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フィラデルフィアで鑑定なのです

「ち、違うんです保安官さん! 俺はただツンドラ国をですね……」

「ここはフィラデルフィアという国なんだがね。まぁいい。話は分かった。お宝鑑定前で

少し舞い上がっていたということで報告をしておく。次からは気を付けるように」

「はい……よく言い聞かせておきます……」

「ば、ばかな! 俺は無実だわん!」

「とったような語尾を付けるんじゃありません。本当にすみませんでしたー!」

「おーれーおれおれおーー、ワンツーワンツー! いだだだだだっ! ほっぺを引っ張ら

ないで欲しいのです!」

「元気なのは良いことだが、国民に迷惑だけはかけないように。私も賑やかなのは好きな

のだがね」

「では保安官さんもご一緒に! のめりこめ!」

「はっはっは。のめりこめ! よし、これくらいにしておこうか」

「はぁい。お騒がせしました!」

「はぁ……あんたって奴は」

「うふふっ。シロンさんて本当に賑やかで楽しいですよねぇ……」

「一家に一台、便利なシロンをどうぞよろしく! よーしそれじゃ今度こそ鑑定に行きましょう!」

「お陰で物凄く遠回りしたわよ……」

「ねぇねぇ。シロンちゃんたちは何を拾ってきたの?」

「そっか、あんたはいなかったから知らないのよね。結構苦労したのよ。壁に埋まって死にかけたん

だから取り分は私が八でいいわ」

「ご無体過ぎません? 助けたのは俺なんですよ!」

「そのお宝って分けられるニャ?」

「それどころかお宝かどうかすら怪しい代物です。重すぎて持てませんし」

「確かに変な箱よね。どうやって開けるのかしら」

「開けて中に何か入ってるものニャか?」

「さぁね。でもシロンに着けてもらった重さを気にしなくて済む袋の方が、貴重かもしれないわよ」

「確かにアイテムボックスを手に入れたようなものです。三つしか入りませんけど」


 やいややいやと話しながらも、直列で勇者パーティーのように歩く俺たち。

 保安官さん。もう迷惑はかけません。この隊列、とても怪しいですけど騒ぎません。


 ――そして例によって例の如く鑑定屋へと着きました。

 俺を逆さに振るって重たいブツを取り出すサルサさん。

 それをマジマジとみる鑑定屋うさぎさん。


「こ、これは……!」

「おお、分かるんですか! さすが鑑定屋さん」

「分からんウサ。タダノゴミウサ?」

「タダノゴミウサって何かの草みたいですねぇ……」

「やっぱりタダノゴミだったニャ?」

「しかし非常に重たい。この大きさでこの重さなら特殊金属かもしれんウサ」

「特殊……金属!? 待てよ。学校に持って行けば或いは!」


 俺は学校で知り合った先生の顔を思い出しました。

 ちなみに名前は忘れました。


「これはやっぱ、学校へ行けってフラグだったんですね」

「つまりここに来たのは無駄足だったってことかしらね」

「う……そうかもしれません」

「そういえば新しい商品が入荷したウサ。買っていくウサ?」

「あんたの店って買い取ったものを直ぐその場で売ってるの? 何かしら」

「魔導書ウサ。入荷仕立てのほやほやウサ」

「魔導書って例の魔術を俺でも使えるようになる奴ですか!?」

「ちょっと違うわね。あれは使い切りでしょ。魔導書は使い切りじゃないの。魔珠を消費して

その魔導書の魔法が使えるのよ」

「何ですと? 欲しい、欲しいです! ベギラマンとかイオピーマンとか使えるようになりたい!」

「な、何だか危険な香りの魔法だニャ……」

「大丈夫ただの人の名前だ。後ろにマンが付くのは全部人です。深く考えてはならない」

「この魔導書、今ならたったのレギオン金貨三十七枚ウサ!」


 ひゅーんと風が吹き通る。

 それって安いの? 高いの? どっちなの? 


「サルサさん。どうするんですか?」

「魔導書はあまり出回らないのよね。それで、何魔法なの?」

「おっとそれは鑑定してからのお楽しみウサ。今なら鑑定料込でこの値段ウサ」

「未鑑定の魔導書? それじゃ高いわ。いらないわね」

「えー! 大魔法だったらどうするんですか! 金貨三十七枚、俺が欲しい!」

「毎度ありウサ! さぁさぁ金貨を!」

「ご主人、お願いします!」

「うん? シロンちゃんが買いたいの? お金、足りるかなぁ」

「そういえばサルサさん。確かあのダンジョンで壁に入ってるの、助けましたよねー?」

「う……」

「そっちの地雷さんも、助けましたよねー?」

「うぅ……」

『分かったわよ!』

「ま、毎度どうもウサ……それじゃいくウサ……」


 ひょんなことから面白いアイテムをゲットできそう! これは楽しみです! 



「……あんたね。学校入学前に終わるとか、ないわー」

「え? 今回は中々楽しさ目白押し、ワクワクが止まらない来週楽しみ展開ですよ?」

「だからどーしてここで終わるのよ! 一個も鑑定されてないじゃない!」

「この謎の箱は学校で鑑定のお楽しみという鑑定結果だったじゃないですか!}

「くっ……二段階でくるとは思わなかったわね……でも召喚獣が滞在する世界はいいじゃない」

「えっへん! 入浴しながら三分で考えました!」

「あんたね……」

「ちなみに来週分の発案はもうあります。一時間で一話を書き上げることは可能!」

「だったら書きなさいよ!」

「それがですね……こちらも更に新作やら竜さんが出て来る作品やらがですね……」

「ギャグが欲しいのよ! 私はギャグに飢えてるの! さぁ、さぁ!」

「そういうのは出版社さんに言ってください……」

「こんな作品で書籍化されるはずないでしょ!」

「ごもっとも。おあとがよろしいようで。では!」


 また来週! 


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