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そして新たな伝説の幕開け!?

「わしの負けじゃ。お主と召喚獣の連携、見事であった」

「あのー。黒百合様、全然召喚獣と仲良くなかったですよね?」

「そもそもじゃが、お主のように喋れる召喚獣なんぞ存在が極めて限られておるのじゃ。じゃからこそ勝ってお主をもらいうけようと思ったんじゃがのう」

「シロンちゃんは絶対あげないよ! シロンちゃんもニャトルちゃんも私の宝物だもん!」


 嬉しいことを言ってくれるご主人ですが、現在、ゴーレムと一緒にチョロQで遊んでらっしゃいます。

 あのー、このゴーレムさんは誰のですか? 落とし物ですか? 


「しかしじゃ。お主が未熟であることは間違いないようじゃの。せっかくの喋る召喚獣もあまり成長しておらんようじゃ。学校もいいがのう。わしの下で修行した方がいいかもしれん」

「あれ? でもご主人ってクラマさんに教わる予定じゃ?」

「クラマ? ほう、あの鼻ったれに教えを乞うておったのかのう。元気にしとるか?」

「え? クラマさんをご存知で? 辺境伯のお父上なのでは?」

「うむ。そうじゃのう。あやつがこーんなに小さい頃から知っておるわ」


 ええっと、そうすると相当なババ……いや、殺し系の方に失礼があってはいけません。

 ここは素直に可愛いを連呼しておきましょう。


「そんな可愛い黒百合様は一体何者なんですか?」

「はうっ! 犬の癖に世辞を言われてなんでこんなにドキドキするんじゃ、わし……うむ、わしは占い師、チートでしられる大魔術師であり、召喚学会にもちーちゃんと書かれる程の……」

 と、黒百合様が言いかけていたところで、いつの間にか俺の背後にいたサルサさんが大声を上げる。


「あーーー! 思い出したわ! あんた、魔術総学会の建物を全て破壊して追放された血の破壊神って言われてたやつ!」

「ちょっと失礼なことを言いよったからお仕置きしてやっただけじゃ。じゃというのにちーちゃんを血の破壊者なんて呼び寄ってからに。ちっとも可愛くないわ!」

「やっぱ、殺し系、コワイデス……」

「そんな危険人物が、何で占いなんてやってるのよ」

「お主の言う通り、破壊し過ぎてのう。姿を変えて、引きこもっておったんじゃ。うふっ」

「そもそも本名を明かして無いのは各地で殺し系活動をしてたからですね?」

「何を言うておる。わしはちーっとも悪いことなんぞしておらんぞ。わしを怒らせる失礼な奴らが悪いんじゃ」

「ねぇねぇ。それで黒百合さんはこれからどうするんですか?」

「んーむ。わしは未熟な召喚者で見込みがありそうなものを育てるのが好きでのう。ちょいとクラマの下へ向かい、お主の育成役を変わってもらおう。そうじゃのう……他に連れて行くのは……お主かのう」

「私、用事を思い出しちゃったの。ちょっと出かけてくるわね」


 がしっとサルサさんの肩をつかむ。

 怖いオーラを感じ取ったのでしょう。

 サルサさんは若干下をうつむきブツブツと青い顔で何かをつぶやいています。


 つまり、どういうことですか? 俺たち旅に出るってこと? 


「よいかー。逃げるでないぞー。お主からは何か必要性を感じるんじゃ。逃げたらどうなるか分かるよな、おい」

「わわ、私なんて存在しても雑草より役に立たないしなんだったらがめつくて足を引っ張るしそうなったらあなた様の大事な旅費が無くなるかもしれないし私なんて私なんて」

「それじゃ少し待っておれ」

「うーん。私、もう少しこの学園で勉強したかったなぁ」

「俺、ローノ先生に結局装備作ってもらったの、装備出来ないままなんですけど? 重いから三つだけ詰めてありますが」

「そうよそれだわ! それを理由に引き延ばして、ちゃんと装備が完成したときには私はいない!」


 などと俺とご主人、サルサさんの三人で顔を合わせて話し合いをしていると、黒百合様がお戻りになられました。

 ただ戻って来たわけじゃありません。

 片手にローノさん。

 片手に隠れていたダメネコを連れています。


「よし、これで全部じゃ」

「ニャガ? 一体何するニャ? ニャトルは疲れてたから休んでたニャ!」

「ふうむこの猫も面白いのう。この仮面は一体なんじゃ?」

「……どうした」

「この状況で……どうした。だけですかローノ先生!?」

「どうにも他の奴が来そうじゃな。よーし、早速……」


 黒百合様はどこから引っ張り出したか分からない場所から黒光りする邪悪そうな杖を出して、地面に何かを刻ませていきます。

 そう、黒い杖が勝手に動いてるんです。

 だって黒百合様、両手ふさがってますもん! 

 そして……「闇の導き今ここに。我が印となりみなを運べ。ロードマホリターン!」

「え、うそ、何……」

「私なんて役に立たないしいても仕方ないので見逃して下さいお願いお願いやっぱだめだわーーー! せめて荷物だけで……」

「いーやーー! 吸い込まれる、いーやーー!」

「新しい冒険の始まりだね、シロンちゃん!」

「こんなときまでウキウキのご主人! ちょ、シロンと愉快な仲間たち、すみま……」


 バシュンっと俺たちは何かに飲み込まれました。

 そして気付いたら……全然見慣れない風景……山と奇天烈な城がある場所にいました。

 これからどーなるの? 



「……ちょっとーー! どうすんのよどうなんのよどうしてくれんのよーー!」

「ぐええーー、俺の首を絞めないで落ち着いて下さい……」

「私の荷物、ほとんど宿屋よ? 賭けに勝ったお金は? どうするの? 洋服は? ねえ、ねえ!」

「ぐえーー。だから首を絞めないで……胴体もだめです!」

「ああー、もう。まさかあの、血の破壊者だなんて……名前も顔も分からないから仕方なかったけど。あの魔法は絶対そうだってすぐに気付いて逃げるべきだったわ……」

「そんなにやばい人なんですか? 黒百合様は」

「それはそうよ。世界の大陸五本指。血の殺戮者。狂暴、理不尽、我儘なんて噂が耐えないの」

「ふむぅ。どれも該当しそうですが、噂かぁ。結構ちょろそうですよ?」

「本当? シロン、つまりあんたは手なずけられるのね? やれるわね?」

「うーん。五分五分のゴブリン!」

「この際五分でもゴブリンでもいいわ。あんたに掛かってるんだからね! 頼んだわよ!」

「しかし俺たちをどうするつもりなんでしょうね……」

「分からないわ。そもそもルビーが一人前の召喚士になればいいのよね?」

「えっと。俺はパンを作りたいだけなんですけど」

「……その願いはもう叶ったじゃない」

「はっ!? つまりこの物語は終わ……」

「それはダメ。私が大金を手に入れるまではダメ」

「……サルサ金持ち物語にタイトル変えようかなぁ……」


 それは無いですよシロンさん! 本物語の主人公はYOU! 

 この物語に章はありませんが、新章気分で……また来週!

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