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シロンとニャトルのステータスは驚きの能力でした

 ご主人は宿屋に到着すると、早速俺とニャトルのステータスを確認してくれました。

 ニャトルにいたっては進化後にステータス確認がされていないなどという事態でした。

 所詮はわき役なのです。それでは、ごろうじろー。


 シロン

 種族 ウルフィ 種族形態 ブリードハンディウルファイヤ

 性別 雄

 年齢 3歳

 レベル 29

 耐久 219/219

 魔珠  1052/1052

 体力  130

 力   52

 器用  225

 速   330

 種族技 ワンハンド 燃える尻尾 血放出

 習得技 異界召喚、行動経験、革新進化、纏いし炎、吸血、出血、放出血液燃焼、????、????

 習得魔法 グレートマジックストーン

 契約精霊 火炎妖精ホノミィ


 ニャトル(自称ニャース卿)

 種族 ニャコン 種族形態 吸うはぁニャケン

 性別 雌

 年齢 3歳

 レベル 29

 耐久 528/528

 魔珠  333/333

 体力  110

 力   324

 器用  150

 速   220

 種族技 吸うはぁして浮く、無呼吸時気配しゃ断

 習得技 行動経験、猫だまし、猫まっしぐら、ケンの尻尾、ケンの尻尾ラッシュ、仮面で豹変、????、????

 

 久しぶりのステータスにびっくらしています。

 何せ俺の魔珠は千を越えたんです。

 今ならツルリンやナムチャだって召喚できそうです。

 いえ、どちらも死亡フラグでした。

 それにしてもニャトルのやつは、猫の特性を活かせていません。

 俺の方が素早いもんね! 本来猫って素早い職業に特化すべきなのに。

 奴は道を間違えたに違いない……次はどんな進化をするつもりなのか。

 ちなみに装備はステータスに反映されていません。

 ゆえに装備についてはまだ内緒なんですね。この引っ張り上手め! 

 俺のステータスを見て満足そうにうなずくご主人。

 

「うんうん。シロンちゃんも、もうドラゴンと一騎打ち出来そうだね」

「どうしたらそういった発想になるのでしょうか?」

「う? だってドラゴンはシロンちゃんの三倍くらいのステータスでしょ?」

「それなら三倍強くなってやっと対等ですよね?」

「ううん。だってニャトルちゃんとシロンちゃんが一緒に戦えば、二倍の戦力だよ?」

「二倍でも足りてませんよね? ていうか、掛け算じゃなくて割り算ですよ?」

「無駄ニャ。ご主人は惨殺されるニャトルたちをみて絶叫したいだけニャ……」


 ふうと二匹でため息をつきます。

 おかしいな、いつも真っ先に突っ込むサルサさんが……寝てる!? 


「あれ、サルサさんどうしたんですか?」

「すぅ……すぅ……」

「サルサ、あの城であまりよく眠れなかったみたい。黒先生がいない今ならゆっくり眠れるんじゃないかなぁ?」

「だいたいパシらされてましたもんね。お陰で移動魔法を習得できたみたいですけど」


 サルサさんはそれはもう厳しい魔法修行をしていました。

 実は魔術の才能があるんです。ですがサルサさんはマイペースキャラ。

 自分のペースでまったりと魔法を取得しようとしていたんですね。

 そこに目を付けたのがちーとの黒百合様ですよ。

 こいつは才能があると見込まれてしまい、ビシバシと特訓をされたんですね。

 黒百合様は磨けば光る原石が大好きなんです。

 サルサさんの強さに関してはおいておき、俺たちはバトルオリンピアに登録をしに向かわねばなりません。

 不本意ですが、登録せねば黒百合様に吊るされるでしょう。ああ、ハングドマン! 

 逃げ出したい現状をこらえつつ、留守番を不安材料であるピザミャン、アベニャンに任せます。


「行ってくるといいミャン。それよりここの名物は何ミャン? ピザミャン?」

「外は日焼けするニャン。ここで本を販売するよう言われてるニャン。夜に売るニャン」

「夜に本売るって怪しいやつだぞ。どんな本売るっていうんだい? このシロンにちょーっと見せてみなさい。んー?」


 このピザミャンとアベニャンという奴らはですね。

 実は一つ、とても便利な機能があるんですよ、

 それは……アイテムボックス! いえ名称が違います。アイテムブック! 

