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昼下がりの休憩なのです!?

 無事初戦を終えた俺はお昼休憩の時間です。

 食べ物なんかはピザミャンにしまってあるので、それを出してもらいます。

 ふっふっふ。当然食べるのはパン。

 ふっくら焼きたてパンを無理やりピザミャンに詰め込むと、熱がりながらも無事収容出来ます。

 

「おいピザミャン。飯の時間だ」

「仕方ないミャン。好きなもの選ぶミャン。本が大量に売れたから奮発してやっていいミャン」


 ついにピザミャンのアイテムブック初公開ですよ! 

 え? 期待している物語と違う? それは売れた本の話でしょうか。

 一覧を見ると……。


 ほかほかふっくらパン、一ピザポイント。

 ぷっくりバターロールパン、一ピザポイント。

 棚からボタモチ入りパン、二ピザポイント。

 香るホットドッグワンだフル、二ピザポイント。

 グルグルチキニャトサンド、三ピザポイント。


 ……こんな感じで本に記載されています。

 この一ピザミャンというのはですね。

 俺がピザミャンに協力すると増えるんです。

 現在所持しているピザポイントは五百はあります。

 じゃあアベニャンならアベポイント、アベポか? というと違います。

 ピザポイントで共通です。面倒ですからアベニャンを屈服させたわけではありません。

 ピザミャンの本に書かれてるその文字を選択すると、ポンッとピザミャンからパンが飛び出してきます! 

 取り出したのはぷっくりバターロールパン。

 作ったのは俺です。しまっておくのにポイントが必要なのか? ですって。

 はい、お金じゃなくてポイント制なんです。

 ですが重たいものでも腐るものでもちゃんと保存出来る便利なヤツです。

 現地でお金を出して買えばいい? 

 それは、そう。

 どちらかというと長期冒険向き能力ですね。

 でも、長期冒険に濡れたらおしまいのコイツらはあまり向かない気もします。

 湿気にも日焼けにも弱い! なんなら急な雨で中身ロストだよ! 

 弁償も保証もありませんがポイントは残ります。


「なんか食べながら笑われている気がするミャン」

「ムグムグ……そんなことないワン。ところでアベニャンはどうしたんだ?」

「会場でずっと本売ってるミャン。死ぬほど売れてるミャン。死んでるーわーが大好評ミャン」

「あれは婦女子ウケする作品だからなー。召喚獣バトルオリンピアってなんで女子が多いんですかサルサさん?」

「ムグムグ……それはほら。あのカインドってやつのせいよ。どこがいいのか全然分からないわー」

「う? でもカインドさんってすっごくお金持ちなんでしょ?」

「あら。お金持ってる人と結婚してもお金は手に入らないのよ」

「そうなんですか? ご本人のお金を自由に使えるんじゃ?」

「まさか。お金持ちってお金使わないからお金持ちなのよ? お金持ちと結婚したら自分のまで貯蓄に回されるわよ」

「はっ!? そんな落とし穴が……恐るべし」

「将来安泰って言ってもお金を使うのに神経質になったり、他人の眼の色伺いながら自分のお金使うのなんてまっぴらごめんよ」

「ううむ。深い……」

「それならサルサはどんな人がいいと思うの?」


 ご主人がきらきらした目でサルサさんを見ています。

 いえ、サルサさんは結婚などしたくない派にしか見えないのですが。


「そうね。お金になりそうな面白アイデアを降らせてくれたり、無償でお金になるものを提供してくれたり、代わりに働いてその成果を私が手に入れられたり……?」

「……シロンちゃんは上げないんだから!」

「おいこらご主人。なぜ俺とそのワードをイコールで結びつけた?」

「どう考えてもシロンのことだミャン。このアイデア本だってシロンの成果ミャン」

「俺はただ前世の本を読みたいだけだぞ。アベニャンにちゃんとしまってあって寝る前に読むんだい!」


 そうなんです。俺は記憶を引っ張り出してただ本を読みたいがために製作に手を貸していたんです。

 売上とかは割とどうでもいいんです。

 だって俺、ウルフィですもの。

 お金なんてあっても、既にパンも作れるし食べれるし? 

 寝心地のいい世界もあるし? 

 お金なんて、あっても使えないし? 

 前世の欲求とは人だったからなんですね。

 はぁ、お金欲しい……なんてのは、ウルフィには無縁のことでした。

 

「そうね。シロンくらいなら楽でいいのかも。普通の男なんて私には荷が重いわぁ……そういうルビーはどうなの?」

「う? 私はね。シロンちゃんとニャトルちゃんと結婚するんだ!」

「あーはいはい。聞いた私がバカだったわ……」

「本当にそう思っているミャン。サンブック王も呆れていたミャン」


 そんな会話をしながらも、ハグハグとパンを食べ終えました。

 最高でした! 自分で作ったのですが神パンですよ、神パン! 

 

「そういえばあんたの次の対戦相手ってさ。あの男じゃない?」

「どど、どいつですか? ガルルルー」

「牙見せてるシロンちゃんもかわゆい……」


 サルサさんの指し示す方向を見ると、そこにはツンツン頭の若い男がおりました。

 目つきが鋭い。服装も派手です。

 ですがプレーリードッグのようにこちらをにらんでるわけではありません。

 召喚獣も近くには見当たらないです。

 召喚獣を放出したままなのはご主人だけです。

 本来なら維持するのも大変らしいんですが、ご主人は皆目、これっぽっちも大変じゃありません。

 むしろしまっていると悲しい顔をしているらしいです。

 そうだよね俺が賑やか担当だもの! 

 さてさて二回戦は目前。一体どうなることやら。



「ちょっと! なんでパンなんか食べてるのよ! 二試合目! 魔法対決! 召喚獣すら出ていーなーいー!」

「うぐぇふっ!? くく、首がしまるぅー」

「はーやーくーつーづーきー!」

「無茶ですぅ! 今我が主本編が大変なボリュームのところらしいんですぅ!」

「そーれーはー違う話でしょー! はぁ……もういいわよ。せっかく出番があると思ったのに」

「やだなーあったじゃないですか。サルサさんの好みのキーワードがね!」

「それ、私じゃなくてお金の話じゃない?」

「お金はサルサさんのキーポイントじゃありませんか!」

「上手くないのよ! はぁ。ようやく魔法をぶっ放してやろうと思ったのにぃ……」

「ほうほう、どんな魔法なんですか?」

「それ、絶対引っ張るわよ」


 ご名答! また来週ー! 

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