアアアア」

「……」

「グリイイイイイ!」

「ギシュアアアアアアアアアアアア!」

「……」


 外は静かになった。恐る恐る隙間からみると……ジルジラというモンスターは

いなくなっていた。あたりに食い散らかしたようなモンスターの跡がある。


「ひえー、やっぱり餌の時間だったんだわ。危なかったわね。

さっきあんたが岩の間にいたっていうモンスターを食べたんじゃないかな」

「このシート出すのに魔珠ほとんど使っちゃったよー。疲れました」

「あんなのと戦えるようになるのかニャー。戦える未来が見えないニャ」

「でも無事に宝箱は手に入ったし! 早速開けてみよー!」

「ところでその宝箱のカギって鍵穴合うものなんですか?」

「この世界の宝箱ってのは、神が気紛れで作って落とす物なのよ。鍵は種類が合えば

開錠できるけど、宝箱自体神が創造したモンスターだったりすることもあるわ」

「へぇ、面白いですね。まぁニャトルなんてのがいるくらいですから、本当に神もいるんでしょうけど」

「失礼な奴ニャ。所詮はオオカミだにゃー」

「おいおい、勇者だといったろう?」

「ニャ!? いつのまに勇者になったニャ!? タンスを開けてツボ破壊したニャか?」

「違うぞ、俺が使えるのはミナデ……」

「はいはい、いいから箱開けるわよー」


 いいところで詠唱を中断された。箱の中身の方が気になるよー。

 この世界の宝箱にはどんな物が入っているのかなー。

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