 俺が持ってる三つしか入らないやつとは違うんです。

 まず、こいつらが本であることは言うまでもないのですが。

 いえ、言う必要は再度ありました。

 その本の中にですよ? アイテムとして登録できちゃうんですね。

 収納したものは頁の文字のようにちゃんと表示されます。

 ピザミャンには食べ物類が保存できます。

 アベニャンは食べ物以外大体保存できます。

 無論入らないものがあります。

 まずアベニャンは食べ物をしまえません。

 ピザミャンは食べ物もしまえますが、水分を多量に含むものはダメです。

 本だから濡れちゃうもんね仕方ないよね。

 それと焼けるようなものや太陽そのものなんかも入りませんね。

 さらに生命体もダメです。本の世界に避難するなんて出来ないんです。残念。

 食べ物だって生物じゃないかですって? いえ、死んでれば平気のようです。

 なにせ生物は基本液体を含んでますからね。

 しかしこれは便利! 俺にも欲しい機能です。

 でも、こんな奴に早変わりする進化は嫌です。

 だって、本ですもの。俺は本を読みたいと思うけどなりたいわけじゃない。

 ピザミャンの方がイマイチ使えなそうだ。ですって? 

 そうでもありません。何せこいつには小麦粉や酵母などを収納できます。

 調理道具もピザミャンには入ります。

 俺としては断然ピザミャン推しです。

 いえ、推してるというかですね、可愛さは断然俺の勝ち。

 いいから早く登録しに行かないのか、ですって? 

 ええ、ご主人が着替え中のつなぎでした。


「シロンちゃん? どこ向いてるの?」

「いえー。大きな鏡があったのでつい、バトルオリンピアに向けて考えごとしてました」

「わー、本当に大きい鏡。ねえねえどう? この洋服可愛い?」


 ご主人は衣装チェンジしました。

 黒百合様の弟子となったからにはと、裁縫で自分の服を黒百合様コスっぽくアレンジしてたんですよ。

 つまり今のご主人は、黒い百合の詩集をあしらったワンピースに赤色が映えるリボンをつけています。

 元々ご主人はお目目ぱっちり元気な娘っ子です。

 いい感じに田舎臭さが出ていたのは抜けて、少し召喚士っぽく見えるようになりました。

 

「ご主人は黒の方が似合うんですね。知りませんでしたよ」

「えへへ。シロンちゃんが白いから、こうするとね……じゃーん!」

「うわ。俺が目立つぅーー!」

「ニャトルちゃんも白いし、ほら、二人とも持ち上げるとよーく目立つでしょ? えへへ」

「ニャガ。ニャトルは何もしなくても目立つニャ! スーパーニャトルニャ!」

「お前は吸うはぁニャトルだろ……さて、それじゃ行きますか」


 外に出ると魔法がバンバン打ちあがっている場所がありました。

 まるで花火のようですが、間違いなく魔法です。

 周囲には出店まで出てやがります。完全な祭り気分ですね。

 ――バトルオリンピアとでっかく書かれた看板をくぐると、人々が集まり大賑わいです。

 大会は今日ではありませんが、前夜祭が催されるらしいのです。


「えっとぉ。受け付けはどっちかなー?」

「こういうときサルサさんがいれば直ぐに見つかるんですけどね」

「サルサばっかり頼ってたら、また置いてかれちゃうもん! きっとあっちだ!」


 そう言って俺とニャトルをかついだまま受付ではないと思われる方へ突撃するご主人。

 ちょっと待ってとすら言わせてくれません。

 そして誰かに思い切りぶつかるご主人。

 そんなベタなーー! 


「おっと。大丈夫ですかお嬢さん」

「ひゃう!? ご免なさい、急いでて……」


 すっと手を差し伸べる誰か。

 これは王子様? ……ではありません。

 爬虫類でした。




「ねぇシロン」

「はいあとがきのお時間です」

「私の出番、すぅ、すぅだけなんだけど?」

「睡眠の姿をばっちり読者に想像させるなんて、やりますねサルサさん! いよっ。この、ファンサービス上手!」

「まぁ私のファンが多いのは分かるけど? ……そうじゃないでしょ! なんで私寝てるのよ!」

「それはもう、黒百合様がこき使うからです。どうせならサルサさんのステータスまで書き上げたかったと作者が言ってます」

「え? それはちょっとダメよ。私の秘密を暴露するなんて。何考えてるのかしら」

「何も考えてないに一票」

「同感だわ。驚くほどすらすら書く割に頭の中は空なのよ、きっと」

「出番が無かったからものすごい毒吐いてる……」

「いーい? もう一話よ。そこで私の出番が無かったら……燃やしてあげるんだから!」

「次ってバトルオリンピアの受付だから出番無いような……でもワンちゃんあるでー。犬だけにな!」


 おあとがよろしいようで。

 続くよ! 

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