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第二回戦は魔法対決!?

 美味いパンを食べた俺は……眠くなりました! 

 食べたら眠くなるなんて当然じゃありませんか。

 なのにですよ? 次の試合がもう俺の番。

 対戦相手はツンツン頭の召喚士、オスです。

 見た感じからしてあいつは強敵。

 そんな雰囲気があります。

 派手な服は敵を挑発するものでしょうか。

 肝心の召喚獣は見当たりませんが、これはなかなかに苦戦しそう。


『まもなく第三回戦まで勝ち上がった選手の試合が始まります!』

 

 ……はいー。お腹いっぱい夢いっぱいの試合が始まるんです。

 どなたかパ〇シロン持ってませんかー? パ〇シロンでパンパンパンさせてくれませんかー!? 


「シロンちゃーん! 一撃で倒しちゃってねー!」

「ご主人、相手がどんな召喚獣かも分からないんですよ。油断禁物です!」

「あれは魔法使い寄りの召喚主よ。杖がなかなかの上物だわ。私の杖よりいいの使ってるからお金も持ってるわね」


 さすがはサルサ・アイ。なんならあの鑑定ウサギと交代して商売が出来そうなくらい目が肥えています。

 いらついてるのは本家本元の魔術師だからでしょう。

 そろそろサルサさんの装備はグレードアップした方がいいかもしれません。

 

『二回戦までとは異なり三回戦からは密着の司会を務めるこの、キャットマイルドの毒舌をお楽しみ下さい! 選手入場です!』


 ほうほう。二回戦までは試合が多いから雑多に紹介してたのかな。

 つまりここで目立てば一躍俺はヒーロー! 

 やってやりますよ! 


『まずは、会場中を賑わせたあの白い犬、シロンが再び登場だ! 二回戦では見事……ええっと、灼熱の炎を吐き対戦相手を皆殺しにして恐怖のどん底に叩き落しほくそ笑んでいた悪魔……おい、誰だこの資料作ったの! え? 黒百合さん? 困りますよ、全然違……ひっ!? えー、恐ろしい実力を秘めたシロン。そしてきらめく流星の如く登場した伝説の美貌を誇る幼女黒百合様の弟子にして、黒百合様より少しは劣るがその次くらいに可愛いルビニーラ選手の登場だ!』


 ……なんていうか、酷い紹介です。

 ただの美少女でいいではありませんか。

 今のだと黒百合様の紹介ですよね!? 

 そもそも黒百合様は外見だけ幼女ですが中身は……ひっ!? 

 殺気を感じたのできょろきょろするのは止めることにします。

 

『対するは一回戦、二回戦共に石化させてみせたオーバーライド、コッカトリス使いのストーンが再び登場だ! これは楽しみな対決となります! 彼はコッカトリスの石化攻撃に加え自らの魔法を駆使して戦うバリバリの武闘派だぁー!』

「ちょっと待って聞いてない。聞いてないよ聞いてない。ココ、コッカトリス?」

「さぁ行くよシロンちゃん!」

「いーやーー! 今回はあんただけ行ってきてよね、いーやー!」

「っていってもお前、ご主人の笑顔に逆らえるっていうのか?」

「いーやー!」


 べべ、別に怖くなんてないやい。

 俺だって石化出来るもん。いざとなったら石にされる前に石になればいいもん。

 問題ないもん。

 それにしても対戦相手の助手は、子供にしか見えません。

 黒百合様をロリッ娘とするならあっちはガチもんの幼女。

 小学校一年生に見えます。ランドセルが似合いそう。


『両者の助手は未だにそのベールを脱いでおりません! さて、ルールなので一度封印に戻して下さいね。ルビー選手。それでは、召喚呼び出しをお願いします!』


 俺を一度封印に戻すと、その中でグースカ寝てるニャトルがいたので尻尾を踏みつけてやりました。

 ……このやろー! こっちが頑張って戦うってのにグースカピーしやがって。

 俺も寝たい。正直寝たい。


「尻尾踏むニャ! フシャー! もう出番ニャ?」

「おう行ってこいニャト……」


 ……無駄でした。直ぐ呼び出されたよ。

 そうなりますよね。


「コッキー。あいつは強い。気を付けて戦うぞ」

「コケーー!」

「ご主人、どうしましょう」

「シロンちゃん、頑張ってね! 大丈夫、私とサルサが外から援護するから!」

「あの杖、へし折ってやろうかしらねぇ……ふふふふ」


 怖いー! 敵も味方もどっちも怖いよ! 

 コッカトリスはニワトリと蛇が半分こみたいなヘンテコな奴です。

 顔の部分はまんまニワトリで、ハトのような目にトサカ、首をヒョコヒョコ動かしてラップを取るようなリズムをしてやがります。

 蛇の方はというと、相手側のご主人の話を聞いているような動きです。


『それでは……召喚バトル、開始!』

「いけ、石化の爪で石化にしてしまえ!」


 杖を片手に持ち、もう片方の手で指示を出すストーン。

 蛇の方がそれを聞いて体を動かします。


「ふん。うちのシロンは指示出しなんかしなくてもちゃんと動くのよね。助手の格の違いを見せて上げるわ……燃え盛る大気の熱よ。追随する炎となり彼の者を翻弄せよ! フレイムホーミング!」

「うん! 合わせるよ、サルサ! 空を漂う空気よ。万物ありてその勢いを増せ、ウインドオーグメント!」


 これは! ご主人とサルサさんのいきなりの連携!? 

 開幕奇襲であちらさんもハトが豆鉄砲食らった顔してやがります。いいぞー! 

 そして俺も畳みかける! 秒で終わらせてやんよ! 



「……ちょっと。秒で終わらせてから次に行きなさいよ」

「えへへ。一話目はここまでなんですよ。パ〇シロンがね。シロンが手を叩いてパ〇シロンみたいなだけにですね」

「それやってるから終わらないんでしょうがっ!」

「何を言ってるんですか。胃腸薬は大事。戦う前に飲む!」

「ニャトルにやらせればよかったんじゃないの? 今回の試合、あんたより相性がいいわよ?」

「え? ダメ猫がですか?」

「ええ。だってニャトルの方が素早いでしょ?」

「それがですね、悲しいお知らせが。あいつは進化を間違えて俺より遅い猫になりつつあります」

「……犬より遅い猫って、それもう猫じゃないわよね」

「なんなら食っちゃ寝で太ってきました」

「少し黒百合様に特訓してもらう方がいいわよね。私たちみたいに」

「ええそうですね。そうしてやりましょう……クックック」

「うふふふ……地獄の日々がよみがえるようだわ!」


 邪悪な笑いで続きます! 

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