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シロンは大学で学びたい……今日から大学生活入ります。

「あーコホン。皆さん、いいですか? 今日から新たにクラスへと加わる予定の……」

「シロンです! よろしくお願いします!」

「ニャトルにゃ! ニャース卿と呼んで欲しいニャ! ニャゴハーッハッハッハ!」

「サルサよ。質問は一回につきレギオン銀貨一枚で受け付けるわね」

「ラフィーっていいますぅ。皆さん、よろしくお願いしますね」

「ル、ルビニーラです! シロンちゃんとニャトルちゃんの召喚主です!」

『ざわざわ……』

「お静かに。彼らは誘拐事件の首謀者を捕らえた功績により、特別生として迎え入れられました。

期限付きですが皆さん仲良くしてくださいね」

「すっげー! 噂になってたあの事件解決した人たちなの?」

「この犬、どうやって喋ってるんだろ?」

「変なお面つけてるけど、猫可愛いー!」

「こ、こっちの姉ちゃん色気凄いな……でもなぜだろう、危険な香りがする……」

「あ、あのー。サルサさんは彼氏とかいますか? す、好きな人とか」

「ルビニーラさんも可愛い……」

「お静かに! 皆さんは今日からGクラスです。とはいっても我が学園は完全選択制授業。

Gクラスで集まるのは朝のこの時間、伝達事項のみです。それでは各自学習へ向かいなさい」


 そうなんです。俺たちは大学に体験入学しました。

 鑑定はどうしたのかって? それはですね、これから一限目に向かう場所で行います。

 俺たちは十分な功績を果たせたようで、何と特別生として無料で入学出来たんです! 

 そして……まず最初に向かう教室、それは! 

 地味の代表格、魔工です。

 ここにいるローノ先生とは、以前提携する約束をしました。

 何故そんな地味なところから訪れるのか? それはですね。

 この大学を訪れたときに感じたのです。

 この魔工が恐らく最も大事であると。

 例えば! スマホでいうならですよ。デザインや新しく付いた機能、ボタンや

グラフィック、解像度、カメラなどといった点に着目されます。

 しかし最も重要というのはスマホの触ったときの反応速度や起動の良しあしや充電の容量などなど。

 これらが備わらねば商品として確立しないのに何故か地味! 

 そして地味なところを無視すると商品が極端に売れなくなるしかし地味なので優秀な方しか目を向け

ないのです! 

 この地味が分かっている経営者は必ずといっても成功します。

 それをシロンは知っているのです! どうだ、これが転生無双なのだ! 

 

「……いきなりこんな場所から訪れることになるとは想像してなかったわ」

「いやー、やっぱりサルサさんも気になってきちゃうところがさすがです」

「持って帰って来てあんたに渡してあるお宝が気になるのよね」

「がめつい方でした……ニャトルとご主人は別の場所に?」

「ええ。召喚の場所に向かったわ。シロンも無理やりにでも連れて来たかったみたいだけど、お金の件で

断りを入れてあるのよね。あんたが買った魔導書が高かったから」

「う……でもあれは使いこなしてみせますから!」

「まぁいいわ。ここの先生、かなり変わってるみたいね。生徒の間でも有名だったわ」

「そう言えば彼氏がいるか聞いて来た青年と何か話してましたね」

「うふふ……大分儲かったわ。上手く質問を質問で重ねられるようにして……ほら」

「うわ……銀貨が一、二、三……えげつないってこのことですね」


 さすがは天下のサルサさんです。

 どうしようもないくらいがめつい! しかし男っていうのはそういう女性に上手く使われる。

 それをこの旅で学びました……。

 シロンはそんなことありませんけどね! 


「失礼しまーす」

「……」

「ローノ先生ー! 来ましたよー!」

「……! ……?」

「忘れてませんか。俺です、シロンです!」


 何かを夢中になって作ってる先生。

 相変わらず無口な職人タイプです。


「……ああ。犬のシロン。良く来た。学びに来たのか?」

「それもあるんですが、これを見てください」

 

 と言っても自分で引っ張りだせないのでサルサさんに振るってもらいます。

 ごとりと落ちる重そうな箱を見て、先生は驚いていました。


「……これを、何処で手に入れたのだ」

「ええと、魔族と取引したダンジョンの最奥地の壁から……です」

「……伝説の金属、エーテルアダマントだ」

「伝説の?」

「金属?」

『ええーーーー!?』

「……希少な金属塊だ。これほどの量があればかなりの代物が作れる。いや、発見だけで

も大事件だ」

「お金にすると幾らになるのかしら、ロート先生?」

「違います、ローノ先生です。それは先週の奴……というか俺のネタが今週に続くために

考えたのばらさないでください!」

「そ、それは分かり辛すぎるから今言わないと分からないでしょ!」

「……俺にも計り知れん」

「ちなみに俺は売る気、毛頭ありませんよ? 小分けにすれば凄い取引材料になりますよ

ね?」

「……ああ。この量なら聖剣と聖盾まで作れるだろう」

「げ……勇者装備を作れるような代物ってことですか……」

「どど、どうすんのよこんな貴重そうなもの。持ってたら命狙われそうだし処分した方が

きっといいわよね? シロン」

「だから売りませんて! 俺の袋で永劫眠りについてもらってやばいときにおいて逃げれ

ば命を守る道具に!」

「……それは勿体無いだろう。見たところ犬のシロンの装備が貧弱に見える。良い装備に仕

立ててみたらいいんじゃないか」

「でも、こんな重たい金属装備出来ませんよ? 俺」

「……この量ならそうだろう。犬の大きさなら二百分の一程度だ」

「それでも重そうだけど……そこはもしかして」

「ああ。魔工の調整範囲だろう。魔付与は他で頼むといい。どのような防具がいいか考えは

あるか?」

「それなら……」



 一考した俺は自分の体をまじまじと見ます。そして……。


「あります! じゃあこういったものを頼みます」

「どういったものだ?」



「えっ? もう終わりなの? 今週分?」

「はい。きっちり一話二千文字以上は書き上げましたよ?」

「くっ……せっかく大学生活が始まりそうなのに!」

「ウルフィちゃんは週一継続中なのです」

「でもほら。ルビーの方だって気になるじゃない?」

「主人公はあくまでもこのシロン! そう、これはシロンの物語なのです!」

「はぁ……なんだか私とあんたの物語になりつつあるわね……」

「確かに。やはりボケと突っ込みこそ正しいコンビなのかもしれません。

ご主人はなにせボケだから……」

「そろそろ召喚士として自立して欲しいんだけどねえ……」

「はっ!? 後書きが漫才パートになっていないだと!?」

「たまにはいいじゃない。それじゃまた来週!」

「それ、作者の言う奴ー!」


 ……取られた。

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