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連携攻撃をかましてやるのです! 

 プレリンとかいう犬もどきと対峙しているシロンですが、相手側助手の打ち上げた炎により外気温が上昇。

 しかしこれは俺やホノミィにとって効果がありません。

 逆に奴は暑さに弱いようで、ちょっとふらつ居てやがります。

 今は奴と密着状態。

 ここはまず、距離を離します! 


「ちょっとー! プレリンちゃん、なんで火を消しちゃうのー!」

「お前も苦労してんだな……」

「ウギャアオウウーー……」


 若干寂しそうな目で逃げ……離れたこっちを見ます。

 うむ、喋れないだろうが言ってる意味は分かる。

 そうなんだよ聞いてくれよボブ。うちのマイスウィートはいっつもツンデレ。困っちゃうぜハッハッハー! だ。なんてアメリカンな奴でしょう。

 いえ、この世界にアメリカンなんて無いんですけどね。

 適当に考えました。


「ほらーシローン。さっさと倒せ―」

「少しは手伝って下さいよ! おいお前! これ以上争うなら俺も本気だかんな! いいんだな!」

「ウギャアオーーウ!」


 再び素早い爪攻撃です。単調なやつめ! そう思っていたら……ヤツの振るった爪先から水の刃物のようなものが出てやがるんです! 

 何それ、やだそれ。聞いてない。危ないから止めよ? 水は止めよ? 


「いーやー! 水の攻撃はいーやー!」

「また魔珠を消費するが、仕方ない! 水にはこれだ! 出でよタライ!」


 タライを盾にして水避けに! と思ったらタライは高いとこから降ってきました。

 そうですよねタライだもんね。ネタの鉄板だよね! 

 スコーン、カンカンカンカラーンピシャンとこれまた定番の音を響かせながら、プレリンの頭の上に落ちたタライ。

 周囲は静まり返ります。

 い、ま、だ! 


「能力出血! ……かーらーのー! 放出血液燃焼!」

「シュボッ! ホノミィちゃんの、えーい!」

「名前違うって言ってんだろ!  煉獄間寛平目のトメさんだ!」

「いーやー! あんたも全然違うし、いーやーー!」


 説明しよう! この技は俺の新技、出血! で赤色模様から血をちょっぴり放出して、その血液を燃焼させる技に加え、その炎をホノミィが操って相手へ飛ばす連携技! その名も煉獄火羽火炎(れんごくひばねかえん)飛ばせホノミィ、トドメだ! です! 


「さぁいけ! 煉獄間寛平目のトメさん!」

「ウギャアオーー!?」


 俺のタライを食らっていた奴は水爪でその炎を消そうとしてやがります。

 し、か、し! ここが注目。これ、燃えてるけど血液なんですよね。

 そしてその炎を操るのがホノミィなんです。こいつの能力はなんと! 炎を自在に操るんですよ。

 近くのだけだけど。遠いのはダメです。デカすぎる炎もダメです。

 だからちょうどいいんですね。つまり……「わたし、トメさんじゃない、いーやー!」

 血液炎は上下左右理不尽な動きをして、プレリンを場外へと追い払ってやりました。

 こいつ……弱点が炎だったんじゃ? あの助手さん炎使ってたけど失敗なんじゃありませんか? 


「場外! 勝者、ルビニーラ選手の召喚獣、シロンですー!」

「はいはーい。お疲れ様ー。ていうかあんたね! なんなのあの技名!」


 棒読みからのご立腹突っ込みサルサさん。

 そんなサルサさんは特に何もしていません。

 なんならご主人の方は微笑みながら見ていただけです。


「煉獄火羽火炎飛ばせホノミィ、トドメだ! がですか?」

「何言ってんのよ。間寛平がトメさんとか言ってたじゃない!」

「あれ? 俺は確か……」

「シロンちゃーん! やったね! えへへ……レベル上がらなかった?」

「ご主人。どうも相手側のプレーリードッグとかいうやつは本調子じゃないというか助手と相性が悪そうというかですね」

「もしかしてあんたとルビーがうらやましくてにらんでたんじゃないの?」


 そういえばそんな気もします。

 俺はご主人に愛されているようですが、あいつは……いえ、心配しても仕方がありません。

 今はただ……「ちょっとプレりん! なんで逃げたの? あんな炎くらいどうにか出来たでしょ!」

「ウギャアオーー……」

「私の出した炎も消しちゃったし。あれ我慢してたら倒せてたよきっと」

「ウギャアオーー……」


 何やら不穏な雰囲気ですが、その発言は許せん! 


「おいそっちのご主人。言わせてもらうけど、こいつは炎が苦手みたいだったぞ。あんたたちがこいつの補助をせず邪魔をしてたから楽に勝てたんだ」

「……やっぱしゃべってるわね、あの犬」

「うん。変だよね」

「変って言うな! ちょっと可愛いからって自分の召喚獣をいじめて、そんなんでこいつがまともに戦ってるのが可哀そうじゃないか!」

「な、なによ犬の癖に偉そうに」


 なんか腹立ってきたぞー。こいつは酷い扱い受けてたのに一生懸命戦ってたじゃないかー。


「ねぎらいの一つくらいかけてやるべきだ! こいつだって生きてるんだろ!」

「召喚獣はご主人様の言うことを聞いて当たり前でしょ。ばっかじゃないの……い!?」


 思い切り平手打ちをされた対戦相手の召喚主と助手。

 やったのはご主人。それにサルサさんです。


「違うよ! 違う! 召喚獣は家族! シロンちゃんもニャトルちゃんも私の家族! その子だって、あなたを思って戦ってくれてる家族じゃない! どうして家族をいじめるの? どうして家族に酷いこと言えるの? この子が可哀そう!」

「あんたが使った魔術。仲間の召喚獣ごと攻撃しようとしてたわよね。もし攻撃が当たってたら、あんたとそっちの召喚主は、召喚獣虐待でギルドから勧告を受けるわよ」

「ウギャアオーー!」


 俺たちが召喚主と助手を責め立てていると、間に入ろうとするプレーリードッグのプレりん。

 こいつはもう俺をにらんではいません。


「……そっか。うん、分かったよ。行こ? シロンちゃん」

「あ、はい。じゃあなお前」

「ウギャアオーー……」

「勝負は時の運だ。お前の水爪攻撃だって怖かったぜ。だがしかし! シロンは負けないのです!」

「ねえプレりん。炎、怖かったの?」

「ギャアオー……」

「そっか。あの人……ルビーさんって言うんだよね。そっかぁ……そっかーぁ……えへへへ……」


 ご主人に叩かれた頬を撫でて不気味な笑みをこぼしている対戦相手、マードラ選手。

 怖い……あの目と顔が怖い!



「一回戦目お疲れさまー」

「結局サルサさんは何してたんですか?」

「んー? 次の対戦相手を確認してたのよ」

「ほう。敵情視察ってやつですか。どんなやつですか?」

「そうね。一言でいうなら魔法戦ね」

「魔法線ですと!? もも、もう一話はるんですよね」

「あるわね。あ、でもね」

「はいつづくよ! 次次ー!」

「ちょっと最後まで聞きなさいよー!」


 ……次ぃ!? え、ちょっとあの。困ります! 

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