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アシッドスライム退治に出発なのです

 流れでアシッドスライムを倒しに行くことになった俺とサルサさん。

 今回はサッと行って帰って来るつもりなので俺たちだけで行こうと考えています。

 そして、レベルアップしてダメ猫との差を広げてやるのさ! 


「頭の上のそれは連れて行くわけ?」

「置いてったら後で頭頂部を燃やされそうなので……」

「別にいいけど、その妖精何か役に立つのかしら」

「うーん。今のところはカス!」

「……シュボッ」

「あぢぢぢぢ! 何だよ起きてるんじゃないか!」

「いーやー! 誰がカスよ失礼しちゃうわね。ホノミィちゃんは凄いんだからね!」

「自分で自分をホノミィちゃんとか言っちゃうのね……」

「サルサさんも言ってもいいんですよ? サルサちゃん?」

「鳥肌が立つから止めて! それじゃ魔術ギルドから行くわよ」


 そういえば魔術ギルドって入ったことないです。

 何せ俺、ただのウルフィですから。


 ――そして、学校を出てサルサさんに案内されたのが、フィラデルフィアにあるという

魔術ギルド、リバティベル! おんなじやないかーい! 

 

「まぁ専用の魔術ギルドがある場所なんて少ないんだけどね。ここフィラデルフィアは港

町だから。内陸の大国に行けばあると思うわ」

「そろそろこの町にも飽きて来たので、大学が終わったらまた違う町に行きたいですね」

「そうね。まぁ私はお金が稼げて新しい術を完成させればそれでいいんだけど」

「そういえばサルサさんの冒険の目的は聞いて無かったですね」

「今度教えてあげるわ。今は……良かった、丁度アシッドスライム退治があるわ。それと素

材回収? ふうん」

「アシッドスライムってどの辺りにいるんですか?」

「地下水の流れる下水道や、鉱物が多い鉱山ね。鉱山の方が多く密集してるけど

ここからは遠いわ。だから向かうのは下水道。ちょっと嫌なんだけど」

「いーやーー! 下水道なんて汚らわしいところいーやー!」

「あら、案外あんたが活躍出来るかもしれないわ。下水道のモンスターは炎に弱い生物が多

いのよ」

「おお、そういえば……俺たちって炎パーティーじゃないですか?」


 よく考えてみよう。俺たちは現在三人パーティー。

 燃える妖精ホノミィと変な鳥を出す燃えるウルフィ。

 炎魔法を唱えるサルサさん。


 あっ! このパーティー、地雷だった! 

 地雷フィーさんより地雷です! しかも地雷がいないことで色気も足りない! 


「何変な目で見てるのよ」

「いや、もう少し色気があった方がいいなーなんていででででで ほっぺを

引っ張らないで下さい!」

「色気何て魔術には必要ないの。分かるわね? いいわね?」

「は、はい……さて気を取り直して行きましょう! 目指すは下水道!」

「良ーやーー! でも活躍出来るならちょっと行きたいけどいーやー!」

「乗り気でもイヤイヤ何だなお前は」



 そして辿り着きました、フィラデルフィア地下水が流れる下水道。

 匂うかと思ったけどそうでもありません。

 時折強いモンスターが発生するそうなので、入り口には兵士さんがいました。

 でも、今は強いモンスターがいないということで、喜んで通してもらえました。

 何せサルサさんは魔術ギルド所属。

 依頼を見せたら大喜びされました。

 

 ……言うなればお掃除のお手伝いですからね。

 

「思ったより綺麗に管理されてるわね。あの辺境伯、なかなかの人物じゃない」

「貴族ってもっとグヘグヘして悪事ばかり働く見下し野郎とばかり思ってました

けど」

「まぁあながち間違ってはいないけれど、良識ある人も多くいるわよ」

「辺境伯っていう立ち位置が特殊なんですかね?」

「そもそも辺境伯って最前線で戦う戦闘狂貴族みたいなものなのよ。だから能力が

高くても不思議じゃないわ」

「ふーん……おお、早速いましたよ! あれがアシッドスライムって奴か!」

「ただのスライムじゃない……」


 プルプル蠢く謎の生物を早速発見しました。

 しかしこいつはタダノスライム……のようです。

 タダノシリーズだったとは知りませんでした。

 

「アシッドスライムってどんな外見してるんですか?」

「黄色っぽいやつよ。あのスライムより一回り位大きいかな」

「あれじゃなーい?」


 ホノミィが俺の頭部を引っ張って方向を指し示します。

 やめろ、抜ける! その一部が抜けると大変悲しいことになるんだ! 

 そして引っ張られた方向を見た先には……オレンジ色? っぽいスライム

がいました。


「あれ、黄色じゃなくてオレンジ色っていうんだぞ。サルサさんあれ何ー?」

「あれはポイズンの亜種かしらね。よくない色をしているのは基本無視よ、無

視」

「ポイズンの亜種!? ポイズンがそもそもスライムの亜種なのでは?」

「違うわ。スライムはあくまでスライム。スライムが取り込んだものによりポイズン

スライムやアシッドスライムが出来るのよ。そしてそこから亜種が生まれると

いえば分かるかしら?」

「それじゃスライムの亜種は?」

「見た目が全く同じなヒュージスライムやグレートスライムなんかがそうね。

あまり目にすることはないのだけれど」

「そ、そうですか。それじゃそのオレンジ色の横にいる奴は亜種じゃないんですね」

「こんなところにいるわけ……いた!? あ、あれヒュージスライムよ! どうしましょ

う。まだ気付かれてないし、避難しましょ!」

「でもその横に黄色のがいますよ……あれがアシッドなのでは?」


 そうなんです。オレンジ色の奴がいるその後方に壁に溶け込むようにして巨大な

青いスライムがいたんです。さらにその後方……スライムの体は透き通っていて奥が見え

ますが、その後方に確かに黄色の奴がいます。

 つまりスライムは全部で三匹。

 俺たちも三人。

 熱い戦いが始まりそうです。



「三人での冒険が本来丁度良いわね」

「そうなんですよ。だからドラクエもめっきり三人パーティーに」

「ドラクエって何よ」

「しかしアシッドスライムかぁ……酸性ってことはどうやって持ち帰るので?」

「ギルドで採取用の瓶を借りて来たの。これがあれば沢山持ち帰れるわ」

「大きい空の瓶……一杯入れたら持ち帰れます?」

「あんたの袋があるじゃない」

「俺、もしかして便利な運び屋ポジション!?」

「そうよ、あんたは私の荷物持ち。重たいものは全部よろしくね」

「出来れば小さい瓶を三つでお願いします……」


 続くよ!



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