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カッパーラビット

 ギルドを出てご主人にずりずりと引っ張られながら

サルサさんのおすすめ宿屋に着いた。


 看板にはミントの宿とかかれている。

 中に入るとご年配のおば様がいらっしゃった。


「いらっしゃい。あらサルサちゃんじゃない。お友達連れてきてくれたの? 

サービスするわよ」

「そうなのよ。幼馴染の腐れ縁。私はいいから、今日召喚術登録したばっかりの

この子にサービスしてあげて」

「おや、そりゃあ特別サービスしてあげないとね! そっちの子たちが召喚獣かい?」

「シロンです。美しい貴婦人。よろしくお願いします。

サービスはパンでいいですよ」

「ニャトルにゃ。ふかふかなベッドを所望するにゃ」

「喋った!? 召喚獣が? へぇー、これは珍しい! しかも貴婦人だなんて。

パンってなんだい? こっちのは面白い喋り方をするねぇ」

「えっへへー、シロンちゃんもニャトルちゃんも新種だよ! 登録したばかりの

ホヤホヤです!」

「それはいいとして、宿取ったら早速仕事に行くんでしょ。まだ日も浅いし」

「そうだった! おば様、宿空いてますか?」

「大丈夫だよ。宿代は、一人食事つきでレギオン銀貨一枚。その子らは無料でいいよ。

それにサルサちゃんの知り合いだから、今日分は無料にしといて上げる。何日くらい

泊る予定だい?」

「えーっとしばらくは滞在してこの子たちを強くしないとなんです。だから七日くらい?」

「七日で強くなれと!? そんな人種みたことないよ!」

「スパルタにゃ。絶対死ぬ。殺すつもりだわ」

「あんたねぇ。たった七日で召喚獣が強くなるわけないでしょ。はぁ……」

「そうなの? シロンちゃん数日で進化したよ?」

「まぁとりあえず七日宿泊して、延長するかどうかはその後決めてくれて構わないよ。

それじゃ銀貨六枚ね」

「はい! ありがとうございます。よーし早速カッパーラビットドラゴン倒しにいこー! おー!」

「後ろにドラゴン付けないでください! 全然弱そうに聞こえなくなるから!」

「これじゃ数日の間にドラゴンと戦わせられるにゃ……」

「言っても始まらないでしょ。私もついていくから、行くわよ」


 


 ご主人にずりずりと引きずられて、ショートの町を出る。召喚獣しまえるように

なったんじゃないのかなー? って思ったけど、うちのご主人は甘くない。


 町の北側から出ててすぐの林は綺麗なトコだった。日向ぼっこしていたいよー。

 などと思ってはいたけどすぐに敵らしきラビットが見える。こいつが今晩のエサか。


「よーしここまで来たらやってやりますよ! 行け、ニャトル!」

「任せろにゃ! ……なんで私がいかなきゃいけないのニャ! お前がいけにゃ!」

「あーもうニャーニャーうるさいにゃ」

「ちっ じゃあさっさといけ小僧」

「普通の喋り方に戻った? ええい、こうなったら……ハンディパンチ!」

「ギュイー!」

「何!? 俺のパンチが効いてないだと?」

「な、なんで私の方に襲ってくるにゃ?」


 俺が攻撃したラビットはニャトルに襲いかかる。しめた! 

 横から爪パンチで攻撃する。お、こいつは弱い。結構効いてるぞ。


「この! 猫だましにゃ。パチン!」

「なんだそれ、攻撃か? 驚いてはいるけど効果あるのか?」

「ふふん、驚くのはこれからにゃ」


 猫だましされたラビットが突如後ろに体当たり攻撃しだした。錯乱か? 


「よし、今度こそ! ハンドでつかんで……ぽいっ!」


 手でつかんで落とすだけの単純な攻撃。だが効果は抜群だ! 


【シャキーン】


 おお、無事倒せたのかな。レベルアップの音がしたよ! 

 ニャトルからも聞こえたな。チッ、大して役に立ってないのに。運のいい奴め。


「あら、案外手伝わなくても倒せたわね。一匹だけど」

「すごぉーい! 二人とももうレベルがあがったね! この調子で後五匹いってみよー!」

「ごめんもう無理後よろしく」

「私も疲れたニャ……寝るニャ」

「二人とももうヘトヘトなの!? しょうがないなぁ」

「あんたも戦って実力あげなさいよね! まったくもう」

「そうでした……じゃあちょっと休んでて。私も少し倒すから! 

 ……空を漂う空気よ。万物ありて切り裂く風とならん。

 導くは烈風となり対象に攻撃せよ、ウインドブレード!」

 

 ご主人の術が聞こえる。あんな事もできるんだー。俺も使えないかなー。


「へえ。なかなかやるニャ。ただの突撃娘じゃないようだな」

「……あんた、そんな群れの中攻撃したら……」


 へ? どこ攻撃したの? 見えないよー? 


「うわわわー!? いっぱい来た! シロンちゃん、ニャトルちゃん、助けて!」

「なんですと!? 一、二、三、四……撤退します。逃げましょう! この世から!」

「何言ってるニャ! このまま逃げれるわけないにゃ!」

「やれやれだわ……燃え盛る大気の熱よ。万物を焦がしその身を滅ぼせ! 

フレイムアロー!」


 おお、魔法だ! ご主人のとは違いこちらは本物の魔法っぽい。

 しかも度定番の初歩魔法に相違ない。格好いいじゃないか。


「よーし俺も真似してみよう。フレイムアロー」


 ピューンと火がついた本物の矢が飛んでった。

 うん、それもフレイムアローで間違いないけどさ。

 そうじゃないんだよ。ファンタジーしていこうよ、もっと! 

 

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